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ドラッグストア利用に関するアンケート調査

ドラッグストアの推定全国売上高は8兆円を超え、前年比を上回る状況となっています。今回は、全国のPOB会員6,526人(平均年齢50.2歳)に、「ドラッグストア利用に関するアンケート」を2023年3月31日~4月3日に実施しました。規模を拡大し続けているドラッグストアにおける消費者の購買行動について調査していきます。

ドラッグストアの利用頻度

まずは、ドラッグストアの利用頻度について尋ねました。

最も高いのは「週に1回~2回(35.3%)」

ドラッグストアの利用頻度は「週に1回~2回(35.3%)」が最も高く、全体の半数近くの人が「週に1回以上(48.6%)」利用しています。mitorizが2018年3月に実施した「ドラッグストアの利用に関する調査」の結果「週に1回以上(38.2%)」と比較すると+10.4P上昇しています。
エリア別にみると、週1回以上利用しているのは「東海 (60.6%)」、「中国・四国 (58.8%)」、「北陸・信越(53.8%)」の順に頻度が高いことがわかりました。

メイン利用するドラッグストア

次に、メイン利用するドラッグストアについて尋ねました。

最も利利用されるのは「ウエルシア(14.8%)」

最も利用されているドラッグストアは、「ウエルシア(14.8%)」、「サンドラッグ(12.9%)」、「ドラッグスギ(8.6%)」、「ツルハドラッグ(7.4%)」、「マツモトキヨシ(7.2%)」の順となりました。各エリア別にみると利用チェーンにも地域の特徴がみられます。

利用する理由を合わせて尋ねると、ドラッグストアでは安い価格で商品を購入できる他、店舗独自のポイントの他にTポイントやdポイントといった共通ポイントを二重に得られ、更にクーポン利用を利用することでお得にお買い物ができることが消費者に支持を得ていることがわかりました。コメントからも各社様々な取り組みを消費者が活用している様子が読み取れます。

「ウェルシアでTポイントがお得に貯まるキャンペーンや、Tポイントを利用してお得に買い物ができる日などがあることと、日用品、食料品など、取り扱い内容が多く便利。(50代男性)」
「サンドラッグは、1円購入から使える1点のみ15%引きクーポンがあるし、サンドラッグポイントと楽天ポイントの2つのポイントが貯まるから。(50代女性)」
「スギ薬局は毎週クーポンが貰えてポイントも貯まる。auPayも使えるから。(40代女性)」
「ツルハは5%オフの日が定期的にあるとともに、ライン友達であればお得な日の間でも5%になるときがあるため(40代男性)」
「マツキヨポイントはいつでも使える割引クーポンがあり、プライベートブランドの商品が安いから。(30代男性)」

ドラッグストアで購入するもの

続いて、消費者はドラッグストアで何を購入しているのか調査しました。

最も多いのは「食品全般(66.5%)」

ドラッグストアで購入するもので最も多いのは「日用品(61.5%)」、「医薬品(59.0%)」、「家庭用洗剤(55.6%)」の順となりました。食品類を「食品全般(66.5%)」として比較すると、日用品よりも多く購入されていることがわかりました。

関東では、日用品や医薬品を購入する比率が高いですが、他エリアでは食品が最も多く、7割以上の人が購入すると回答しました。さらに、「北陸・信越」、「中国・四国」、「九州・沖縄」では、医薬品よりも食品や日用品、家庭用洗剤の購入が上位を占めていることから、ドラッグストアが普段の買い物先として日常利用されていると思われます。

エリア別に利用状況を分析した結果から、医薬品だけではなく日用品や食料品など様々な生活必需品がそろう利便性から、ドラッグストアは地域社会におけるインフラとしての存在を確かなものにしていると言えます。

ドラッグストアの利用:コロナ禍の変化

続いて、コロナ禍でドラッグストアでの購買行動にどのような変化があったのか、アンケートで調査を進めていきます。

増減どちらも「食品」の影響が最も大きい

コロナ禍以降、購入することが増えたものがあると回答した人は34.0%となりました。
「マスクなど衛生品が増えた」、「除菌商品、ハンドソープの購入が増えた」といったコメントがあるように「日用品(34.1%)」が最も多く購入されていました。また、各食品を「食品全般(51.0%)」で見ると半数以上の人が増えたと回答しました。消費者コメントからも「水や飲み物の購入が増えた」、「自粛が増えてお菓子の購入が増えた」といった変化があったことがわかります。

