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【1000円劇成功への道のり①】企画書全文 最高の俳優陣、スタッフ陣がオファーを受けてくれたわけ

1本1000円で演劇を打ちます。普段は6000円以上のチケット代で主演をやっているような俳優たちとです。すごく大変なことをしようとしています。ただ、その大変さはなかなか伝わらないのではないかと、
創作に手を抜いているのではないかと思われるような気がして、
まったくそんなことはなく、むしろかなり本気で取り組んでいるのでそれをお伝えすべく筆をとった次第です。

激務の中必死で書いているので文章としてあまり推敲できていないものをこのnoteではお届けするかもしれませんが、その生々しさも楽しんでいただけましたら幸いです。

まず、この企画は「私の夢への第一歩である」ということをお伝えしたいです。「気軽に、あらゆる人が(金銭的に恵まれた人たちだけではなく)、日常的に演劇を見ることが苦痛にならない」という空間を作るのが私の夢です。だから今回の金額設定は激安ですし、やる側に悲しいかな多少の負担はありますが、それを承知で私の作りたい空間に賛同してくれたのが汎愛奇譚集の仲間たちです。またこの企画をみんなお祭りみたいにとっても楽しんでくれています。
今の時点ですでに、大大大好きな仲間です。

この①のnoteでは、みんながどんな趣旨に賛同してオファーを引き受けてくれたのか、企画書の文章を全文公開します。お読みいただければ、今回のコンセプトをお客さまやご検討の方にもご理解いただけるのではないかと思っております。
まさか外に出すとは思っていなかった文章なので生々しい箇所はありますが、またそれも楽しんでいただけましたら(2回目)

企画意図


2023年3月に『幽霊塔と私と乱歩の話』という作品を木村美月の企画で上演し、ますますフィクションの魅力に取り憑かれるようになりました。私にも描ける物語があるのではないかと希望を持ち、意欲的に企画を続けていきたいと考えた中でハードルに感じた点は、やはり悲しいけれど金銭的な問題でした。そしてお客さんにとってもチケット代を払うこと、演劇が行われる場所に足を伸ばすこと、その日のために数時間作ることはかなりな労力で……友人にでさえ「観に来て」声をかけることを躊躇ってしまう瞬間があります。で、今回の企画は最低料金1000円で30分程度の芝居が気楽に観れて、すぐ帰れて、またすぐ来れるような、イージーリスニングならぬ「イージーシアター」が展開できたらどうかと考えたのです(もちろんやる側にとってもなるべくイージーにしたいんですけれども)。ぜんぶ観たら90分で3000円で、インターバルに何か流したり催したり(投げ銭)、お持ち帰りいただけるようなものも多めにして実質的に金額は積み上げたいのですが…!とにかく最低を1000円にしたいと。これはあくまでも理想であって、もちろん話し合いは必要だと思っています。
ただ、そういう意図で、通常の劇場公演ではできないことをやりたいというのが今回の企画です。

内容について


村上春樹の『東京奇譚集』を、たしか中学生の頃読んだなとふと思い出しました。ハルキストではない私ですが、この本をぼんやりと読んだことはすごく不思議な良い記憶となっていて、直感的に「今回はこういうことをやりたい」と思いました。「奇譚集」と言われるものをいくつか読んでいるうち、なんとなく特徴が掴めてきました。フィクションであるというはっきりとした実感を読者に与えながら、なぜかノンフィクションめいた説得力を持って語られているんですよね。この特徴がとても面白いと思っていて、不思議な話であればあるほど説得しようと熱がこもる作家の筆の感じが、演劇的に展開できるんじゃないか、演劇と相性良いんじゃないかと今回のテーマに至りました。
「汎愛」というのは「分け隔てない愛」で、博愛ととても似た意味です。18世紀の中ごろ、汎愛主義という教育思想がドイツで生まれ、少しだけ実践されたみたいです(これから急いで勉強します)。私は好きな言葉の響きを探していて、「ああ、そういえばハンアイって言葉はないのかな?あったら綺麗だな」と辿り着きました。そういう偶然もあって、「分け隔てない愛」と「ちょっとおかしな、嘘じゃないみたいなまるっきり嘘の話」を組み合わせた作品を3つ描きます。拙い文章で失礼いたしました。

いかがでしたか?
この文章でオファーを受けてくださった方々は、なんて勇気があるんだろうと思います。

次回、②に続きます。これは「成功への道」ですからね!
絶対成功させなければなりません。ワクワクします。

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