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モノづくりは奥が深い!世界三大毛織物産地の尾州よりレポート!!

こんにちは~。三星グループの中村順平です。

三星グループに出向して、早くも半年です。本日は、我が社の主要事業の一つである織物事業について、半年の素人目線で書いていきたいと思います。
詳しい話は次号の社員インタビューで発信していきたいと思います。
本日の目次は3つ(Mitsuboshi)


1,尾州ってはじめて聞いたけど、世界三大織物産地の一つなの??

皆さん尾州って聞いた事ありますか?
正直にいいますが、私は全く知らなかったです。

尾州は愛知県一宮市を中心に、津島市、稲沢市、江南市、岐阜県羽島市など、木曽三川に囲まれた愛知県尾張西部エリアから岐阜県西濃エリアの昔の呼び方です。尾張はよく聞きますが、尾州はなかなか聞かないですよね・・
それで尾州がどうしたって?? 
このあたりは、毛織物のメッカなんです!!なんと、国内の毛織物の7割くらいは尾州で生産されているんですよ。7割ですよ、7割!
世界三大毛織物産地は、イタリアのビエラ、イギリスのハダースフィールド、そして日本の尾州なのです。

なんでこんなに有名になったかって?? ポイントは水らしいです。
さきほど木曽三川に囲まれているって書きましたが、尾州には豊富な水があるんです!特に重要なのは、軟水であることです。
生地を作る、染めるには、大量の水が必要です。ただ、硬水だと生地がガサガサになってしまうので、良質な生地が作れないらしいです。
ヨーロッパでは、髪の毛を洗うとごわごわになるっていいますよね。あれが硬水です。
ヨーロッパの多くの地域は硬水のようですが、ビエラとハダースフィールドは軟水なので、ヨーロッパの中でも毛織物が盛んになっていたらしいです。
こんな凄い地域が日本のヘソのあたりにあるのです。
これは覚えておいて損はないです。

2,えっ!こんなに違うの・・。生地って奥が深い!!

毛織物の生産、と一言でいっても、工程はものすごくあるらしいです。
ウールの生地を作ろうとすると、羊の毛を洗って、方向を揃え、紡いで糸にすることから始まって、糸を染色などと様々な素材を作りながら縦糸と横糸を織っていくんですね。これが、ま~大変な仕事です(私が実際に行っているわけではないのでお伝えしづらいのですが)。
多くの工程を一社だけではできないので、糸を作る会社、染色する会社、生地に織り込む会社など、特定の工程を専門にしている会社が尾州にはあります。このように、尾州の会社同士が協力して、高品質な生地を作っているのです。
尾州の毛織物関連企業/会社は、1990年代の最盛期には4,000社もあったらしいのですが、今では100社程度らしいです。
なんでかって? 
一つは安価な合成繊維の台頭、もう一つは、中国など人件費の安い海外で、自動化による大量生産が行われるようになったからです。
でも、これらの安い素材にも課題があるんです。
合成繊維は土に戻らないからサステナブルではないし、シンプルな生地を作るなら大量生産でもいいですが、ファッショナブルな生地は自動化された大量生産で作るのは難しいようです。
ですので、毛織物の複雑な工程をこなせる尾州は、ファッショナブルな生地作りには非常に重要なんです。

それで、三星毛糸は何をやっているか、ってことですよね!!
三星毛糸は、昔は生地作りのほとんどの工程を行っていましたが、今は生地の企画と販売を中心とした事業を行っています。
毛織物は奥が深く、原料の種類(メリノウールとか)、染め方(色や艶の出し方)、生地にする工程(織るや編む)など、素材や工程のちょっとした違いで全く違った質感になるのです。このように、生地には無限のパターンがあるので、服を作るデザイナーさんは、自分のイメージに合う生地を生地メーカーに企画して作ってもらうんです。これが、職人技です。この生地の企画を行う人を「テキスタイルデザイナー」と呼びますが、これが三星毛糸のテキスタイル事業部の主な仕事です。

例えば、黒色ひとつとってみても、濃さや質感のパターンは無数です。黒色のバリエーションは、昔から百鼠(ひゃくねずみ)とかいわれているほど豊富らしいです。
特に私がかっこいいと思ったのが、銀座英国屋さんと三星毛糸がタッグを組んで作った「漆ブラック」です。実際に、他の黒と比べても圧倒的に「黒い」のです。
詳細は銀座英国屋さんの記事も見てみてください。


三星毛糸と英国屋さんが一緒に作った漆ブラック

当然それなりのお値段なので自分ではなかなか買えないです。
そうそう、羽島市へのふるさと納税でも、銀座英国屋さんの仕立て補助券が選べるらしいですよ。
ふるさと納税のリンクはこちら


3,ひつじサミット尾州@三星で羊の丸焼きに大奮闘?

こんな、私のような一般人ではなかなか知る機会のない尾州の繊維文化を伝え広めるために、三星グループ代表の岩田さんが仲間の若手経営者に声をかけて、2021年から産業観光イベント「ひつじサミット尾州」を開催しています。

「ひつじサミット尾州」では、尾州の繊維会社が工場を開放するオープンファクトリーなど、さまざまなイベントが行われます。見て、触れて、食べて、聞いて、五感で尾州を楽しめるイベントです。昨年は延べ16,000人も来ていただいたそうです。
例年/毎年10月の最終週に行っており、2023年も10月28日(土)、29日(日)に開催される予定です。ぜひぜひ参加してみてください。

ここで、三星グループが「ひつじサミット尾州」でどんなイベントをしているのかを少し紹介します。
2022年は、羊との触れ合い体験(会社に羊がいるんです!!)、羊毛フェルト教室、ウールマイスター「ひつじくん」の勉強会、会社&ファクトリーツアーなどを行ってます。
中でも私の一番のハイライトは、羊飼い酒井伸吾さんの「食育トークショー」です。
北海道の羊飼い酒井さんに来社頂き、酒井さん自らが育てた羊肉を丸焼きにして、食育を伝えるイベントです。
酒井さんはNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で取り上げられただけでなく、洞爺湖サミットのメイン料理で酒井さんが飼育したラム肉が使われたことがあるなど、まさに日本を代表するの羊飼いです。

そんな凄い人とは知らず、前回のイベントで私は酒井さんのアシスタントとして食育イベントをお手伝いさせて頂きました。お役に立てたかは分からないですが、一番褒めてもらったのは、羊肉に添えるコールスローを作るための、キャベツの千切りでした。アルバイト時代の経験がこんなところで生きるなんて。一生懸命働いてると何かに活かされるんですね。
何が言いたいかというと、イベントは参加者だけでなく開催側も楽しまないと!ってことです。
私は2日間大いに楽しみました。


左が酒井さん、右が私(中村)

今回のnoteはこんなところですかね。

次号は社員インタビューです。三星毛糸の生地企画の職人(テキスタイルデザイナー)に、お話を聞いてみたいと思います。実は海外のハイブランドも、三星毛糸の生地を使っているとか。


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