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実務補習で意外と役に立ったスキル

先日、数年ぶりに実務補習メンバに再会したので、4年前のことを思い出してみました。
実務補習では診断や助言に中小企業診断士の知識が必要になるのは当然だと思いますが、報告書作成時に“Microsoft Wordを使い慣れていて良かった”と感じたので記事にします。
Wordに使い慣れていると書いたものの、Wordが得意というよりは、Wordと悪戦苦闘した経験があったから事前に対策ができて良かったという内容の話です。

実務補習ではチームで協力して1つの報告書を作り上げます。
時間が限られているため、メンバで分業して作成したWordファイルを最後にマージするという流れが一般的だと思います。

私は複数メンバで作成したファイルをマージする時にレイアウトが崩れてしまい、結構な手戻りを経験したことがありました。ページ設定や段落のスタイルがマージしたファイルの影響で変わってしまうこと等が原因です。
レイアウトを整えるだけならばまだ良いのですが。実務補習の報告書ではレイアウトが変わってしまうことで既定のページ数に過不足が生じてしまうと、内容の見直しを行わなければなりません。
レイアウトが崩れないようにセクションを分割して力技でマージすることもできますが、ページ数や項番など全体を通しての処理に工夫が必要になります。
OneDrive上の1つのファイルを共同編集すれば、マージの手間が減らせるので、案としてはあったのですが、クラウドサービスに不慣れな方がいたので廃案になりました。

1人で作業している場合は設定が同じことが多いためかマージ作業で苦労することは少ないのかもしれません。そのため、マージ作業に時間がかかるというのを見落としてスケジュール設定を誤ることもありそうです。
私のチームでも、マージはコピー&ペーストするだけだから、あまり時間はかからないという意見が出ました。
ただ、全員、実務補習初回のメンバだったのでバッファを持たせようという話の流れになり、マージ作業用ではないものの作業時間を確保することができました。

各メンバが章単位に作成したWordファイルをマージするという作業方針が決まってから「1.テンプレートファイルの配布」「2.ワンポイントアドバイスの作成」を行いました。

1.テンプレートファイルの配布
実務補習の規定に則ったページ設定や見出しのサンプルを設定したテンプレートファイルを作成しました。とはいっても、実のところ先輩診断士から元ネタを頂けていたので、あまり時間をかけずに済みました。

2.ワンポイントアドバイスの作成
テンプレートに時間をかけずに済んだ分、マージする時に設定が楽になるようなWordの使い方やルールをA4一枚程度に纏めました。
「編集記号を表示する」「段落に使用するスタイル」「図表番号の使い方」など得意な方にとっては書くまでもないような内容です。余計なお世話かもしれないなぁと不安になりながら配布したのですが、Word不慣れなメンバもいらっしゃったようで、すんなり受け入れていただきました。

2つの事前準備が功を奏したのか、マージ後にレイアウトが大きく崩れることはありませんでした。それでも、図や表の微修正は発生しましたし、項番やページ番号に誤りがないことの確認や目次の作成など最終調整は必要でした。
私がWordファイルを編集している間に他メンバが全体を通してのレビューを行い、編集後のファイルにメンバのレビュー指摘を取り込むという役割分担も上手く機能し、製本までスムーズに進めることができました。

指導員の方が「例年はマージにもっと時間がかかる」と仰っていたので、多少なりと事前準備が役に立ったのではないかと考えています。
後日、マージ作業で泥沼にハマり徹夜作業になったという他チームの悲惨な話を聞いたチームメンバから感謝の言葉もいただけました。
また、翌年には指導員の方から「昨年使っていたテンプレートを今期の実務補習メンバに提供したい」という連絡をいただきました。
先輩診断士からの頂いたファイルを後続に引き継ぐことができた点でも良かったと思います。

実務補習で意外と役に立ったスキルは「悪戦苦闘した過去の経験」と同じ轍を踏まないための「事前準備」だったのかもしれません。


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