TOEIC L/RとDuolingo English Testを同時期に受けたら、雑に英文を読むスピーキング雑魚野郎だということがわかった
本記事の想定読者層
TOEIC L/R受験生でDuolingo English Testを知らないor興味ある人
n=1(私)の勉強サンプルが知りたい人
CEFR C1レベルに達するのにかかる勉強時間について、私の考察を見てみたい人
といっても、基本的には自省のためにまとめているので、そこはあしからず。
1.ダブル受験のきっかけ
2024年2月、唐突にTOEIC L/Rを申し込みました。
それと同時期くらいに、英語4技能を評価できるDuolingo English Testの存在を知りました。
私が保有する英語資格の中で、唯一スピーキングだけはいかなる証明もない状態だったので、この資格で力試しをしてみようと思いました。
加えて、Duolingo English TestはIELTSやTOEFL点数との比較が存在するのですが、TOEICについては存在しませんでした。折角なので、同時期に受験して比較してみても面白いのではないかと考えました。
というわけで、TOEIC L/Rを3月10日に、Duolingo English Testを3月16日に受験しました。結果が返ってきましたので、それぞれ振り返ります。
2.筆者のバックグラウンド
2-1.取得済み英語資格
2023年3月 TOEIC L/R 850点(L455/R395)
工業英検2級 合格
(技術英検準プロフェッショナルは不合格)
TOEIC公式によれば、リスニングとリーディングに関してはCEFR B2程度の実力がありそうです。
工業英検(現:技術英検)はテクニカルライティングの試験です。これはCEFRでの評価はありません。
いずれにしても、前述のようにスピーキングだけは実力が一切証明されていない状態です。PROGOSで2~3回くらい試験するとCEFR B1~B2あたりだと言われたくらいです。
2-2.主にやっていた勉強
リーディング
英字ニュース閲覧(NikkeiAsia, BBCなど)
英語論文閲覧(仕事でたまにやる)
リスニング
森田勝之さん著の「ストーリーで学ぶ英語リスニング」シリーズ3冊を2周くらいディクテーション&オーバーラッピング
たまにVoiceTubeでディクテーション&オーバーラッピング
ライティング
気が乗った時にニュースの内容などを書いてGrammalyやChatGPTなどに評価させる
スピーキング
周りに人がいないときに英語で独り言
たまにELSAで発音評価
英単語フレーズ大特訓で瞬間英作文のトレーニング
3.TOEIC L/R受験
3-1.TOEICについて
この記事を見に来た人でTOEICを知らない人はいないと思いますが、一応わからない人向けに公式HPを載せておきます。
3-2.TOEIC受験歴
学部卒で就職したので受けずに終わった大学院入試のために受験したのをきっかけに、何度か受験しました。結果は3-3.項でまとめてありますが、一年前(2023/3/5)に受けた時はL455/R395/T850でした。
備忘録は2回ほど書いたので、n=1の勉強方法サンプルが欲しい人はご覧ください。
3-3.結果……L405/R400/T805
というわけで、点数が伸びるどころか落ちました!!!!
これまでの結果をグラフ化したのが以下の画像です。
なお、公式によればこの点数はCEFR B2レベルのようです。こうやってまとめてから気づきましたが、大学生で初めて受験したときはB1レベルだったのですね。まあ、この頃はスピーキングとライティングはほぼノータッチでしたが……。
3-4.考察
今回、Part2まで全く集中できませんでした。なので、リスニングの点数が下がったのは納得です。
意外だったのはリーディングです。今までの試験では、最後5問10問程度は時間が足りず、塗り絵のような状態になっていました。それが、今回は初めて時間に余裕をもって全問解ききることができました。なので、感触はとても良かったのですが、実際には微増(+5点)でした。このことから、英文を読むスピードが伸びたのではなく、ただ雑に読んでいるだけだということが浮き彫りになりました。
4.Duolingo English Test(DET)受験
これについては、そもそもご存知ないかたが多数な気がするので、まず試験そのものの紹介をします。
4-1.DETって何?
