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近世大名は城下を迷路化なんてしなかった

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近世大名は防衛のため城下の街路を、敵が容易に近づけないように屈曲させたという。しかし各地の城下絵図を見るときれいな碁盤目をしてる城下が少なくない。いったい、通説はどの程度、真なの… もっと読む
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#防災

近世大名は城下を迷路化なんてしなかった(27) 第6章 総括:街路変化は五業循環

# 第6章 ~総括:街路変化は五業循環~## 6.1. 道が悪くなる理由は、城下町ごとに様々### 6.1.1. 調べてみたら、身もふたもない結論はい、一同、脱力~~~、ズッコケ、着席。楽にしてください。 荻生徂徠が築城についてなんだかんだ述べたあと、 「気の向くままに好きにやればよい」 という、何の役にも立たない結論を出してた、あのやるせなさを、まさか自分が披露する羽目になるとは。 そうなんですよ。各城下町ごとに、事情がさまざまで、すべてに適用できる一行理由なんか、な

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近世大名は城下を迷路化なんてしなかった(25) 第5章 5.4.5. 都市が方格設計を求めた真の理由

### 5.4.5. 幅広な大路こそ防衛のための街路■ 結論は再確認される事実――都市戦とは放火である いよいよ、謎解きとまいりましょう。 手戻りになりますが、事実の解明のためには話をいったんヨーロッパに戻します。 そもそも、中国と同じく温帯が多く、北方騎馬民族の影響下にあったヨーロッパの城郭都市が中国同様の巨大・北闕(ほっけつ)・正方位・中心軸プランでないのはなぜなのでしょうか? 逆に言えば、なぜ中国の都城はヨーロッパのように石造り・コンパクト・非正方位にならなかっ

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