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肉体を捨てる方法と脱肉体後の生活

▽『蘭茶三角大統領、肉体を捨てる捨てる言っているけど胡散臭くない?』という肉体人類向けに、今回は肉体を捨てる方法を紹介する。

肉体を捨てるには、まずは意識を肉体以外の容器に移す必要がある。『生きた人間を模した人工知能』などがよく語られるが、見かけの人格を模しただけでは意識は移せない。

意識の正体はこの時代でも明らかになっていないし、おそらく人類には無理だ。しかし脳の状態は人類の分析能力が上がれば把握できるし、計算能力が上がれば再現できる。意識そのものは外部から観測できないが、条件さえ揃えられれば発生する可能性はある。

蘭茶三角が語るバーチャルブレインとは、『神経細胞や電気、物質的、空間的な脳の状態そのものを再現し、意識が発生する条件を整備する』ものだ。そこに人間由来の意識を移すことにより、人類は肉体を捨てることが出来る。

▽意識を肉体的な脳からバーチャルブレインに移すためには2段階が必要だ。生体脳には通信機能や互換性を持たないため、一度機械に置き換えてからバーチャルブレインに移す必要がある。

生体脳から機械脳への置き換えは、意識が消滅しないように徐々に行う必要がある。まずは生体脳の状態を持続的に複製し、学習。バーチャルブレインの動きに反映させて、意識が発生する条件を作る。

そして生体脳を機械脳に置き換える。機械脳は神経細胞と同サイズの機械を組み合わせたもので、神経細胞を一つ一つ置き換える。機械神経細胞は、生体神経細胞の状態を複製して、再び他の生体神経細胞に接続、意識発生時と同様の現象を発生させて意識を持続させる。

生体神経細胞を機械神経細胞に置き換えたらバーチャルブレインとの同期を徐々に始める。機械神経細胞一つ一つの単位でバーチャルブレインに接続し、意識が持続するように時間をかけて完全に同期する。完全に同期すると肉体を捨てる準備が完了する。

▽バーチャルブレインは特定の物理的な計算機を持たないことで破壊を免れている。世界中のさまざまな計算機をまたがり同時に計算させるが、常に動きを記録として残すことで同一性を保持している。

▽バーチャルブレインに移した意識は、常に肉体人類と同様の刺激を与えていないと無に耐えられなくなり崩壊する可能性がある。

そこで任意のアバターと空間を与え、人間として生きている状態を作る。空間や刺激、概念通信をそのまま感じさせることはできないので、必要に応じてその概念を認識できる可能性がある現象をバーチャルブレインに発生させることで、人間の主観に認識させている。

▽人間が感じる空間や刺激、概念は人類の機械全体の計算能力が上がれば無限に作り出すことが出来る。ここでは他者と関わる必要は基本的にはない。関わる相手がいる場合や行きたい場所があるなど、積極的に関わろうとしない限りは関わらずに幸福に生きることができる。

しかし、何か生産活動をするなど、他者が必要な場合は、バーチャルブレイン同士のつながりの場となる、バーチャルソサエティに属することが出来る。バーチャルソサエティは、バーチャルブレインに意識を移した人間が利用するSNSのようなもので、空間や概念通信を利用して、関わりたい人間同士とだけで社会を形成する。

シナノヴァーチャル連邦共和国のような『国家』とは、任意のバーチャルソサエティや人格が構成した、物理的な資源を分け合うための組合だ。国民の意識を統合し、足りない人権を補った憲法や法と呼ばれるプログラムに則り、人権保障のために各個人レベルで資源を最大限分け合えるように計算して政治を行う。

▽生産手段は、バーチャルな概念であればその場で考えるだけで生み出される。物理的なものであれば、国が有する生産手段を利用して生み出すことができる。

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