アート解説する美術商―美術紫水

mitsuki oboro. 銀座のギャラリー、オルタナティブスペース美術紫水の代表。…

アート解説する美術商―美術紫水

mitsuki oboro. 銀座のギャラリー、オルタナティブスペース美術紫水の代表。アーティスト。質問等はこちらにどうぞ→ https://x.com/100degrees_tea?s=21 美術紫水→https://twitter.com/bijutsushisui

最近の記事

全ての理論・理屈は正しくない

理屈が通っていること、理論的に正しいはずだということをよく考える人に向けて書きます。 全ての理屈や理論は正しくない、つまり全ての正しさは正しくないのである。 まず、あらゆる人間にとって、他人の正しさなどどうでもよいのです。 どんなに素晴らしい理論を立てたところで、その正しさは自分の中でだけ成立した正しさであって、自分以外の全ての人にとっては全然正しくありませんし、そもそも興味もありません。 ゆえに、正しさで物事を考えること、理論や理屈で物事を考えることはとても危険です。

    • 『価値が有る』とは『遠い』ということ

      意味というのは、比較の結果あるいは関係性の結果である。 時間的な遠さ、歴史の深さみたいなものから意味を語ることは出来ない。 だがその一方で、価値というのは意味のように、見出すことは出来ない。 人間はある時点における複数の事物の差から意味を見出すけれども、同じ方法では価値については推し量れない。 価値はむしろ、構造主義が意味作用の理論に達する方法としてはすっかり否定してしまった、時間的な深さ、通時的な方法によって見出されている。 ここで少し人類学的な要素を取り入れるが、アマゾ

      • AIのアート解説に説教してみる『現代美術とは何か』

        最近AIを試しに使ってみるようになった。 そこで、AIと人間の答えにどのような差が出るか見てみようと思った。 まずはAIのアート解説を載せる↓ AIが解説する現代美術 現代美術は、20世紀後半から21世紀にかけての美術の流れを指します。伝統的な美術の定義を超え、多様な形式やメディアを用いて表現されることが特徴です。以下に、現代美術の特徴や動向のいくつかを挙げてみましょう。 多様性と実験性: 現代美術は様々な形式やアプローチを探求します。絵画や彫刻などの伝統的なメディアに

        • 【優しいアート解説】「分かる」とは「分からなくなる」ということ

          【今回の難易度 ★☆☆☆☆】 同じ内容の難易度3バージョンはこちらから! 分かるとは、「分かるようになった」と感じる状態になることではありません。 分かるとは、「あれも分からない、これも分からない」と、分からないことが増えるということです。 【アート解説序章】分かるとは何か世界は、分からない。 私たちは、日々いろんな物事を分かっていると思っています。 そして、それらが全て正しいという設定で生きています。 例えば地球が丸いとかです。僕は陰謀論者ではないですが、丸い地球を

        全ての理論・理屈は正しくない

          【アート解説】『分かる』とは何か?【歴史の重要性】

          【今回の難易度 ★★★☆☆】 同じ内容の難易度1バージョンはこちらから! アート解説を書くにあたり、ある物事について全く知らない人に対してどのようにそれを説明したらよいかという「説明の方法」を考えた結果、予め解いておかねばならない誤解に直面した。 誤解は教える側と教わる側の双方にある。 ・教える側の誤解 分からない人がどのような誤解の上に立って我々の言葉を理解しようとしているかを分かっていない。 その結果、一方的に知識や思考や、パターン化された思考方法を陳述することで

          【アート解説】『分かる』とは何か?【歴史の重要性】

          文章は鯖より足が速い

          昨晩書いた文章が、今朝読み返してみると気持ち悪くて仕方がないのである。書かなきゃよかった。 そうなる前に、公開すべきである。言葉は魂の抜け殻なんである。言葉なんてものは、そう気負わずに、夢中で描いたらエイッと公開、あとは知らん顔。 それくらいが丁度いいのかもしれない。

          最近、美術展示を作る時に考えること

          ギャラリーをやってるので、美術企画にいつも頭を悩ませている。 有意義な展示というものは実に少ないと思う。 ただ自分が好きなものを並べ立てたり、売れそうなものを並べるだけの展示を作ることに激しい抵抗があり、それはあまりやらないようにしてきたが、 最近オルタナティブ活動と称して思想的な活動を分離したため、 今後は考えすぎないで、自分の好きなものを好きなように並べて、フィーリングで展示を作る回も設けてもいいと思った。 普通に「好き」とか「フィーリング」でやる回があるべきだと思った。

          最近、美術展示を作る時に考えること

          アート解説を始めた理由と、ギャラリーの新たな責務

          最近ずっと、ギャラリーの人間として、何を仕事としてやりきるべきかということに悩んだ。 美大卒でもない僕は「アートってなんか面白そうだな」と安易な気持ちでこの世界に立ち入った。で、美術と向き合い始めてから、実はアート界は虚飾に満ちていたということが判明するまでに時間はかからなかった。僕は自分がどうしたらいいのか分からなくなってしまった。 単に美術品を売っていくだけでは、絶対に解決できないであろう山積みの問題があった。 まず僕は、ただ売るだけでは、むしろ人々を騙しているかも

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