投資としての学習を4象限にして考えてみる

こんにちは、ミテモの森本康仁です。先日、研修担当者様と、次の研修の設計についての話をしていた時のことです。
「森本さん、どうすれば、うちの組織のメンバーが本気になって学習をし始めてくれるでしょうかね?」
と質問をされました。その際に、私がお答えしたのが「従業員の学習を4象限で考えてみると良いですよ」ということでした。

それは「自分のため↔組織のため」「今のため↔未来のため」の2軸で切り分ける4象限です。

1.自分の今のための学習
例えば、その人の今の興味関心が「より良いものを作りたい」「より良いものを作れるようになりたい」であれば、きっとモノづくりに関する学習に関しては意欲的に行うでしょう。その人の興味関心に沿ったテーマがこちらになります。

2.自分の未来のための学習
例えば語学や、財務など、今すぐそのスキルや知識を必要としているわけではないけれど、将来的にしていきたい仕事を考えると、今から学んでおいた方が良いというようなテーマがこちらになります。

3.今の組織のための学習
例えば、コンプライアンスやハラスメント、またはマネジメントなど、もちろん本人のためでもありますが、どちらかというと組織がその知識やスキルを必要としているから行う学習がこちらになります。

4.将来の組織のための学習
例えば、経営力、新規事業開発、海外進出や、M&Aのための学習など、将来の組織運営を考えたら今のうちから考えておくべき学習がこちらになります。

学習を自分事にする

学習へのモチベーションに関しては、どうしても個人のための学習の方が組織のための学習よりも高くなります。そのため、本人の興味関心とは違うけれど、組織のために学んでもらいたいということであれば、その学習がいかに本人の助けになるのかということを適切に伝えていくことが必要不可欠です。たとえば、「あなたがより良い作り手になりたいということであれば、作ることを学ぶのはもちろん良いのだけれど、売ることを学ぶことで、さらにこんなことが見えてくるよ」と言ったようなイメージでしょう。でなければ、せっかくの研修の機会も、単なる時間の消費に終わってしまうことが考えられます。

特に、日々生きる姿勢、学ぶ姿勢がアクティブな人の場合、彼ら、彼女らは放っておいても自分の今のため、未来のために自らの学習をデザインし、行動していきます。それゆえ、本人にとって必要性が低いと感じた場合には、言うことを聞かないという場合が起こりうります。ただ、本人に必要なことのすべてを本人が理解できるわけではありません。その場合は、自分から見えるその人について、適切にフィードバックし、組織が求める学習を、本人のありたい姿と重なることが必要です。学習への意欲が高い彼らだからこそ、組織のための学習を動機づけるためには、意欲を高めるための努力が求められます。

逆に、日々生きる姿勢が受け身な人の場合、そもそもの学習の動機付けは弱いものです。その場合は、その学習が、自分の今と未来にとっていかに有意義であるかを理解させることから始める必要があります。たとえば、評価面談や、上司との1on1セッションなどで、様々な対話を行いながら、本人にとって価値のある意味づけを行い、学習意欲を喚起できるような場を持つことがポイントになります。

学習に本気になるためには

冒頭紹介したディスカッションでは、「学習に対しての本気度」がテーマでした。結局、いろいろとディスカッションをしていくうちに、「組織のために自分の弱みを克服するような学習はもちろん大事。ただ、もしかしたら、本人たちの強烈な学習意欲を尊重し、苦手なことを伸ばすよりも、いかに本人が学びたいと思うことを学べるような環境を整えていくかがそれ以上に重要なのかもしれない。またそれと同時に、弱みを補完し合えるようなチームをスムーズに作っていける組織の仕組みも重要になってくるのだろう」という考え方も出てきました。

たしかに、人間の強みや学習意欲の性質を考えると、学習は個人だけで行うものと捉えるのではなく、チーム全体で行うものと捉えていくというのも重要な観点だなと感じました。この議論は、私たちにとって次の研修の設計の大きな転換点になった瞬間でした。

自分自身の学習の在り方を見直す

今回は4つの象限から学習を見直す、という話について考えてみました。このフレームは、私自身、自分自身の学習について考える時に、1つのヒントとして使っているものです。たまたまこのディスカッションは、従業員の方々のモチベーションが高い組織でのものだったので、このような展開を見せましたが、学習への意欲の高い、低いは組織の状態や学習内容の領域によって違ってきます。その場、その場の環境に応じて、様々な形で応用していくべきものだと考えます。

特に、将来の自分、将来の組織から考えると、果たして今、求められる学習とはどのようなものなのかということをイメージし、一歩先、二歩先を想定しながら、行動していく視点は持っておいて損はないと思います。ぜひ、自分自身や組織の学習をデザインするヒントとして活用していただけたらと思います。


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