あなたはピッチャー。打席にはメジャーリーグの大谷翔平選手が待ち構えている。
１打席勝負。勝つ自信はありますか？
え？野球はしたことがない？スポーツは苦手？なるほど。では、
将棋の藤井聡太棋士との対戦ではいかがでしょう？

何を馬鹿なとお思いでしょう。業界のプロと対戦して勝てるわけがありません。それも超一流。なによりもプロと私たち素人が同じ土俵で戦うことなんてまずない。

しかし、ある分野においては現実に存在する。「超一流」と「ど素人」が同じ土俵に上がる世界が！そんなことが許されていいのか？

実はその分野の「ど素人」なんと超一流と戦っていることにすら気づいていないんです。その分野って何？

その分野とは…

株式投資の世界です。

ウォーレン・バフェット氏。ジョージ・ソロス氏。ジム・ロジャーズ氏。海外の超一流や村上世彰氏などなど個人投資家だけでなく、国内外を問わずヘッジファンド、機関投資家…あげればきりがありません。
こんなとんでもない世界に素人でもすぐに参戦できてしまう。恐ろしい…。

株式投資の世界に免許は必要ありません。プロテストもなし。証券口座を開設すれば誰でも参加できます。

凄腕個人投資家たちに触れた私の感想を綴ってみます。私は凄腕ではないので、お金持ちになりたい方は以下読まないでください。

２０１９年の話です。
私は個人投資家の勉強会に参加しました。そのセミナーは４時間ほどで１５００円と超格安。主催者側が金儲け目的ではないのが分かります。余談ですが交通費や宿泊代で１０倍以上のお金を使いました…

勉強会のメインはこの本の著者「しん」さんによるセミナー。
テーマは『バリュー投資』について

そして第２部は「しん」さんの座談会。
対談相手がなんとこのかた。事前告知はなかったのですが、

「かぶ1000」さん

ちなみに私は「かぶ１０００」さんを知らなければ株式投資はしていなかったでしょう。

会場は４０人ほど。見た目は普通の人ばかり。派手な身なりをしている人なんて一人もいませんでした。
聞き耳を立てていると、X（旧Twitter）で発信をしている有名な億トレ（数億円の資産を持つトレーダー）がチラホラいました。彼らは顔出しをして発信しませんが 、音声での発信はしているのでなんとなくわかりました。

勉強会の内容は割愛しますが、素人が簡単に儲けられる世界ではないと実感できました。彼らの投資に対する熱量、投資に向き合う姿勢は生半可なものではありません。

横道にそれますが、個人投資家のエピソードを少し紹介します。話半分に聞いてください。
・麻酔代節約のため麻酔なしで歯の治療をした
・居酒屋にいくも飲み物は水のみ
・投資判断のため会社に変化がないか、会社に出入りする人間を張り込んでチェック
・結婚式の資金で株を買う

人と同じことをしていては人と同じような結果しか得られないのですから、人並以上の結果を得るためには常人には測り知れない行動をとる。にしてもですが…

そして勉強会が終わり希望者のみ居酒屋での飲み会になりました。私も参加しました。
なんと向かいは「かぶ１０００」さん。彼の株好きは有名な話ですが、参加者の質問もありほとんどの時間を彼が喋っていました。

ちなみに今年の１月にはX（旧Twitter）でスペース（リアルタイムでの音声会話）を３０時間もの間変わらぬテンションで話し続けていたと…そのうえ、トイレに１回立っただけとの信じられない話も…

当然ながら皆さん自分の考えで投資をしています。長期保有したり短期で売買をしたり…。いろんな手法があり一様に自分のスタイルを模索し、トライ・アンド・エラーを繰り返しているんだと改めて実感できました。

株式投資に関する本は山のようにあるけれど、多くの人が成功できないのは自分の適性と合っていないからと運の要素も多く含まれるから。ウォーレン・バフェット氏も自分の成功の理由に運も上げています。

有名な人の手法や投資先（会社）をマネしても資金規模や相場観が彼らとは違います。私は何度か投資先の会社をマネしてみましたが、何度も痛い目にあいました。
要するに「カモ」にされました。

投資は自己責任で…を身にしみて感じました。

また彼らは「この会社がいいよ」とか「この会社のこの変化どう思う？」とやりとりしています。投資家同士の情報交換も行われています。お金持ちがますますお金持ちになる所以です。

長々と書いてしまいましたがまとめてみます。

私たち素人は彼らと比べて
投資にかける時間も、お金も、情熱も、持ちあわせてはいません 。

では我々はずっとカモられ続けるのでしょうか？

いいえ、そうではありません。

別に私たちは彼らに勝つ必要はありません。 銀行の預金金利よりも増える程度にお金が増えればいいと考えましょう。そうすると戦略が見えてきます。

ヘッジファンドや機関投資家のようなプロの投資家は、一定の期間において結果を求められます。それに対して私たちには期限がありません。そこで私たちは時間を味方につけるのです。

個別の企業を精査するような時間のない私たちは、『NISA』や『iDeCo（個人型確定拠出年金）』で「全世界の経済に連動する商品」に、無理のない範囲でコツコツ投資します。

日本は少子高齢化で低成長と言われますが、世界的に人口はまだ増え続けており、もっと豊かになりたいと思う人が増え続ける以上、世界経済は長期的に右肩上がりで成長していくでしょう。
世界人口は2086年に104億人でピークに達するものと予測されるデータもあります。

お金を稼ぐのが人生の目的ではありませんが、お金なしでは人生は生きていけません。賢く増やして限りある人生（時間）を大切にし、大事な人との時間や好きなことに時間を使ってより充実した人生を生きていきましょう!

最後に投資は自己責任で