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カリブ海で釣りをしたら 南北アメリカ自転車縦断 ベリーズ(2)

12月20日は願った通りの快晴!だからサンゴ礁の島、キーカーカーに行ってみることにする。

キーカーカーはベリーズで最も有名な観光地、らしい。もちろん名前を聞くのは初めてだったけど。(そもそもベリーズという国自体知らなかったけど。)

ベリーズシティーの船着き場を9時に出るモーターボートに乗る。往復で35ベリーズドルと高いが、これに乗ること自体がすでに観光とも言える。客は私以外は西洋人のカップルが3組。まあ、サンゴ礁の島なんて野郎が一人で行くところではない。

行きは波に向かって進むせいか、結構船が「跳ねる」。着水するときはかなりのハードランディングで、ドスンとくる。硬い地面に着地した感じ。その度に体が宙に浮く。お尻が痛くなった。

それでもマリンブルーの海は素晴らしく、40分ほどのライドは楽しかった。

キーカーカーの手前の島には宮殿といってもいいくらいの建物が建っていて、きれいな芝生にはアメリカ国旗がはためいていた。裏には飛行機の滑走路まである。きっとアメリカの大富豪の別荘だろう。ちょっとスケールが違いすぎる。

キーカーカーに着いて、ビーチに行く。しかし、キーカーカーはビーチの島というよりも、ダイビングやスノーケリングのための島らしく、本来ビーチであるはずのところにボートの桟橋があり過ぎて、ビーチを楽しむにはイマイチだった。

でも海の水の色があちこち違うのは面白い。私はダイビングやスノーケリングは全くの未経験なのだが、こんな海で潜ったらきっと一生忘れないだろうな。それくらい水はきれいだった。水着なんて持ってないので、パンツ一丁で泳ぐ。これで「カリブ海で泳いだ」という経験もできた。

しばらくして子供達が釣りをしにやって来た。釣り、と言っても釣竿はなく、釣り糸とおもりだけ。イワシの切り身を餌に、口が尖った細長い魚が面白いように釣れる。

一人の少年の糸が絡まってしまい、それをほどいてあげたのをきっかけに、私もやらせてもらう。

私は小学生低学年のときに友達と近所の池で釣りをやったが何も釣れず、「釣りほど退屈な遊びはない」と悟ってしまっている。しかも大人になってからも、ある友人の好意(おせっかい(?))でイカ釣り船に乗せてもらったものの、自分だけ3杯しか釣れずしかも船酔いに苦しんだので、釣りに関してはこれまで良い印象は何一つなかった。

しかし、あれだけ簡単に子供たちが釣っているのだから、さすがに今度は大丈夫だろうと思って釣り糸を垂れる。

、、、とたんに当たりが止まる(笑)。

自分だけでなく、他の子供たちも釣れなくなってしまった。

子供たちは外国からやって来た私に何とか成果を出させてあげようと、あ~でもないこ~でもない、といろいろアドバイスをくれるが、釣れないものは釣れない。

どうも私は完全に魚に嫌われているらしい。私のために一生懸命になってくれた子供たちに最大限の感謝をして彼らと別れた。

釣れなかったけど、子供たちとの交流は充実したものだった。

でも、もう釣りはいいや(笑)。

その後、キーカーカーでは「日本人は疫病神だから気をつけろ」という噂が広まった(かどうかは知らない)。

※※※※※

昼食はキーカーカーの食堂で少し奮発してシーフード。白身魚があっさりして美味しかった。2時のモーターボートでベリーズシティーに戻り、街で探し回った挙句、絶対に買わなければいけなかったパンク修理用のパッチも無事手に入れることができた。

翌日は曇り。キーカーカーの一日が快晴で本当にラッキーだった。持ってるな、おぬし。でも釣りは坊主だったけどね。

ベリーズシティーを出てからは、集落とジャングルを繰り返す道をひたすら進み、熱帯特有のザーザー雨にも降られながら、二日後の午前中にグアテマラとの国境に着いた。

手持ちのガイドブックにはベリーズを出国する際に27.50ベリーズドルが必要と書いてあったので、30ベリーズドルを残した状態で出国手続きをする。しかしここで問題が発生。出国税が30ベリーズドルに値上げされていた上に、自然保護のための費用が7.5ベリーズドルで、合計37.5ベリーズドル必要と言われる。結局、虎の子のアメリカドルで払う羽目になった。

使えなかった30ベリーズドルは国境の両替所でグアテマラの通貨であるケツァルに両替する。かなり悪いレートだったが、90ケツァルになった。

しかしグアテマラのイミグレでは、職員のおばさんに10ケツァル巻き上げられる。これはどうも彼女のお小遣いになりそうな感じだった。(確証はないけれど。)

イミグレ職員に当然のようにお金を請求されると、入国スタンプを押してもらわなければいけない旅行者としては、「入国税不要」という確固たる情報を持っていない限り、なかなか抵抗するのが難しい。

ベリーズはお金のかかる国だった。しかし、貧しい国が裕福な旅行者から入国税・出国税を取るのは悪いことではないと思う。そうすればイミグレの職員がそこから更に上乗せしてワイロをふんだくるのはやりにくくなるだろう。旅行者としても、自分の払ったお金が職員個人のポケットマネーになるよりも、ちゃんとその国の予算になる方が良い。

両替所で更に50アメリカドルを両替すると375ケツァルになり、ベリーズドルから替えたものの残りと合わせて合計455ケツァルになった。1ドルが7.5ケツァルなので、1ケツァルがだいたい15円くらいと考えればいいだろう。いずれにせよ、これでしばらくは大丈夫なはずだ。

ここからはいよいよグアテマラ。12月22日午前11時過ぎにまたペダルをこぎだした。

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