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「羊と鋼の森」推し本

いい本というのは、気配がする
パラリとめくった瞬間に立ち上がってくる気配

それは、ふわりとその世界へ運ぶ力がある

映画も漫画もみたけれど、やっぱり小説がいい

文章が奏でる世界がせつなく、うつくしく、澄んでいて、その世界にお邪魔させていただくことがうれしくなるような作品

物語の力はストーリーだけでなく、文体にある
文体とは音楽にも通じる
リズムや間や響き
思わず口に出して音で味わいたくなるもの

目をつぶると森が見える
夜の森のしめった苔や
乾いた樹の匂いがする
鳥の羽ばたく音
樹々を渡る風の音
肌にまとわりつく気配

ネタバレになるから書けないけど、
板鳥さんが音について語る表現が美しい

そんな表現をしてみたいと思うし
双子の姉が決意をして語る言葉も、ぐっときて泣ける

森の話をしたり
森で話すと思い出す

心の宝箱に入ってる作品
ちょっとだけ、パカっとあけて紹介する

なんだろう
春だからかな


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