大きな決断をした
大きな決断とは仕事のことだ。
サラリーマンとしての仕事を見つけない、それが私の大きな決断だ。
今日まで毎日毎日たくさん悩んだ。
悩んで悩んでハゲるんじゃないかと思った。
この大きな決断をするのにとても勇気が必要だった。
だからなぜその決断をしたのか書き留めておきたい。
理想の仕事が決まりそうで決まらなかった
理想の仕事を見つけた。
面接はトントン拍子に進んだ。
それが11月の話。
そのあと、担当者の出張やら、他の人の面接やら、ホリデーやらで1月末の今まで待たされてきた。
進捗状況を確認するたびに、三橋さんはすごく魅力的だけど他の人も見たいから待ってて、と言われた。
あと一人、またあともう一人、めぼしい候補者が見つからないと言われ、理想の仕事だしじゃあ待つかと私は待った。
でも待ち続けて疲れてしまった。
だってそうじゃないか。
恋愛でいう君のことはまあまあ好きだけどもっといい本命が見つかるかもしれないから君はキープね、と言われているのと同じだ。
相手が主導権を握っていて、それに振り回されている。
そんな状況に私は疲れた。
そして私は自分からお断りの返事をしたのであった。
なぜ理想の仕事をしたかったか
私は子供を産むまでずーっと39歳まで働き続けた。
長期間休んだのは短期留学したときくらいで、新卒から今まで働き続けてきた。
正直、専業主婦の友人や実母、義母を見て、全く憧れたことはなかった。
むしろなぜ働かないのかと思っていた。
配偶者に頼ってカッコ悪いって。
正直に告白すると、見下していた。
私は昔から自立した女性に憧れていて、働き始めてから親にお金を援助してもらったことは一度もないし、彼氏やパートナーとも対等な関係を築こうとしてきた。
だから現在無職、専業主婦になって、夫の収入だけで暮らしているこの状況について、これでいいのかと自問自答を続けてきた。
働かないなんてどうかしている。
人に頼って生活していくなんて、万が一離婚とか死別とかなったら生活はどうしていくんだって。
自分を守るために私は何が何でも働かないといけない。
そうやって、ずっと自分にプレッシャーをかけてきた。
だから今回の仕事を自分からお断りすることは大変苦しかった。
この先この仕事より理想とする仕事が見つかるのか?
このままでいいのか?最悪の事態になったらどうふるんだ?
このままキャリアを止めるのか?
来年で40だぞ?歳をとって仕事が見つかるのか?
ブランクが長ければ長いほど採用されないのではないか?
とにかく、怖かった。
専業主婦になるのが、怖かった。
なぜその仕事にこだわった?
この仕事にこだわった理由。
それは職場環境がいいとか、立地とか、仕事の内容とか、自分の実力が活かせるとか、それは建前の理由だった。
本当の理由は?
この仕事に就くことができれば、そしたら、私は、、、
自慢ができると思ったんだ。
元同僚に負けたくないとか、友人に負けたくないとか、そういう競争心と、相手に認められたいという気持ちが強かった。
常に他人と自分を比べてきた。
かっこいいタイトルを勝ち取って、かっこいい職場で、かっこいい仕事をする私。
それを周りに見せたかった。
私はこんなにすごいんだぞって。
三橋ちゃんは本当にすごいね、さすがだね、って言われたかった。
それが本当の理由。
バカバカしいけど、それが本当の自分。
私は他人からの評価を欲していて、そのためにいい仕事に就きたかった。
世間で言う「普通の幸せ」レールに乗らない人生を歩んできた
私という人間は面倒な人間で、みんながいう普通の幸せにいつも反発して生きてきた。
普通なんて嫌だ、つまらない。
私はみんなと違う。
それが私だ。
オランダにも普通の幸せがある。
子持ちの母親は専業主婦もしくはパートで週3で働く。
キャリアなんて築かなくていい。
子供と過ごす時間が最も尊い。
一生懸命仕事をする必要はない。
それがオランダの普通の幸せだ。
私はそれに当てはめられたくなかった。
家族が、友人が、みんながみんな揃って同じことをを言ってくるたびに、私はあなたたちとは違う、私はキャリアを築きたいし、子供は保育園に預ければ社会性も身につくし、お金はたくさん稼げば稼ぐほど偉いって思ってきた。
誤算だったのは、オランダに出戻って4ヶ月。
娘とほぼ毎日一緒にいることがとても楽しく、苦痛さえ感じないことだった。
娘がかわいい。
自分が働き始めたときのために、空きのある保育園に週一回預けているが、娘に会いたすぎて早い時間に迎えに行ってしまう。
娘と過ごす時間が幸せだ。
私はもっとドライな人間だと思っていた。
元々子供が好きじゃないし、子供が欲しかったのは夫で、私は夫のことが好きだから子供を産んだ。
キャリアは自分のため。
仕事が大切だから子供は毎日保育園に行けばいい。
私はどっぷり子育てをするタイプじゃないって。
でもそれはどうやら違ったようだ。
頭で考えていた自分と、今の自分が違う。
娘がかわいくて、大切で、おもしろくて、一緒にいたい。
そんなふうに自分が思うなんて想像していなかった。
子育てはもっと大変だとも思っていた。
だが幸いにも娘はほとんど手がかからず、よく寝てよく食べる。
私はいっぱいいっぱいでもなんでもなく、ただただ家にいる時間を楽しんでるし、娘といる時間を楽しんでいる。
これが普通の幸せなのか。
大好きな夫がいて、娘がいる。
家に毎日いるおかげで家の中はピカピカだし、常に整理整頓されている。
時間がたっぷりあるから好きなことを勉強して、好きな趣味に時間を費やして。
そうか、私はもう普通の幸せに反発する必要はないんだ。
みんなと同じように、普通の幸せを受け入れて、それを楽しむ。
わざわざ仕事のことで悩んで、ストレスを抱える必要はないんだと。
だってこんなにもメンタルが安定していて、毎日楽しいんだから。
普通の幸せに対する反発を終えた。
これでいいんだと思えるようになった。
焦らず今の自分に合った仕事を見つけたい
この先一生専業主婦をするのかというと、それはわからない。
今勉強していることがあるので、そのスキルが活かせる仕事をフリーでやってみたいと思っている。
それはリモートで働ける仕事だから融通が効く。
他にやりたいことが見つかるかもしれない。
なんせ私には時間がたっぷりある。
空いた時間で勉強し、好きなことをして暮らしていく。
もう永住権があるし、ビザの心配をする必要はない。
無職でも国を追い出されないし、夫がいるから生活もしていける。
だから私はゆっくり、ゆっくり、今の自分に合った仕事を見つけたいと思う。
娘や夫と一緒にいられて、ストレスフリーで、自分が楽しんでできる仕事が見つけたい。
もう必死になったり、自分にプレッシャーをかける必要がなくなった。
人生の転換期だ。
友人が言っていた。
人生なんとかなる。
最悪の事態を考えておかなくても、流れに身を任せて生きていけばいい。
うん、そうだな。
リラックスして生きていこう。
気持ちがとても楽になった。
今夜はよく眠れそうだ。
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