■購入することが増えたもの
「自宅にいる時間が増えたから、子供が好きなアイスの購入が増えた(30代女性)」
「生鮮食品が増えた。わざわざスーパーにいかなくても日用品と一緒に買い物できるから(40代女性)」
「鎮痛剤の購入が増えた。出かけないので使わない日用品の購入が減った(40代女性)」
「家飲みが増えた為、アルコール類が増えたように思えます。(60代女性)」」
「マスクや除菌用品やトイレットペーパーやハンドペーパーの購入が増えた。(60代女性)」

一方、購入が減ったものがあると回答した人は16.4%で、「化粧品(32.8%)」が最も減少していました。消費者コメントから、外出機会の減少により購入が減ったものは身だしなみに関する商品だけではなく、普段から買い物先として利用されていたこともあって飲料をはじめとする食品も影響を受けていたことも伺い知ることができました。

■購入することが減ったもの
「化粧品やボディークリーム、リップクリームなどのケア用品の購入が減った。(30代女性)」
「友人と集まる機会が減ったのでアルコール類の購入頻度が減った。(30代男性)」
「日用品をネットで買うようになったので減った(40代男性)」
「衛生に気を使うようになったので一切風邪をひかなくなり、医療品を買う機会は減った。(50代女性)」
「外出が減ったため、ペットボトル飲料を自分ではほとんど買わなくなった(60代以上)」

ドラッグストアの利用:販促物による購買行動の変化

続いて、販促物が購買行動にどのような変化を与えているのか、今回はサイネージ(モニターや電子POP)による購買行動の影響をアンケートで尋ねました。

「サイネージを見て商品を購入した(14.3%)」

サイネージを見て商品を購入したことがある経験がある人は14.3%となりました。その中では「化粧品(24.3%)」が最も高く、次に「医薬品(21.8%)」、「ヘアケア・ボディケア用品(21.3%)」が続きます。
「食品全般」を見ると、購入経験者うち4割が食品の購入に至っています。ドラッグストアでも食品類も含め販促活動を行うことの重要性を感じる結果となりました。

ドラッグストアの利用:今後の変化

次に、今後ドラッグストアでの購買行動にどのような変化があるか、これから「ドラッグストアで購入が増えると思うもの」についてアンケートで尋ねました。

約4割が「購入が増えるものがある」と回答

約4割の人が、「購入が増えるものがある(38.8)」と回答しました。その中でも今後増えると回答されたカテゴリは「日用品(70.8%)」、「医薬品(64.3%)」、「水お茶 (61.1%)」の順となりました。前出のアンケート結果で「減った」と回答された商品も、今後回復する見込みであると言えるでしょう。

また、食品の「値上げ」が続く中、少しでも安いものを買い求めたいという消費者の更なる利用が進むことと思われます。

「値上がりが多いので、ドラッグストアで安いものを買うことが増えそう(40代女性)」
「物価の値上げが負担なので、少しでも安いところを探した結果、お菓子類はスーパーより圧倒的にドラッグストアの方が安いから。(40代男性)」
「食品の価格がスーパーよりも安いので、値上げが多い中で買う機会も多くなると思います。(50代女性)」
「パン類はスーパーよりドラッグストアのほうが安いことが多くなった(50代男性)」
「食品が値上がりしているので 冷凍食品などはドラッグストアが安いので購入する(60代男性)」


医薬品や衛生用品といった商品に加え、生鮮、総菜、加工食品、冷凍食品などといった食品までを、ワンストップで購入できるという利便性がコロナ禍で支持され、更なる成長を見せていることがわかりました。値上や競争環境が激化する小売業のなかで、ドラッグストアはどのような立ち位置へ変化をするか、今後も注目していきます。

mitorizはドラッグストア店頭での販促活動もサポートすることが可能です。詳しくは下記をご確認ください。


今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
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