今日もまた言葉を呑み込む
アルコールが言葉を溶かしてく
むかついてふいに吐き出した　それは
まるで黒いインクのようで

インクは部屋に染みを作り
今日も今日とて僕は吐き出す
輪郭を形作ろうと　頭をもたげる
ぴしゃりと音をたてる　気づかないふり

吸って吐いてむせて吐いて
声に言葉にならない想いを
君の顔が浮かんだ
喉を震わそうとして、また、今日も。

今日もまた言葉を呑み込む
シンナーの匂い　脳を溶かしてく
回らない頭で吐き出した　それは
足元を浸すばかり

部屋に溜まってくばかり

溜まりに溜まったそれは
もう膝下まで、もう腰下まで
つるりと足を滑らせた
一際大きな音が立つ

視界一面の黒
溺れたら、楽になれるかなってなんて。けど
酸素よりも感情が足りなくて
空白を自覚して苦しくて

沈んだその先で
指先に固い何かがあたる
ぼうとした頭で思う「書かなきゃ」
正しさも本当もわからないまま
ただ衝動に身を任せ

言葉を紡いだ

書いてかいて書いて描いて
綺麗とか人目とか全て捨てて
それがたとえフィクションだとしても
ただ言葉を紡いでいけ

今日もまた言葉を吐く