見出し画像

原因究明の不思議…なぜロケットは飛ばないのか。また起きる不吉?

  現在、我国の打ち上げ手段が相次いで失敗している。昨年、22年10月12日にイプシロンロケットが打ち上げられたが、姿勢に異常が確認されたため、6分半後に指令破壊されたのもその一つである。
 関係機関は、その失敗の推定原因として以下のように発表した。
『損傷したのはタンク内で窒素ガスと推進薬を仕切るゴム膜。タンクに固定する際、ゴム膜が挟まり、溶接の工程などで一部が破断したとみられる。その結果、推進薬がガス側に漏れ出し、ゴム膜も移動。タンクとつながる配管を覆い、推進薬が適切に流れなかった』
 この発表には違和感を感じざるを得ないのである。
 さらに、
『打ち上げ実績のある部品に対し確認不足があった。』
また、
『検査でも異常発見できなかった。』
としている。
 直感的に思うのは、検査ですら見つからなかったものを(言い方は悪いが)空想で推測できる…この導き方に全くの違和感を感じざるを得ないのである。
 先に述べた推定原因の構成を考えてみよう。
 実にこれが多段式の論法なのである。
 1.タンク内で窒素ガスと推進薬を仕切るゴム膜が損傷した(溶
   接の工程などで一部が破断した)
 2.上から推進薬がガス側に漏れ出し、ゴム膜が移動
 3.タンクとつながる配管を覆い、推進薬が適切に流れなかった
という、少なくとも3段以上の論法で推進力が発生しなかったと結論づけている。
 この見解は、一歩譲っても、3つの構成のどれも未確認であり、まるで
 『見て来たような▲▲』
のように聞こえるのは筆者だけだろうか?
 早い話が、
 『踏み込んだ形での確認が必要だったと反省している』
としているが、何ら具体的な原因・対策を示唆するものは含まれていない
従って、ただ、
 ★より厳格に今後は検査します
としても、半ば、精神論であるに過ぎない。
 杞憂かも知れないが、もしスケジュールありきの原因究明で、推測を急いだとする何やら、
 ★二度あることは三度ある
のような気もしないでも無い。
 これまでも、
 ★三度目の正直
とばかりにこれまでも毎回、原因究明と対策とされて来ているが、功を奏さないできている。
 根本的な原因が、何なのか、
 ★組織文化なのか、技術レベルの凋落なのか
明確にして行かないと、組織として『失敗癖』になってしまう。
 ★失敗原因の究明と具体的対策はセットにすべき
でなければ意味が無いのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?