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クリエータ紹介③:秋穂正斗さん - 若きAIエンジニアの野望と成長

このnoteでは、福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称・福岡未踏)のプロジェクト採択者について、プロジェクトの詳細や福岡未踏にかける思いをご紹介します。

今回は、AI技術に情熱を傾ける高校3年生・秋穂さんの挑戦をお伝えします。

秋穂正斗さん

プロフィール

  • プロジェクト名:Scratchのような動的ビジュアルGUI環境を搭載した、視覚的に効 率よくAIの仕組みを中学生からでも学習できるWebアプリ

  • 支援プランと期間:Pro(23年8月~24年1月)

  • クリエータ:秋穂正斗さん(N高等学校3年生、18歳)

これまでの歩み、来歴

幼少期から、レゴで作るロボットなど“動くものづくり”の遊びが好きだった、と振り返る秋穂さん。プログラミングと出会ったのは小学5年生の時でした。楽しみながらプログラミングに触れられるビジュアルプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」に関する書籍を読み、中学生まで、その魅力にどっぷりハマったそうです。

高校に進学してからは、より実用的で、将来的に仕事に繋がるようなプログラミング言語に関心を移しました。そこからAIに対して目を向けるようになり、現在はAIと数学の関係に焦点を当てたプロジェクトに没頭しています。

中間発表会の様子

プロジェクトの概要

秋穂さんが現在取り組んでいるプロジェクト「Scratchのような動的ビジュアルGUI環境を搭載した、視覚的に効率よくAIの仕組みを中学生からでも学習できるWebアプリ」は、AI分野における数学の複雑さを解消することを目指しています。特に、数学の難解な概念を視覚化し、よりアクセスしやすくすることに重点を置いています。

このプロジェクトは、秋穂さん自身がAIの仕組みを独学で学習するなかで、「誤差逆伝播法」というひとつの学習アルゴリズムを理解するために半年以上の期間を要してしまった経験に基づいています。

難解な概念を効率的に学習するためには、静的な学習ではなく「ここを変えたら他の部分はどう変わるんだろう」といった疑問が即座に解消される動的な学習が重要だ、と秋穂さんは考えました。このプロジェクトは、中学生でもAIの基本を理解できるようになることを目指しており、さらに、テキストデータから生成するため、多言語対応も可能になります。「世界中の学習者が対象になりうる。プロダクトの市場としても面白い」と秋穂さんは語ります。

福岡未踏への応募理由

秋穂さんが福岡未踏への応募を決意したのは、プロジェクトに必要な資金的な支援と、人との繋がりによる多くの知見を得るためでした。福岡未踏のプログラムでは、プロジェクトに必要な資金を援助するとともに、メンターや他のクリエータとの複数の交流イベントを用意しています。

当初の狙い通り、「資金を気にせず、プロダクト開発に没頭できるし、メンターやクリエータとの交流を通して多様な視点や刺激を得ることができた」と秋穂さんは話します。

大学でAIの分野を学ぶ学生から、中間発表のスライド資料にフィードバックをもらったり、AIに詳しい仲間ができたり。他のビジネスコンテストの情報も入ってくることで、さまざまな機会にも触れられるようになったそうです。

福岡未踏で成し遂げたいこと

福岡未踏における秋穂さんの最大の目標は、プロダクトを完成させ、実際に利用される状態にまで持っていくことです。今は、1日10時間ほどこのプロジェクトに注ぎ、開発に取り組んでいるとのこと。また、さらに先の目標として、秋穂さんが作ったプロダクトが世界中で使ってもらえて、世界がよりよくなることを夢見ています。

その足がかりとして福岡未踏は「大きなステップとなることを確信している」と語る秋穂さん。福岡未踏のプログラムを通じて得られる知識や人との繋がり、機会を最大限に活用し、AI技術の発展に寄与できるエンジニアになることを目指しています。

おわりに

「福岡未踏の最終成果発表会では、最も優秀なクリエータに与えられる称号を目指す。一番すごいプロダクトを作りたい、負けたくない!」と語ってくれた秋穂さん。AIに大きな可能性を見出し、またAIに対して大きな夢と情熱を持ち、実現するための努力を続けていることが分かりました。今後の活躍から、目が離せませんね。


左)担当PM 部谷修平氏と秋穂さん 

福岡未踏とは

福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称、福岡未踏)とは、福岡県在住の若手クリエータを発掘・育成し、クリエータの「何かを作るための第一歩」を支援し、また、IPA未踏と同等の支援に加え、複数のIPA未踏経験者からなるPM・メンター陣にて、プレ人材向けの支援を行います。

(文:五十川慈)