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皇居三の丸尚蔵館『皇室のみやび』第3期の感想

タイトルのとおりですが、先日、皇居三の丸尚蔵館で開催されている『皇室のみやび-受け継ぐ美-』を見に行きました。

この展覧会、全4期に分けて開催されているようで、すでに第1期と第2期の展示は終了しています。

僕は、第3期にして初めて訪問しました。

展示物がどれも素晴らしかったので、記録がてら感想をnoteしようと思います。


『皇室のみやび』を見に行った経緯

冒頭でも触れましたが、『皇室のみやび』は全4期に渡り開催されている展覧会です。
調べたところ、2023年11月3日から始まったようですね。

三の丸尚蔵館でこのような展覧会が開催されていることはニュースで知っていましたが、「どうせ混んでいるしいいや」くらいに思ってスルーしていました。
(ちょうどインフルエンザ流行期ということもありましたし)

しかし、数日前から突如気になりだして調べた見たところ、国宝を始めとする貴重な品々が展示されており、「これは(関東では気軽に行けない)正倉院展に匹敵するような展覧会なのでは?」と考えを改めました。

すでに2期が終わっていましたが、今からでも遅くないと慌てて日時指定を取り、見に行った次第です。(本展は日時指定が必須)


ちなみに、三の丸尚蔵館自体は開館から30年を迎えるようで、それを機に(なのかわかりませんが)名称を『皇居三の丸尚蔵館』に改めたとのこと。

本展覧会はそれを記念してのもの。
なので、展覧会名に「開館記念展」が付いているのですね。

一応、展覧会のリンクを下に貼っておきます。

第3期「近世の御所を飾った品々」を見た感想

本記事を書いている2024年4月現在開催されている第3期のテーマは、「近世の御所を飾った品々」。

屏風や調度品など、各御所や宮家にて集積され、飾られた品々が中心に展示されています。

主な展示品としては、源氏物語を題材に取った屏風や、国宝≪更級日記≫、徳川斉昭の琵琶等々、どれも「みやび」且つ貴重な品々ばかり。

展示品の中で、僕が特に素晴らしいと感じたのは以下2つ。

《雲紙本和漢朗詠集》 伝藤原行成

現在放映されている大河ドラマ『光る君へ』にも登場している藤原公任がまとめて藤原行成が記したと伝わる詩歌集の写本(巻物)。

こちら、2024年3月15日に文化審議会にて国宝に指定するよう答申したとされるもの。
言わば(現時点では)国宝級の品ですね。

正直、達筆すぎて読むことはできませんが、均整の取れた漢字で記された漢詩と、流麗な”かな”で記された和歌が見ているだけでも本当に美しく、ひとつの絵画のようにも感じました。

《源氏四季図屏風》 円山応挙

題名から源氏物語を題材にしたものと思われます。

平安の建物や木々などの景色が描かれた屏風が、四季に分けて4隻連なっており、控えめながらも写実的で雅な雰囲気もあり、いつまでも観ていたくなる美しい屏風でした。

気になったのは、左右の隅に記された「源応挙」(実際は旧字)という落款。

あとで調べたところ、本作以外にも、「源応挙」という名を記している作品がある模様です。

質問箱的なサイトに「晩年名乗っていた名前」という記載も見受けられましたが、こういった名乗りはどういった経緯で付けているのでしょうか…
その場で思い切って学芸員の方に訪ねればよかったと後悔しております。

展覧会チラシ

おわりに

展示品の品数自体は、一般的な博物館で開催されている展覧会に比べると少ないですが、その分料金も良心的(1,000円)ですし、何よりどの品々も美しく貴重なものばかりです。

今後開催される第4期の展示も、時間を作って見に行くつもりです。

おわりのおわりに…(小言のような余談)

ちなみに、今回僕が見に行った第3期は、ほとんどの展示物が写真撮影OKとなっていました。

展示室のそこかしこで「カシャ」「カシャ」とスマホのシャッター音が鳴り響いていました。

もちろん博物館側がOKと言うのであれば写真撮影は個人の自由だと思いますが、正直、このシャッター音の波には少々辟易しました。

僕は一枚も展示物の写真は撮りませんでしたが、展覧会の楽しみ方について改めて考えさせられた機会でもありました。

皇居・大手門とお堀


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