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レビューとレポート第49号

レビュー

[1]新潟県立近代美術館2023年度第1期コレクション展「没後50年 横山操展」レビュー
志田康宏(栃木県立美術館学芸員)
https://note.com/misonikomi_oden/n/n1964d51d14ae


レポート

[2]「マッドスプリング」レポート
宮野かおり(美術作家)
https://note.com/misonikomi_oden/n/n9190fc091997


[3]レトロスペクティブ ― パープルーム大学Ⅱ 熊本市現代美術館 ―
みそにこみおでん(コレクター)
https://note.com/misonikomi_oden/n/n6d5a9a9c2042




お知らせ

これから

黄色地松皮菱繋ぎに檜扇団扇菊椿文様紅型胴衣 木綿、型染 19世紀 丈95.0cm
白掛色絵梅竹文碗 壼屋 19世紀 7.3×13.5cm

豊田市民芸館開館40周年記念特別展「沖縄の美」(日本民藝館巡回展)
豊田市民芸館 第1・2民芸館
2023年10月7日 - 12月3日
9:00 - 17:00
休館日:月曜日(10月9日は開館)
https://www.mingeikan.toyota.aichi.jp/

日本本土や中国、朝鮮、東南アジアの国々の影響を受けながら琉球王国として独自の文化を形成してきた沖縄。その地を日本民藝館創設者の柳宗悦(1889-1961)が初めて訪問したのは1938年のことでした。
「私たちのように伝統的な工藝品を求めて各地を歩いている者には、琉球の存在は誠に奇跡のようなものであった」と柳は絶賛し、以来、民藝運動の仲間とともに計4回にわたり沖縄を訪れます。土地の風物や言語、暮らし、自然の豊かさに感嘆し、工藝調査や蒐集を精力的に行い、展覧会や雑誌『工藝』などを通してその成果と魅力を広く紹介してきました。
本展では令和4年度に本土復帰50年を記念して日本民藝館で開催された特別展を再構成します。型紙を使って文様を染める華やかな紅型の衣裳や手描きで糊引きするうちくい(風呂敷)、芭蕉や苧麻、絹、木綿などを材に地域ごとに特色のある縞や絣の織物、技法も形態も多様な陶器や漆器とともに、柳らの訪問時に撮影された戦前の沖縄を紹介する写真もあわせて展観。改めて沖縄が「美の宝庫」であることを紹介します。(PR)


開催中

《いのち》 2023年 キャンバスに油彩
《星川の反乱》 2021年

星川あさこ個展 わたしはこのせかいをとても愛していますが、同時に無意識下にて、せかいにむけて、つよい怒りをもっているんじゃないかと思うことがあります

2023.9.10(日) - 9.18(月・敬老の日)(水曜日は休廊)
パープルームギャラリー
15:00 - 20:00
https://parplume-gallery.com/

……わたしはこのせかいをとても愛していますが、同時に無意識下にて、せかいにむけてつよい怒りをもっているんじゃないかと思うことがあります。絵を描いているときは、それをよく思います……
酔っぱらって絵を描くと、いきおいがつき、いろのつかいかたもいきおいでぐしゃぐしゃになり、まるでお酒といろが、反乱をおこしているようにかんじます。描いたときのこともあまりおぼえていないし、酔っぱらって気づいたら作品ができあがっているかんじです。ほとんど何も考えずに無意識に描きます。
お酒をのまずに絵を描くと、こんどは客観的になって、いろを置いてくるようなかんじで、すこしおとなしくなります。とつぜんまるで怒りにも似たような感情で、いきおいづいて描くこともあります……
わたし自身は平和主義ですが、その裏がわにたくさんの怒りをもっているとしたら、じぶんというそんざいがおそろしいと思いました。ですが、これからも怒りだったり救いだったり死だったりするようなじぶんの表現をつづけていきたいです。(星川あさこ)



土方久功《二人-にらめっこ》1965年、世田谷美術館蔵 撮影:上野則宏
柚木沙弥郎《町の人々》2004年、世田谷美術館蔵 撮影:上野則宏


土方久功と柚木沙弥郎 熱き体験と創作の愉しみ

2023年9月9日 - 11月5日
世田谷美術館
10:00 - 18:00(最終入場時間 17:30)
休館日 :毎週月曜日 ※ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)は休館
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

