見出し画像

所有すること、しないこと


うちに野良猫がきた。
保護されているから今は元野良猫、といったところ。

公園でひとりぼっちでいた、まだ2キロほどの小さい女の子。
地域のボランティア団体が捕獲し、里親が見つかるまでの一時保護を募集していたのでそれに手を挙げた。

保護すると決めた私は彼に話してみたところ、里親が見つかって受け渡すときにお別れがつらくならないか心配だとのこと。

迎える前はたしかに〜なんて心配していたけれど、
かわいそうな動物たちを少しでも減らすため
自分にも何かできることはないかとそういった活動に関心があった私は、家族に負担がかからない限り保護したい気持ちに揺らぎはなかった。

初めて顔を合わせたとき、不思議とそんな心配はないとわかった。

とても可愛い。
けれど、自分のものにしたいという気持ちはなく、この子が幸せでいられるならその場所はここでもここじゃなくてもどこでもいいのだと思った。

どこかで聞いた言葉を思い出した。
花が好きならそれを摘むだろう、花を愛しているのなら毎日水を与えるだろう。

独占したい、所有したいという気持ちはある意味自分本位の欲のかもしれない。
大事にしたい気持ちはそのままで、この子は自分にとって「我が子」ではなく「いち猫」。

外の危険な世界から逃れて、安全なお家の中で幸せに包まれて生きてほしい。
それが私の手によるものでなくてもいいのだ。

里親が見つかるのがいつになるかなんて分からないので1ヶ月、3ヶ月、もしかしたら1年うちにいることだって想定できる。

譲渡会では複雑な気持ちになるだろうけれど、私だろうと私じゃなかろうとあたたかいお家で暮らせることがこの子の幸せだ。

時間が経つほど愛着は深くなっていくのだろうけれど、いちばんはこの子の幸せなのだから新しいお家が見つかったと聞いたときに私は喜んでその報告を受けられるんだと思う。

寂しいけれど、ひとつお別れをすればまたひとつ新たに困っている猫が助かる機会ができるんだ。
地道でも広義の猫を救うためにはそれが私にできることかなと思う。




とか言いながら、
うちの子にします!なんて数ヶ月後に言ってたりして笑



※ケージに入れているので先住わんこにゃんことは良い感じの距離感です。
※病院で診てもらったところ、シラミがたっくさんついていたので毛刈りをしました。シラミの一生は30日くらいなのでそれくらいまで駆虫薬を使いながら完治を目指します。
※とっても甘えん坊で可愛すぎる!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?