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【音楽】星空の下でMISIAが奏でる歌を聴いたら、しっかりと真心が届いた話

『25th Anniversary MISIA 星空のライヴⅫ Starry Night Fantasy』のツアー国内ファイナル@有明アリーナに参加した。

MISIAと言えば、言わずと知れた驚異の5オクターブに及ぶ音域を誇る日本のみならずアジアを代表する(と言っても過言ではない)歌姫である。

その歌声が聴きたくて今回初参加となったわけだが、圧巻の歌声と星空の煌めく会場の臨場感が、どう控えめに言っても素晴らしかった。

前回の平原綾香のコンサートの反省を踏まえて、今回はしっかりとオペラグラスを握りしめて席に着いた。3階席からの眺めはやはりステージまでの距離を遠く感じたが、オペラグラスのお陰で生のお顔を拝見することが叶った。

元よりステージの演出としてバック・スクリーンに拡大投影された映像が適時映し出されていたので、結果的にはオペラグラスなしでも楽しめたかもしれないのだが。

それにしても素晴らしい歌声であった。

ビブラートの強く利いた美しい歌声と自在に行き来する巧妙に操られたファルセット(裏声)の技術に魅了された。そして圧巻は、あり得ないくらいに透き通った極高音を力技で出す勇気に鳥肌が立った。これは、ホイッスルボイスと呼ばれている物らしい。

MISIAが曲間のMCで「ライブの前日に泣いてしまうと声が嗄れてしまうので泣くドラマは観ないようにしている」と語っているように、人間の喉の具合は繊細だ。

ホイッスルボイスは、天賦の才能と日々の弛まぬ鍛錬と節制、そして大勢の人前で失敗を恐れずに極高音を出す勇気の全てが揃って初めて成り立っているパフォーマンスであることに疑いの余地はない。

あいにく、自分は普段のMISIAライブの様子は知らないが、この日は国内ファイナルということで、声を限界まで出し切っていたようにも感じられた。勝手に、伝説のライブであったと思っている。

ちなみに、MISIAの地声はやや高音でかわいらしい声であるが、それでも年相応の(失礼!)ほんの少しの掠れも交じっている声だった。それが、歌声の極高音には、いっさいの混じりっ気がないことから、高いスキルで発せられる歌声であるというのが、自分の拙い分析である。

長所ばかり述べ立てたが、MISIAの声域の唯一の弱点は、低音域の声量くらいであろうか。こればかりは、高音域とのトレードオフの面もあるため如何ともしがたいことなのかもしれない。しかし、彼女の高音域の魅力はそれを補って余りある。

音楽のジャンルについては全く詳しくないが、MISIAの曲は広く捉えるとJPOPの一種であり、更に細かく定義するとR&Bに分類される曲なのだろうか?

ここまで書いてきてなんだが、R&Bは自分にとってあまり馴染みのないジャンルの曲だ。

MISIAの曲は、細かい詩の意味を楽しむというよりも、曲調や詩に込められたメッセージ、雰囲気に身を委ねるタイプの曲だと思われる。自分は、どちらかというと、曲と同時に詩の内容を深く掘り下げて咀嚼して味わうタイプの曲が好きだ。そのため、今まではあまり触れて来なかったジャンルではある。

一部に、MISIAの曲は、詩の内容が頭に入って来づらいという批判があるようだ。

その原因は、自分の分析では、彼女の歌い方そのものにあると思われる。

例えば、「〇〇と」という歌詞を「〇〇つぉお」と発声することに代表される歌い方の癖には賛否があるようだ。今回MISIAの生歌を聴いてみて、これは、R&Bの曲を観衆に届けるために、敢えてやっていることだと自分は理解した。

要因は他にもある。

彼女の歌声の音程の揺らぎは、単にビブラートと呼ぶだけでは物足らないくらい大きく音程が変化している。大きく声の高さや強弱に変化をつける歌い方はフロウと呼ばれる技法なのだろうか?

この技法により、さらに生の言葉としての詩が頭に入って来づらくなる効果が出ている。

MISIAは、詩を言葉ではなくメッセージとして捉えながらも、曲に心を委ねて思いを心で感じ取って欲しい、そのような意図から敢えてこのような歌い方をしているのだと、この夜気がついた。

そして、ライブにおける彼女の歌声は、既に単なる歌声ではなく、バンドやコーラスの声と一体となって、主旋律を奏でる楽器の一つになっていると感じた。とてもいいグルーヴ感を出していた。

この歳になって、このような音楽の楽しみ方もあるんだなとわからせてくれた夜でもあった。

MISIA自身が、MCで語っていたように「真心を込めて歌えば、真心に届く」のだ。確かに、この夜、自分にもMISIAの真心がしっかりと届いていた。

彼女のライブでの毎回の目標は、観客にもう一度ライブに来てもらうことだそうだ。そのために全力で歌っている。「また会おうね~♪」は、そのためのメッセージなのだ。

そんなあなたは、きっと自分のライブの自己採点をひっそりと心の中でやっているに違いない。それだけストイックな方だとお見受けした。そして、完全燃焼してくれたあなたに贈る自分の評価は、もちろんエクセレント!100点満点だ!!

波のように激しく揺れるペンライトの星たちに囲まれて素敵な音楽に身を委ねた夜は幻のように過ぎていった。

最後は千切れんばかりにMISIAに手を振った。
ありがとうMISIA
また会おうねー♪
ゆびきりげんまん!

(注)この記事はあくまでも個人の感想です。
特定の個人や団体を誹謗中傷する意図はありません。
また、記事中に用いた音楽用語の使い方に間違いが含まれているかもしれませんがご容赦ください。


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