土方久功は、東京美術学校(現・東京藝術大学)彫刻科を卒業後、1929年から42年まで、当時日本の委任統治領であったパラオ諸島や、カロリン諸島中部のサタワル島で過ごしました。現地の人々と生活しながら制作に励む一方、周辺の島々を巡り、生活様式や儀礼、神話などの詳細な調査も熱心に行いました。帰国後は世田谷区の自宅で、ミクロネシアの人物や風景を主題とした木彫レリーフやブロンズ彫刻、水彩画を数多くのこしています。
柚木沙弥郎は東京帝国大学(現・東京大学)文学部美学美術史科で学んだ後、柳宗悦が提唱する「民藝」の思想と、芹沢銈介の型染カレンダーとの出会いを機に染色の道を志すようになりました。以来、鮮やかな色彩と大胆な構図の型染による作品を発表するほか、立体作品、絵本まで精力的な創作活動を展開しています。100歳を迎えてなお活躍を続ける柚木の作家人生においては、海外でメキシコの玩具などを目にした経験が、より自由な表現へ向かう契機となりました。
本展では世田谷美術館の収蔵品に作家やご遺族が所蔵する作品と資料を加え、パラオ諸島や周辺の島々での稀有な体験、そして日常の身近なものや出来事に潜む面白さを源泉として生まれた二人の創造の世界をご紹介します。(PRより)



オスマン帝国メジディエ勲章をつけた山田寅次郎 1904年 一般社団法人山田家蔵
会場風景 撮影:木奥恵三

山田寅次郎展 茶人、トルコと日本をつなぐ
ワタリウム美術館
2023年8月11日 - 11月19日 休館日:月曜日(9/18、10/9は開館)
11:00 - 19:00
大人 1,400円 / 学生(25歳以下)1,200円
※入館料のうち、お一人200 円を義捐金としてトルコ地震の被害地へ寄付させていただきます。

主催:山田寅次郎展実行委員会(一般社団法人山田家・駐日トルコ共和国大使館・ワタリウム美術館)
http://www.watarium.co.jp/


明治時代の青年たちは、更なる魅力ある日本を求めて、 世界へ出て見聞を広めた。
1890年、日本に到着したオスマン帝国軍艦・エルトゥールル号が、帰路、台風で乗組員のほとんどが命を落とした事故に心を痛めた青年、山田寅次郎は義捐金活動を開始、集めた義捐金を持参しオスマン帝国へと向かいました。 わずか24歳の目に映ったのはオスマン文化の荘厳さと人々の暖かさでした。 本展は、山田寅次郎という明治の人物を介し、日本とトルコという異なる歴史を持つ2つの国が交流する様子を伝えながら、相手の文化を深く尊敬することの大切さを感じる機会にしたいと思います。(WEB)

ワークショップやディナー、コンサート、そしてトークイベントを通じてトルコ文化を体験し学ぶことができ、シーシャを楽しみながらアート映像を見たりする会も。毎週木・日曜には抹茶が、火曜にはトルココーヒーを館内で楽しむことができます。そして毎日チャイを楽しみつつキュレーターかスタッフによる解説を聞く時間もあります(いずれも有料)。イベント盛りだくさんですね。



《なま玉子J》1978 年、高松市美術館蔵

高松市美術館開館35周年記念特別展「上田薫展」
高松市美術館
2023年7月15日 - 9月18日
9:30 - 17:00(ただし、金曜日・土曜日は午後7時閉館)

身近なモティーフを超写実的に描く上田薫(1928~)。独自のスタイルでリアルを極限まで追求した上田の初期の作品から最新作までを紹介します。
(略)1928年東京に生まれ、1954年東京藝術大学を卒業後、抽象画家としてキャリアをスタートさせます。その後グラフィックデザイナーとして活躍した上田は、1960年代に再び絵画制作に取り組み、70年代には写真を使って対象を精巧に描き出す独自の写実表現を確立し、(略)瞬間を捉えた写真をもとにして精巧に描き出すその手法は、情報技術が進み写真や映像の表現が進化し続けている現代においても、また新しい視点で観客の目を楽しませます。
本展では、モティーフを拡大し超写実的に描いた油彩画はもちろん、大学時代に描いたデッサンや初期の抽象絵画も展示します。さらには本年に描かれた最新作まで紹介し、スーパーリアリズムからは離れながらも多彩な表現を続ける上田の描くことへの飽くなき興味と挑戦を感じていただけることでしょう。(PRより)

https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/exhibitions/exhibition_2023/exhibition_2023/ex_20230715.html

