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いいただいたお題でnote⑦美月ちゃんの好きな曲「世界が終わる夜に」


この記事を書くのは2回目で、私はようやく書き上がった時に思わぬボタンを押してしまってせっかく書いた文章は全消去、結構良かったのになあ。私しか知らない幻の文章となってしまった。もうこの世に蘇ることは一生、2度とない。ああ、生まれては消えてゆく儚さ。細かいこと言ったら今日食べた料理だって全く同じものは2度と食べられないわけで。そんなことだらけのとほほのほ。

中学生の頃金子(女の子)というクラスメイトがいて、チャットモンチーの「世界が終わる夜に」という曲をテーマに小説を募集してるからみっちゃんも書こうよ、と誘ってくれたのだった。金子はスクールオブロックというラジオ番組の熱心なリスナーで、私ん家は電波が悪くラジオがうまく入らなくて聞けなくて悔しかった。金子が楽しい楽しいと言ってそのカッコ良さそうなラジオを聴くので羨ましかった。金子は私の文化的な恩人だ。作家のいしいしんじさんを教えてくれたのは金子だった。特に何かあるわけではなくても、私が楽しかろうが悩んでいようが「みっちゃんは面白いから良い」と謎の許しをいつもくれていた。

元々チャットモンチーは好きで、初めてMステで「飛び魚のバタフライ」を聴いたその日からわりと夢中になっていたし「世界が終わる夜に」もそらで歌えていたから体に染みていて、書きたいこともあった。私はお兄ちゃんが書きたかった。

私にはお兄ちゃんがいなかったけれど欲しかった。ある日突然自殺してしまったお兄ちゃんを信じ続ける妹の話。これが、私が遊び以外で真剣に原稿用紙に書いた、はじめての小説みたいなものである。浅黒く、よく動いて無邪気で、才能があるのだか馬鹿なのか分からない、とにかくアイディアマンで悪戯好きのお兄ちゃんだった。目がよく光った。性格的には暗いところもあったのかもしれないけれど妹には見せないからよく分からない。かずくんという名前だった。(妄想だけれど、、、笑)

いまだにかずくんは私のカッコ良いお兄ちゃんで、なんだかどっかにいる気がする。きっと私を守ってくれているのだ(妄想だけれど、、、2回目)

夕方に家に帰って、机のある部屋に篭りきりになって夜中の2時くらいまで書くというのを3日くらい続けて短いのを書いた。金子は律儀に応募して、私は出来上がったものをそのコンクールに出さなかった。結局出さなかった。まだ実家にあるかな?よく分からない。

最近世界が終わりかけているような変な時間をみんなで共有しているようで、こうやって時代は変わってゆくのだろうか、この前いたところと地続きではないような気がする。時間が、プツリと途絶えてまた次の時間に入ってしまたようである。ついこの間、平和に喫茶店に行っていた頃が昔のようで、時間とはこういうものなのかもしれない、ある地点でぐにゃりと曲がったり歪んだり途絶えたり新しくなったり、意外とそういうものなのかもしれない。

ラオス人の友達は、食料品が高いからと言って最近は食べ物を買わず、近くのビーチまで降りて大量の虫を捕まえて、焼いて食べて毎日神に祈っている。30歳くらいで、奥さんがいて子供も3人いる。信仰深い、目を輝かせた彼にこれからも毎日良き時間が訪れるよう、私も祈る。

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