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【名古屋市中川区】尾頭橋駅前に広がる遊郭跡を歩く

街歩きが好きな方ならご存じとは思いますが、名古屋市の遊郭跡と言えば中村区の大門の中村遊郭跡が有名です。しかし大門は古い妓楼跡は次々と取り壊され、2022年現在ではソープランドに転用された施設と老人介護施設に転用された数件を残し、ほぼ壊滅状態となっています。
一方で今回ご紹介する尾頭橋。中村遊郭が知名度が高いためあまり知られていませんが、かつて遊郭跡「八幡園」として大変賑わったそうです。尾頭橋は大門と違い、風俗街やソープ街にはなっておらず、名古屋駅と金山駅に挟まれた静かな住宅街となっています。こちらも妓楼跡はかなり数をへらしておりますが、中村遊郭よりもこちらのほうがかつてを姿を残した建物が残っているようで、今回訪問してきた次第です。

JR尾頭橋駅前。東海道線の駅としては比較的新しい1995年開業。土日ともなると、近くのウィンズ名古屋へ向かう競馬ファンのおっさん方の大行列が見られます。

尾頭橋はぶっちゃけ何もありません。別に遊郭跡が観光地化されているわけでもなく、尾頭橋駅前には商業施設は皆無。駅前広場すらなく、駅目の前は人っ子一人いない公園となっています。大半の人は、尾頭橋駅改札を出たら左へ曲がりウィンズ名古屋へ向かいますが、私のようなごく一部の街マニアのみがこの公園を通り抜け尾頭橋の住宅街へ向かいます(もちろん、この駅が最寄り駅の人も多いです。)

駅前の公園を通り抜け西へ向かうと、超絶レトロな八幡温泉。遊郭跡、八幡園の八幡の名残です。

遊郭跡に向かう前に、レトロな街が好きな方は要チェックの温泉、八幡温泉に立ち寄ります。銭湯ではなく温泉と名乗っているのがいいですね。

併設のコインランドリー。「洗う」「乾かす」。世界一分かりやすい案内看板。

古めかしいコインランドリー。外観の錆っぽさが時代を感じます。ここ八幡温泉は昭和4年建築(口コミ情報より)とのことで、戦争も潜り抜けた歴史ある銭湯とのことです。

尾頭橋公園から眺める八幡園の遊郭跡。この構図、八幡園の定番の構図です。

さて、八幡温泉を南に少し歩くと大きな公園があります(駅前の公園とは別の公園です)。八幡園の中心部に位置する尾頭橋公園周辺に、妓楼跡が多く残っていますので、有名な建物を紹介していきます。

尾頭橋公園北の和風な建物。かなり立派で、現役で民家として使われています。玄関前には屋号も残ってます。
尾頭橋公園北の、和風な建物と真逆のカフェー様式な洋風建物。茶色の和・純白の洋の対比が素晴らしい。ちなみに現在は企業の事務所となっています。
尾頭橋公園の西側の建物。老巧化が半端なく進んでおり、建物が歪んでます。
2階の窓の手すりの装飾が、いかにもな感じです。
一つ前の写真の南隣のタバコ屋さん(現在はやってなさそう)。壁面から政治色の強いメッセージを感じますが、思想がバラバラ過ぎて突っ込みどころが多い 笑
このタバコ屋さんが妓楼かどうかは正直よく分かりませんでしたが、このタバコ屋さんが
有名なのはこのショーケース。タイル状の円柱がモダンでオシャレ。
是非肉眼で確かめてもらいたい。
和風な装いに歴史を感じます。塀の屋根が朱色で、艶やかじゃないですか。
老巧化は激しですね。すこし歪んでいるように見えます。
尾頭橋公園の東側、ばんたね病院方面にのこる妓楼。2階の手すりの装飾が細かいです。
周辺はマンション建設が進んでおり、真新しいマンションに見下ろされる形で今も昭和の面影を
残しています。
こちらは尾頭橋公園から西にかなり進んだ先、新幹線の線路付近にぽつんと離れた妓楼跡。
洋風建築で、玄関前の南国風の木と窓のない壁。まさに妓楼跡。
屋号がしっかり残ってました。「一力」さん。

尾頭橋の遊郭跡の様子、いかがだったでしょうか。
尾頭橋の妓楼跡も老巧化は著しく、いつ取り壊されてもおかしくない建物も多いため、この目で確かめておきたい方はお早目の訪問をおすすめします。なお、今回紹介の遊郭跡とともに、尾頭橋全体の様子と隣のナゴヤ球場周辺の様子をYoutubeで動画公開しておりますので、もしよろしければ今回の遊郭跡の様子を動画でもご覧頂ければと思います。

それでは、また。みそどんでした。


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