おっぱいの孤独

「飲んで健康に育ってくれる事が一番だから、ミルクでも直母でも私はどっちでもいいと思った」

これは先輩ママである姉の言葉。
そう、そうなのだ。
出産前は完母でも、完ミでも、混合でも、どれでもいいと思っていた。念願叶って、授かった大切な赤ちゃんが無事育ってくれれば。

でも、でも、できればおっぱいがいい…

出産後、思いがけない矛盾が自分の中に生まれた。


我が家の赤ちゃんは母乳+ミルクの混合育児。
が、生後1か月頃から母乳をあげようとすると大号泣で拒否!
小さな手足が力強く抵抗し、おっぱいを殴るわ蹴るわの大暴動。
新生児って、こんな強い意思表示する?!


予想以上に、これがなかなか傷つく・・・
いざ飲んでもらおう!と勇んで外の世界に飛び出したおっぱいは、その存在を拒絶され、所在なさげに服からだらり。
部屋はつんざくようなわが子の泣き声で充満。

なんで飲んでくれないの!
悲しみと怒りと、寝不足も相まってストレスはピーク。ミルクを哺乳瓶から飲むということは、私のあげ方がいけないの?食べたものがよくなくて美味しくないの?と自分を責め、時間があればネット検索する日々。
おっぱい拒否=私を拒否していると感じて辛かった。

我が子がおっぱいを飲まなくなった理由は、乳頭混乱。最近だと芸人の白鳥さんがブログに書かれてましたね。
おっぱいと哺乳瓶の混合授乳では、哺乳瓶の方が飲むのが簡単なので、おっぱいから飲んでくれなくなるというやつ。

解決策として、哺乳瓶からなら飲んでくれるので、搾乳したおっぱいを冷蔵庫で一旦保存し、時間になったら哺乳瓶に移し替えて、温めてあげることに。

哺乳瓶からだとゴクゴク飲む赤ちゃん。
なんで直接おっぱいから飲んでくれないんだよう…と思いながらも、美味しそうに飲む顔が愛おしくて、姉の言葉が胸に響く。

健康に育ってくれる事が一番。
そうだよね。これでもいいんだ。



その後、ある助産師さんのブログに「おっぱいを飲んで欲しいと思うのはママの本能」という言葉を見つけ、ようやく胸にストンと落ち着いた。

自分でも気づかない間に、徐々に私はママになっているのかもしれない。

その後、突然の哺乳瓶拒否で、直母しか受け付けなくなったり(これはこれで災害時や私不在時は不安)、
搾乳を飲まなかったり、日によってミルクの好みが変わったり、一筋縄ではいかない授乳。
夜中はぐびぐびおっぱいを飲んでくれたりする。
月齢3か月を過ぎる頃には、直母と搾乳とミルク(複数のメーカーを交互に)の3パターンの授乳が当たり前になった。

まぁちょっと面倒だが、これならどうかなー?と毎度おみくじ気分で過ごしている。
前のように落ち込んだりもしない。
これもこの子の個性、気分屋さんなのかな?グルメなのかも!と思えるようになった。

おっぱいも、孤独を知って、大人になるのだ。
(どんなまとめかた)

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