画像提供:高松市美術館



《ブランコの絶好のチャンス》2013 年、作家蔵

特別企画「小川信治展 Better Half 回帰の手法」
2023年7月15日 - 9月18日
9時30分 - 午後5時(ただし、金曜日・土曜日は午後7時閉館)
※ブランチ・ギャラリーのみ7月22日から開催。
会場:高松市美術館、2階展示ロビー・1階図書コーナー、ブランチギャラリー(高松丸亀町商店街内)

名画から主要人物だけを抜き取り精密に模写した〈Without You〉、観光名所などの風景を元に建物や人物など同じモティーフを2つ並べて描〈Perfect World〉など、精緻な描写と感覚を揺さぶる表現で独自の世界を確立するアーティスト、小川信治。本展では「回帰」をテーマに、画家として活動し始めた1980 年代に描かれた最初期の作品から、最新作まで、油彩、アクリル、鉛筆、インク、映像など様々な技法が用いられた36 点を展示します。(PRより)

https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/hukyuutest/live/events/ev_20230715.html

画像提供:高松市美術館



辻晉堂 《 時計 》 1956年 京都国立近代美術館蔵

開館60周年記念
走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代

京都国立近代美術館
2023年7月19日 - 9月24日
10:00 - 18:00(金曜日は20:00まで開館)
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2023/454.html

1948年に八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人で結成された走泥社は、その後、会員の入れ替わりを経ながら50年間にわたり日本の陶芸界を牽引してきました。
しかし、50年という走泥社の活動期間全体を見渡した時、日本陶芸界におけるその重要性は特に前半期にあります。
本展は、走泥社結成25年となる1973年までを主な対象とし、走泥社と同時期に前衛陶芸を展開した四耕会の作品なども合わせて展示することで、日本の前衛陶芸が確立していくうえで中心的な役割を果たした走泥社の活動の意味を再検証するものです。(PRより)

画像提供:
開館60周年記念 走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代 広報事務局



ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会
森美術館
2023年4月19日 - 9月24日
10:00 - 22:00 ※会期中の火曜日は17:00まで
https://www.mori.art.museum/jp/

1990年代以降、現代アートは欧米だけでなく世界の多様な歴史や文化的観点から考えられるようになりました。それはもはや学校の授業で考える図画工作や美術といった枠組みを遙かに越え、むしろ国語・算数・理科・社会など、あらゆる科目に通底する総合的な領域ともいえるようになってきました。それぞれの学問領域の最先端では、研究者が世界の「わからない」を探求し、歴史を掘り起こし、過去から未来に向けて新しい発見や発明を積み重ね、私たちの世界の認識をより豊かなものにしています。現代アーティストが私たちの固定観念をクリエイティブに越えていこうとする姿勢もまた、こうした「わからない」の探求に繋がっています。そして、現代美術館はまさにそうした未知の世界に出会い、学ぶ「世界の教室」とも言えるでしょう。
(中略)また、当館の企画展としては初めて、出展作品約150点の半数以上を森美術館のコレクションが占める一方、本展のための新作も披露され、54組のアーティストによる学びの場、「世界の教室」が創出されます。
(WEBより)

画像:プレス向け内覧会で撮影






表紙について

「とある普通の人魚の主人公、恋した人間の男の子に会いに自力で人間になる薬を作っちゃった!?天才人魚と天才少年が織り成すサイエンス☆スペクタクル!」

人魚姫をモチーフに、もし人間の男の子に恋をした人魚が魔女に頼らず自力で人間になる薬を作り上げ、陸に降り立ったら…??という少女マンガのストーリーを考え、表紙を描きました。
人間になる薬を作った秀才の持ち主である主人公は、人間界でも頭が良すぎて目立ってしまい、その才能をとある男子に見初められ、何故か一緒に国際化学オリンピックの金メダルを目指します。

宮野かおり




あとがき

原稿募集中です。掲載希望される方は下記連絡先まで。
美術展のレポートやお知らせでの掲載や取材を希望される方はプレスリリースを下記連絡先まで送ってください。
展示内覧会へ招待いただければ取材へうかがいます。


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企画・編集:みそにこみおでん
スタッフ(校正担当):シロクマ
表紙絵:宮野かおり
連絡は下記へみそにこみおでん宛にお願いします。
E-mail: aspma260[あっと]gmail.com
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レビューとレポートバックナンバー
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