クリエイター搾取とマーケター

企業による末端クリエイター搾取問題は、そもそもがパワハラなので立場の弱い末端クリエイターにできることは少ないけれど、容認してきた自分たちにも責任の一端はある。

近年はだいぶ改善されてきたものの、クリエイターに関わるビジネスや企業が昔よりも多様化して増えたことで差し引きゼロともいえなくはない。

いつだったかの忘年会で代理店のお偉いさんに絡まれた。

「世の中に価値を創出してるのは俺等であって、まちがってもお前ら三流クリエイターじゃねえんだ!」

たしかにマーケティングやブランディングが世の中に価値を創出しているという事実に異論はないのだが、つい「よそでブランディングされた権威にワンテンポ遅れて便乗してるだけのあなたもまた三流では?」と言いかけて、ぐっと飲み込んだ。

心から尊敬できる優れたマーケターと関われたことは何度もあったけど、お世辞にも有能とは言い難いパワハラ気質のマーケターによる搾取はそれ以上に多かった。

有能ではないマーケターが生き残る最後の手段が搾取なのだと考えれば、それもまた必然かもしれない。

当然ながら、優れたマーケターが必ずしも誠実であるということはない。
それでも、彼らの多くは卵を踏み荒らしながら飛び立った鳥の尾羽根に手を伸ばすようなまねをしない。

金の卵がどこに転がってるかわからないからだ。

残念ながら自分は金の卵ではなかったけれど、だからといって踏み潰されていい理由もない。

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