雑に書くと安い・短時間・いつでも受験可能なTOEFLです。
もう少し詳細に書きます。海外留学などで用いる資格だと、有名なのはTOEFLやIELTSです。以下にあるように、TOEFLは1960年代、IELTSは1980年から始まったそこそこ歴史のある試験です。それに対し、DETは2016年開始なので、かなり後発です。まあ、Duolingo社自体が2011年に設立されたようなので、当たり前ではありますが。
公式によれば、受験のためにパスポート・運転免許証・顔写真付き身分証明書のうちいずれかが必要です。マイナンバーカードでも受験可能です。
4-2.DETの良いところ
そんな超後発なDETですが、近年になって爆発的な人気を博しているそうです。受験者数は明示されていないので直接比較することはできませんが、公式ブログによると世界中の5000校以上もの大学で正式に導入されています。加えて、この数字は2020年の倍なので、今まさに人気を博している資格と言っていいでしょう。
また、Duolingo English Test 総合対策という本にDuolingoの関係者(Carrie Wangさん、役職がHead of Global Growthでいまいちわからないがメディア露出は多い)のコメントが掲載されていますが、それによると名門大学の多くで採用されているそうです。
そんなわけで、日本でありがちな誰が活用してるんだかわからないorごく狭い界隈でしか使われない資格というわけではなく、だいぶ世界的に用いられる英語資格のようです。試しに公式HPから日本の大学で検索しても、それなりにヒットしました。
加えて、試験時間が短く、費用が短時間です。面倒なので、わかりやすくまとまっている画像を拾って掲載します。
時間は約1時間半で、その結果も2日以内で帰ってきますから、TOEFLやIELTSの半分以下です。費用はUS$59なので、平気で3万円程度奪ってくるTOEFLやIELTSに比べると極めて安価です。
なお、上記のUS$59はテスト1回分の料金ですが、2回分まとめて購入する場合はUS$99です。お得なように見えますが、有効期限は購入後or最後に受験してから21日と短めになっています。腕試しをしたいだけなのであれば1個だけで十分です。私は2個買ってしまったので、有効期限のあるうちにもう一回受けようと思います。
4-3.DETの悪いところ
不正対策が厳しすぎることと、まだ知名度が足りないことです。
不正対策が厳しすぎる
PC上で試験するのですが、常にWebカメラとマイクをONにする必要があります。ここまではいいのですが、イヤホンも禁止されます。単身世帯じゃないと若干面倒ですね。
また、不正の検知が異常に厳しく、何かした覚えがないor些細なことでテストが無効になります。筆者も2回食らいました(目を離しすぎ、事故でマウスが枠外に行った)。ある人は5回連続で弾かれたとのこと。
その場で試験が強制終了するタイプならまだラッキーなほうで、内容によっては、結果が出るタイミング(約48時間後)に初めて無効と言われます。そうなるともう一度受験しないといけなくなります。結局のところ、1発でクリアしない限りは余計に時間がかかることになります。なお、無効になったとしても何度かリトライが効くので、お金が無駄になることはありません。前述の人のように5連続で食らうと、改めてテスト代金を払う必要があるそうですが……。
知名度
人気が高まっているとはいえ、TOEFLやIELTSはにはまだ負けます。TOEFLは、少なくともイギリスとオーストラリア内にある全ての大学で使えるとのこと。
また、DETは日本での知名度がかなり低そうです。先ほどnote上で検索した限りだと、TOEICで調べてヒットする記事は1日で40件は投稿されたのに対し、Duolingo English Testは0件です。1か月以内でも16件です。雑に計算すると75倍もの差がありますね。ちなみに、TOEFLは1日で8件でした。
加えて、対策本も希少です。日本語の本で出版されているものは「Duolingo English Test 総合対策」だけです。電子書籍を含めても3つしかありません。洋書を含めてもAmazonだと22冊しか出ませんでした。
