見出し画像

みすゞのひとり散歩 in 静岡


散歩をしていると、
普段当たり前の様に見ている景色でも、見返してみると面白い発見や気づきがあったりします。

わたしの場合、中高生の頃から散歩の魅力に気づき始めました。散歩お化けだった学生の頃は、ほぼ毎日時間を問わず1人で1〜2時間ほど散歩をしていました。
歩いている時に、ぼーっとどうでもいい事を考えていたり、想像していたりすると、ひょんなことから美術の課題のアイデアが閃いたりするんです。

学生時代の定番散歩コースにいたごまちゃん


また、散歩は小さな旅、冒険ともいえると考えます。
わたしは生まれてから約20年という月日を静岡で過ごしましたが、同じ道を歩いていても、知らなかったお店や素敵な路地裏があったり、ひょっこりと現れる可愛い猫や、ユニークなものを見つけたりと、歩いているスピードでしか出会えない出来事が沢山ありました。

やっぱり猫は可愛い


そして、散歩を繰り返しその街の地理に少しでも詳しくなると、だんだんと街に愛着が湧いてきたりもします。
散歩がてらよく寄るお店で働く店員さんとの会話や笑顔に癒されるとか、そういったささいな人との関係も街への愛着や散歩の習慣化に繋がっていったり。


とにかく、散歩の魅力は計り知れません。目的がなくても漠然としていても大丈夫。とりあえず外に出て歩いてみませんか?あなたにとって素敵な何かに出会えるかもしれません。


さてさて、今回は静岡県静岡市をひとり散歩。
わたしもまだまだ開拓しきれていない、大好きな地元・静岡の街のほんの一部を、わたしの目線からお届けしたいと思います。



静岡浅間神社


JR静岡駅から徒歩35分ほどの場所にある静岡浅間神社。総漆塗り極彩色の豪壮華麗な社殿群26棟がすべて国の重要文化財に指定されている、「おせんげんさん」という名称で親しまれる立派な神社です。静岡浅間神社の参道にあたる浅間通りには、飲食店を中心に、衣料品・生活用品店などが立ち並んでいます。


神社に向かって商店街を歩いていると、あべの古書店という古本屋さんを見つけました。
わたしの好きな蛭子能収さんの本や、昭和の生理本といった珍資料など興味深いものも多く、楽しすぎてかれこれ20分くらいうろちょろと店内を巡りました。

存在は知っていたけど、初めて見た昭和の生理の本


阿部定の犬って、あの阿部定事件の事だろうか
ときめく物に出会えそうな、わくわくが止まらない店内


井上陽水「9.5カラット」
佐野洋子「ふつうがえらい」


購入品は井上陽水のレコード「9.5カラット」 佐野洋子 「ふつうがえらい」。レコードは、作詞家としても活動している陽水さんが中森明菜に捧げた「飾りじゃないのよ涙は」と、安全地帯の「恋の予感」「ワインレッドの心」が陽水さんバージョンで収録されています。
店主のおじさまも穏やかで優しい方で、なんだかとても心があたたかくなるほっこりとした古本屋さんでした。


小さい頃に一度は乗ってみたかった

気になるお店や面白いものを横目に、静岡浅間神社に到着。神様にきちんと手を合わせた後、おみくじを引くと良くも悪くも末吉が出ました。

しっかりと結んでおきました



神社境内にある池の鯉や鴨を眺めながら、
ベンチに座って少し休憩。



足を休めたら池の奥へと進み、階段を100段登った先にある賤機山 (しずはたやま) 古墳へと向かいます。


コウモリが入ってしまうため、ネットが張られている

賤機山古墳は、6世紀後半に建造された当時の有力な豪族のお墓です。直径約32m・高さ約7mの円墳で、内部には巨大な横穴式石室、石室内には遺体を納めた家形石棺がおかれているそう。
内部には入ることは出来ませんが、外側だけでも十分な迫力。機械のない時代に巨大な石を運んだことが凄すぎる。石を運んでいる様子を自分なりに想像し考えたりしながらしばらく眺めた後、また100段降りて神社を後にしました。



