パスポートがようやく届いた2019年8月初旬、
私は意気揚々と店舗に向かった。
なおパスポートにはクラウドファンディングの時に明記されていなかった
簡単な利用規約が同封されていた。

初訪問時はより詳しい利用規約が書かれた紙と簡単な説明を受け、
パスポートと運転免許証を預ける形で無料定食を食べることが出来た。
夏であったのでトッピングにトマトを細かく刻んだものとオクラを頼み、
納豆と一緒に美味しく頂くことが出来た。

定食の内容自体に不満を感じることはなかったが、運転免許証を預けるシステム、追加で渡された細かな利用規約、公開をしていた店舗イメージとは異なる店内内装など少し不安を感じる訪問となった。

しばらくは無料パスポートを使用し問題なく食事が出来ていたが、
ある日の食事終了後に声を掛けられる。
「面談を行いたいので20分位この後時間を頂けないでしょうか？」
正直言って意味が分からなかった。
しかしながら午後に仕事の予定が詰まっていたため丁重にお断りをした。
そんなやりとりが2、3回続いたがしばらくすると声掛けも無くなったので
その事は気にしないようになった。

だが更に後日、食事後に別の声掛けをされる。
「メールでアンケートを送るので回答を行ってください。
　アンケートの回答を確認出来るまではパスポートは使用できません」
不信感を抱きながらその旨を了承した。

アンケート内容を確認したことで不安は確信に変わった。
「これは無料パスポートを使わせない為に行っていることだな」
アンケート内容について詳しくは記載しないが、
『無料定食しか食べないのですか？』『どうしたら他のメニューを食べるようになりますか？』といった内容の質問が多くあった。

その中で特に印象的だったのが
『インターネット上で事実無根の誹謗中傷が散見されます。
   どうすればそれを無くす事が出来るでしょうか？』という質問。
私は『そもそもこういう事を客に質問している時点でそのような事例が出る原因になるのではないか』という素直な意見をアンケートに記載した。
その他の質問についても率直な気持ちを全て丁寧に記載し、
アンケートの最低記載文字数を超えるように回答を行った。

そして次回の来店は今でも強く印象に残る日となった。