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所属事務所選びの参考資料:マネージャー考「何をする」かより「誰とする」のか。

最大の特徴はマネージャーと所属俳優の数のバランス

俳優プロダクションは商品が俳優で、その俳優を管理したりプロモートしたりすることで利益を得ています。つまりは俳優の数とマネージャーの数のバランスで、どれくらい俳優に手をかけ目をかけ面倒を見てるか分かります。

吉本興業さんの芸人さんが色々と問題を起こした時の記者会見を覚えていらっしゃいますか?一人のマネージャーが500人とか800人とか言ってましたね。それって校長先生が学校の生徒全員のマネージメントを切り盛りしてるってイメージですかね。。

俳優の数に対してマネージャーの数が多いと面倒見がいいってことになります。一方で、その俳優が稼ぎ出さないといけない負荷は大きくなります。税金なども考えると一人マネージャーを雇うためには少なくとも年間に500万くらいは必要です。事務所の家賃や交通費、通信費など全て無視しても、一人のマネージャーを雇うだけで年間500万かかりますから、俳優が一人でマネージャーを占有したいとなると、自分の生活費と別で500万は事務所に売上を計上する必要があります。例えば、事務所と俳優の売上の分ける比率が4:6だとすると、1200万くらいの売り上げです。俳優生活だけでこの金額を上げれる人はかなり売れてます。

そりゃ難しい。ということになるので、俳優2人に対してマネージャー1人、3人に1人、4人に1人。。。ミッシングピースは10人に1人でやっていけると考えています。(今、ミッシングピースは6人でマネージメントを回してるので、60人まで所属してもらっても十分なマネージメントができると思っています、実際には2名、デスクワークを週に2回手伝ってるスタッフもいるので、さらに10人は増やせると思います。そして今は業務提携を含めて40人ほどの俳優のマネージメントをしています)

大手さんでもマネージャーが少なくて所属者が多いところはたくさんあります。(大手になるとマネージャーに専念してる人が少なく、また大物俳優には営業マネージャーと現場マネージャーが付くので、新人には手が回らない場合もあります)有名な俳優が1人だけで後は所属者が5、6人という事務所はマネージャーがおそらく1人なのでしょう。大手で所属者も絞っていてマネージャーが所属2.5名に対して1名というところもあります。

自分がどれくらい面倒を見てもらいたいか、どれくらい面倒がかかる俳優なのかによって、単純に事務所の有名・無名や大小で決めない方が良いですね。

プレイングマネージャーで、ボクシングトレーナーの武田祐一を弊社に推してくださった映像プロデューサーは「俳優はさぁ、お母ちゃんみたいなマネージャーがいいんだろ!」って言って私を推してくださったそうです。(「これから伸びる、あと数年で来ると思うんだよな」とも言ってくださったそうです。ありがたいです。その言葉に恥じない活躍ができているのでしょうか。近々、現場でご一緒できるオファーをいただいたので久しぶりに再会します。ブルブルしてます)

何をするかより、誰とするか。働き甲斐の根底にあるもの

ミッシングピースはとても仲が良いです。みんながこの事務所を大切にしてくれてるのを感じながら仕事できていて幸せです。私たちが就職を考えるとき、仕事を選ぶとき「何をするか」にフォーカスします。やりたいことをやれたら幸せだと信じてやみません。でも実際に働いてみると「何をするか」よりも「誰とするか」で仕事の満足度が違います。

私は俳優だけでなく、スタッフを雇うときに必ず「私と仕事すると楽しいことだけは約束する」と言ってきました。俳優には「目標に向かって歩き続けるうちに焦る時も来るかもしれないけれど、途中の道のりも楽しんで歩いてほしい。目的を手に入れたら幸せになれるってのは幻想です」


マネージャーの醍醐味

マネージャーはまさに誰とするかに特化した仕事です。そのことに喜びと誇りと責任を持って働いています。自分が誰かの役に立っていると感じられることが仕事の醍醐味です。


私は売れますか?どうしたら売れるんでしょう?

と7年前にマネージャー歴25年のベテランに質問した俳優がいました。
「売れますよ。君のことを売れると信じて一生懸命尽くしてくれるマネージャーと出会えれば、必ず売れます。事務所の大きい小さいとかじゃないです。」と彼は答えていました。彼はそういう、必ず売れる、自分が売るんだという俳優に出会ったことがないそうです。なんと寂しいマネージャー人生なんでしょう。


面談の相手が担当するとは限らないので

note「所属事務所選びの参考資料」シリーズなので、今回の記事を読まれた所属事務所選び中の方々へご注意申し上げておきたいことは
事務所で面談した人が担当マネージャーになる訳ではないかもしれないことを忘れないでほしいのです。

いわゆる良いマネージャーと言われてる人たちは人気があって、担当になって欲しいと思ってる俳優が多いけど、担当できる数に限りがあるから、希望しても担当してもらえないこと場合も想定して、自分が所属したら誰が担当になるのかは面談時に確認しても良いかもしれません。

ちなみにミッシングピースは総力、総合対応体制なので、私もプレイングマネージャーもみんなで担当してるという体制です。あえて言うなら、広告、映画・ドラマ、舞台、ナレーション、デスクの5つの部門にチーフがいてチームがあって対応しています。