キマグレヤ


静岡浅間神社から歩くこと約25分。静岡市の中心街、七間町のいかづち横丁という風情を感じる居酒屋通りにあるキマグレヤへ。


ドリップコーヒー¥500
手作りスコーン¥250

キマグレヤは、23年の10月頃にオープンしたカフェ。自家焙煎豆を中心に、コーヒーはもちろんのことお茶・様々な種類のお酒、ベジタリアン仕様のフード (奥様手作りのスコーンや焼き菓子・カレーなどなど) を提供しています。ひとつひとつがオリジナルで、どれもとても美味しい。


わたしはこのお店が大大大好きで、静岡に帰省する度に必ず訪れています。その魅力のひとつは何と言っても店主のブレイクさんのお人柄

おちゃめなブレイクさん
流れているレコードを紹介してくれます


アメリカからはるばる日本に来て、静岡が大好きなブレイクさん。以前は英語の先生のお仕事をしており、日本語はペラペラ。日本に来る前はオーストラリアのメルボルンのカフェで働いていたそう。音楽や写真、旅行や本などがすきで、話の引き出しが多く、お話していると知らなかった知識を身につけることが出来て楽しい。

わたしはいつもドリップコーヒーを頼み、ブレイクさんのその日のキマグレで選んで淹れてもらっています。また、日替わりで登場する奥さん手作りのスコーンもお気に入りです。いつも本当は2個食べたいけれど1つで我慢しています。

ブレイクさんはわたしを、地元が静岡の東京から来る常連の人として認識して下さっていて、みすみすゞと呼んだり、ミドルネームとしてエミリーという名前も授けてくれました。(アメリカの詩人エミリーディキンソンに似ているらしい)


大好きなキマグレヤを大好きなお友達に紹介しました
お友達のミドルネームはリンダ


キマグレヤに来るお客さんは、音楽が好きであったり、芸術など表現することを生業としている方や、飲食やファッション業界の方など多種多様で個性的な方が多くとても面白いです。レコードの流れる居心地の良い空間のなかで、年齢や国籍を問わずに様々な人と会話を楽しめます。
わたし自身も、これまでキマグレヤで素敵なお客さん達と出会い知り合うことができ、お店に伺うと大半は顔見知りの常連さんが 1人居る程になりました。
嬉しい (>_<)

まさに、「ただいま」と言えるような場所だなと思います。こんなお店を探していたのかも。ブレイクさん、こんな素敵な場所をつくってくれてありがとう、これからもよろしくお願いします。

そんなこんなでこの日は、穏やかでキュートでチャーミングなブレイクさんとWeezerが好きなお客さんとお話をしながら、わたしのマイブームである知恵の輪で遊んでいたら、閉店時間も近づき外は真っ暗になっていました。

総歩行距離 約10km。よく歩きました。
やっぱり散歩は楽しいです。
いい日だった〜。



おまけ(みすゞのひとりごと)



キマグレヤから徒歩1分の場所に、青葉おでん街という静岡おでんのお店が立ち並ぶストリートがあり、入って右手前すぐに「みすゞ」というおでん屋さんがあります。

このおでん屋さんがわたしのnoteの名前の由来です。
本名も弥鈴 (みすず) と言うのですが、金子みすゞのように「ゞ」は付けないので、このおでん屋さんを見たときはなんだか運命を感じました。

ちなみに静岡おでんは、静岡市の郷土料理です。
牛すじや黒はんぺん、練り物、大根、卵など具材を全て串に刺し、色の黒いだし汁で煮込み、青のりや魚のだし粉をかけて食べるのが静岡おでんの特徴です。だし汁によく浸かり味が染みわたった大根は、ほろほろで美味しくカラシとの相性抜群です。静岡おでん、ぜひ食べてみてください。


また書きます。

みすゞ




この記事が参加している募集

休日のすごし方

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?