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「APPETITE FOR DESTRUCTION」 GUNS'N ROSES (1987)

80年代半ばからしばし隆盛を誇ったL.A.メタル
(またの呼称をヘアメタル、グラムメタル)

そのムーブメントが
スラッシュメタルの台頭によって
空前の灯火となりつつあった80年代中盤

ひとつ大きなうねりが起こった。

眠れる巨匠の復活…とでも言うべきか?

あのエアロスミスが活動を再開

ここで私もブームに乗っかったわけではないが
ルーズで独特の雰囲気を持った

ロックンロールタイプのハードロックを
聴くようになった。

どことなく"不良"の雰囲気を纏ったバンド
この世代の若者なら誰しも一度は憧れる

バッドボーイ系のロック

そこに忽然と現れたのが…ガンズ、
GUNS'N' ROSESだった!

1stアルバム発売頃の画像

彼らの名を世に知らしめた
ライブ(っぽい)ミニアルバム
「Live ?!*@Like a Suicide」にエアロスミスの
「Mama Kin」が収録されて話題となり
(ROSE TATTOOのカバーも良かった!)

その流れと勢いのままリリースされたのが

「APPETITE FOR DESTRUCTION」(1987)

こちらのデビューアルバムだった。

私もあのミニアルバムを聴いた影響で
大いに期待をしていたものの

やはりR&R系のバンドゆえ
ラフで粗削りな音で来るのだろう、と
勝手に思い込んでいたのだが…

その予測はいい意味で見事に裏切られた。

このアルバムはしっかりと作り込まれた
非常に完成度の高い、

それでいてロックンロールの荒々しさや
ワイルドな部分は残した

正に非の打ち所のない作品だった。

誰もが一度耳にしたら忘れられない
イントロで始まる
「Welcome To  The Jungle」

そのタイトな演奏に乗っかる
アクセル・ローズの高音ハスキーボーカル。

グルーブがありツインギターの絡みも秀逸

歌メロも一度聴いたら覚えるほどのインパクトもうこれで全て持っていかれた。

そして曲によってカメレオンの如く
声色や歌い回しを使い分けるアクセル

「これはとんでもないバンドだ!」と

見た目の悪っぽさも加わって、早くも
最強のR&Rアルバムのひとつとなった。

「It's So Easy」「Mr. Brownstones」など
低音ボーカルの曲がやたらとカッコいい。

しかし一説では低音ボーカル曲は
ベースのダフ・マッケイガンが歌っている、
そんな噂も立っていた。

個人的に好きでお薦めしたい曲は

「Nightrain」

これぞ正にR&R!理屈抜きのカッコよさ
説明など必要ないくらいに。

そしてもう1曲が

「Think About You」
こちらは決してガンズの代表曲、ではないが
私の中ではかなり序列の高い曲だ。

この曲に関しては以前フログで
私情を交えながらあれこれ語っているので

よろしければそちらを参照していただきたい。

そしてガンズの魅力はただただ粗野で荒くれた
一面だけではなく

聴き手の心に寄り添い背中を押したり
鼓舞するような歌詞の曲も多く存在すること。

「Out ta Get Me」「Rocket Queen」などは
ぜひ和訳を読んでいただきたい。
(「Rocket Queen」はちょっと曰く付きの曲)

「f※※k」や「s※※t」などの表現も
彼らにとってはちょっとしたジョーク

我々日本人には使いこなせない感覚だが
そこに底知れぬカッコよさを感じた10代のまま私は年齢を重ねてきた気がする。

全曲詳細に紹介すると長くなるので割愛するが

「My Michelle」や「Paradise City」などは
本当に気持ちよく聴けるし

後にアコースティックバージョンで収録された
「You're Crazy」はこのアルバムでは
疾走感溢れるバージョンで聴くことが出来る。

独特のノリとリズム感が楽しめる
「Anything Goes」も好きな曲だ。

そして「Welcome To The Jungle」同様
一度聴くと忘れられない

インパクト大なイントロで始まる
このアルバムで唯一の壮大なバラード曲

「Sweet Child o' Mine」

イントロから全編にかけて
ダフの奏でるベースラインが非常に心地よく

そこにギターの印象的なフレーズが乗っかる。

個人的にギターソロ後の低音ボーカルパート、
ここが一番の聴き所(聴かせ所?)かな、と。

アルバム全体、曲調もボーカルの声質も
バラエティに富んでいて全編飽きさせない

簡単そうで実はそこそこ難解なギター
地に足のついたリズム隊

本当によく作り込まれた、それでいて
ラフな仕上がりに感じさせる名盤。

このスタイルに影響を受けた後発バンドも
かなり多かったと思われる。

ジャケットもカッコよかったなぁ(笑)

「APPETITE FOR DESTRUCTION」(1987)

高2の秋、と言う人生で一番楽しい時期(笑)
当時の思い出もかさ増しにはなるものの

やはりこの作品も
永遠に聴けるアルバムと断言できる。

メンバーの不良っぽさへの憧れからか
この頃から私自身の私生活も
かなりブッ飛び始めた気がする(笑)

今でも時々(悪事ではないが)起こす
自分の常軌を超えた行動の数々は
(まあかわいいもんですがw)

間違いなくガンズからの影響であると
私は確信している。

疾走系のメタルを好むファンには
少し好みが別れるバンドであるとは思うが

このカッコよさは一度体感していただきたい。


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