ちなみに、私はその「Duolingo English Test 総合対策」を購入して対策してみました。Duolingoの問題形式にちゃんと対応しているのもさることながら、英語の総合演習本として結構優秀です。思ったより演習問題がありましたし。
欠点は、それでもほかの英語資格対策本に比べて割高かなということ。あと、Interactive Listeningのレイアウトがいまいちなことです。問題の回答が同じページにあるのは勘弁してほしい。気になる人は、実物を見たりAmazonのレビューを見たりしてください。
4-4.結果……110点
この点数はTOEFL iBTだと76〜81、IELTSだと6、CEFRだとB2に相当するようです。CEFRはTOEIC L/Rと一致していますね。
ETSがまとめている「英語圏の大学基準スコア」を見る限り、TOEFL 80点もあれば半数以上の大学で要件を満たすっぽいです。
では、肝心のDET 110点だとどうか?公式リストには要件までは掲載されていませんが、有志がまとめたものだと半数くらいは行けそうな雰囲気です(ex: US, UK, Europe)。英語で会話する機会はほぼ存在しませんが、一応留学しようと思えばできそう。
4-5.考察
スピーキングの絡むConversationとProductionが低く、絡まないLiteracyとComprehensionが高いので、スピーキングの練度不足が如実に出ましたね。ただ、総合110点におけるConversationの中央値が100、Productionが90なので、もともとこの二つは低く出るのかもしれません。いずれにしても平均以下であることに変わりはないのですが。
残りの3技能(リスニング、リーティング、ライティング)については、リーディング×スピーキングの評価項目がないのでよくわかりません。Conversation(聞いて話す)よりProduction(書いて話す)のほうがわずかに成績が良いので、リスニングよりライティングのほうができる人なのかもしれません。
あと、これは結果からわかったというよりは対策本をこなしてわかったことですが、短時間でライティングすると文法のミスが頻発することもわかりました。
2-1.項で挙げた工業英検2級は文法ミスがご法度な試験ではあるのですが、点検に長い時間をかけられます。それに対して、DETは1問あたり90秒~5分という短時間で記述することを求められます。なので、冠詞・三単現・時制の誤記が多発しました。いわば、宣言的知識はあれど手続き的知識はない状態です。まあ、その表現だとスピーキングは宣言的知識すら怪しいレベルですが……。
5.二つの結果から見る考察と今後の対策
5-1.考察
そんなわけで、2つの試験からわかる現状の英語能力をまとめると、以下の通りです。
CEFR B2レベル
スピーキングが弱い
リーディング、リスニング、ライティングは同程度
リスニングよりライティングのほうが上手かも
2年前に書いた記事で「自分の場合だとCEFR C1レベルには1,250時間不足しており、1日30分勉強すると7年弱かかる」という考察を行ったことがあります。ざっくり勉強ノートを見る限り、ここ2年くらいの英語の勉強時間は、1日30分のペースを守っていそうです。
「結構勉強したし、CEFR C1レベルにもうなってるんじゃない!?」と自惚れていた節もありますが、そのレベルにはあと5年くらいはかかる計算ですね。まだまだ道は遠そうです。
5-2.今後の対策
リスニング
最近サボりがちなので、とにもかくにも量をこなす。リーディング
精読が出来ていないので、量より質を求める。一度読んで終わりにせず、ちゃんと理解が出来ているか?文章を基にChatGPTに問題文を作ってもらい、回答を心掛ける。あるいは、ライティングの練習がてら、内容を英語でSummarizeしてみる。ライティング
書いてから見直すのではなく、書いている間でも文法事項に注意を払う。そもそも量をこなせていないので、とにかく書く。スピーキング
独り言を話す機会を増やす。話しっぱなしにせず、時折ELSA Speakなどでフィードバックをもらう機会を作る。興味ない他人との会話が苦痛でなくなったら英会話教室に行く。
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