Uターンで失敗しないために

Uターンで失敗しないために

[ Vol.005 ] (3305文字)

前回の投稿で若い人たちが地方に戻ってこない理由として

1.地方に受け入れてくれる雇用の受け皿がない
2.都会の方が面白い ⇔ 地方が面白くない
3.都会の方が便利 ⇔ 地方が不便
4.地方の慣習が嫌

ということを挙げましたが、それぞれの問題について次のような解決策を考えてみました。

1.受け皿を探さずに自分の力で生きるビジネスモデルを持つ。
2.年に2〜3回は無理やりでも東京や海外に行く。
3.(ハー)ド田舎に住まない。
4.郷に入っては郷に従う。


1.受け皿を探さずに自分の力で生きるビジネスモデルを持つ。

正直言って地方には有能な人材を受け入れてくれる器はないです。
なので自分の力で生きられるビジネスモデルを考えないといけません。

とりあえず実家に帰って就職先を探すなんてことは論外。

自分で商いをするとしても、例えば「田舎で野菜を作って生きる。」という安易な考えで地方に戻っても大変なことになります。

地方の道の駅などで売られている野菜は、年金暮らしの熟練した農家さんが利益なしのサービス価格で提供されています。まさに超高品質・超低価格。その達人たちを相手に素人が勝負をしても勝てないのは分かり切っているはずなのにそれで上手くいかずにやっぱり田舎暮らしは大変だと言って戻っていった人もいます。それで山口県を嫌いになってもらっても正直困るんだけどね。。。

一方、同じ野菜作りでも成功している人もいます。

その人たちは前職で学んだであろうブランディングやマーケティングの知識を駆使して自分なりに「田舎で農業で生きていくビジネスモデル」をとことん考えています。それは、ともすると野菜作りより時間を費やされています。

玉ねぎやトマトなどをつくる → 道の駅で売る。

では競合相手が強すぎて当然厳しいので、例えば

珍しい野菜をつくる → 田舎は使う人が少ない、、、から、
→ 自分でマルシェイベントを開いて数少ない感度の高い人に来てもらう + 全国へのネット宅配野菜販売

といったような、競合相手である年金暮らしの野菜作りの達人たちがやらない方法を考えないと勝てないのです。

今はインターネットがあります
じんわりと世の中に馴染んできたので実感が湧きにくいけど、これは革命的技術です。そういう将来の歴史の本にも間違いなく記載されるであろう革命の真っ最中にも関わらず、地方ではまだ有効活用されていないのが現実。
若者が地方で暮らすのであればこの革命的手段を使わない手はありません。ある意味、技術も人脈も少ない若者の唯一の武器と言ってもいいでしょう。

人と違うことをしてインターネットを使って効率的に発信する。

野菜はあくまでも一例であって具体的なビジネスはそれぞれあると思うけど、今の時代のUターンで生きる道は基本的にこれです。

まぁUターンじゃなくてもそうなんだけど、変な人がいっぱいいる都会で「人と違うこと」をしようとすると「本当に変なこと」をしないといけないのですが、田舎だと都会や海外での成功事例が多数あるようなかなり確度の高いビジネスモデルであっても「人と違うこと」になり得るというのがポイントです。世の中に無かった先進的なことをしなくてもいいのです。

なので、田舎に来る前からツイッターやインスタのフォロワー数を増やすといった発信力を予め鍛えておくことは、自分のビジネスモデルを考える前にでも少しずつやらないといけないことなのかと思います。


2.年に2〜3回は無理やりでも東京や海外に行こう。

都会の方が刺激が強いのは明白です。
でもそんな刺激1年に2〜3回で良くないですか?充実した緊張感のある刺激を得るためにはそれくらいがちょうどいいです。
そもそも、都会に住んでいても日々の生活は案外地味なもんですから。
とはいえ、全く都会に行かないというのはやはり感覚が鈍るし、スピード感を失います。

ぼくの場合、大学を卒業してから10年間東京に行きませんでした。
それは「次に東京に行くときは仕事で行く!」という謎の自分ルールを決めてたから。10年かかってようやく仕事で東京に行けた時は嬉しかったけど、もし定期的に東京に行ってたら5年で出来たことだったんじゃないのかなとも今は思います。

あとは海外も大きな刺激になります。異文化を体験することによって得られる経験値って想像以上です。

ということで、自分のつくるビジネスモデルに予め年に数回は東京や海外に行く仕組みを無理やり組むことをおすすめします。


3.(ハー)ド田舎に住まない。

地方とは言っても、市街地とド田舎があります。市街地に住んでいれば正直それほど不便ではありません。問題はド田舎なんだけど、ド田舎も(マイルド田舎と(ハード田舎があって、ハード田舎、いわゆる限界集落とも呼べないような田舎は本当に大変です。
これはたぶん、想像以上。
冬の寒さ、夏の暑さ、虫の多さ、動物の多さ、灯かりの少なさ、移動の不便さ、各種インフラの貧弱さ、ひと気の少なさ、、、どれをとっても想像以上。
マイルド田舎に住んでいるぼくたちでさえ厳しいと思うくらいだから、都会暮らしをしてきた人にとってはかなりショッキングな生活になるのは間違いないです。
なのでそういう「ド田舎」にあこがれていてのIターンをしたい人達であっても、最初からそういう場所には住まずにもう少しインフラの整った場所に住んで時間をかけてド田舎を体験した方がいいと思います。


4.郷に入っては郷に従う

ハード田舎の場合はそもそも近くに住んでいる人もいないので現実的に慣習とかないです。ただの孤立です。
地方の慣習については、逆にマイルド田舎の方が大変です。ただ、こればかりはすごく身もふたもない言い方ですが「郷に入っては郷に従う。」これしかないでしょう。
地域の人たちとのつながりはそこに住んでいる以上、なくてはならないものであって、むげにしてはいけません。
どうしても納得のいかないルールがあるのであれば自分で変えていけばいい。一人当たりの発言力が強い田舎なので、うまくやればルールを変えていくことはある程度できます。
でもそこに労力を使うくらいなら自分の事にもうすこし注力していった方がきっと効率的。
地方の慣習は大変ですが、「なんてことないこと」と割り切って地元の人と付き合っていくのが最善策かなと思っています。全く解決策にはならないけど。。


ぼくたちは魅力的な移住者を歓迎します!

都会に疲れたから、満員電車が辛いから、物価が高いから、といった理由で地方に来ていただくのは大変ありがたいことですが、地方は地方で大変です。
達観して自給自足で生きていく仙人のような暮らしをしたいのであればいいですが、生きている以上どうしても経済的に弱すぎる立場になってしまうと辛いし人生は長いので初心を貫くのは難しくなると思います。

せっかくUターンなどで人生を一度リセットしたいと考えているなら、他人任せではなく、しっかりとした自分のビジネスモデルを持って、やりたいことを計画的かつ継続可能な方法で考えて自分の力で何とかする方法を考えて地方に来てもらいたいと思います。

そしてぼくたちローカルの住民は、そういう都会で得た先進的な思想や技術とスタイルをもっている人たちを心から歓迎するし、色々と教えてもらって一緒に成長していきたいと願っています。

のんびりとした地方にいながら都会の人たちに負けないような事業と経済的活動をして、たまに都会を楽しんでまた地方でのんびり暮らす。

そういう暮らしをしていけるようなまちになりたいし、受け入れるぼくたちももっと魅力的なまちにして迎い入れないといけないなと思います。


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山口県への移住を検討している方へ。

山口県へのUターンを考えられている方がいらっしゃいましたら、是非以下のサイトをご覧ください。

山口県YY!ターン支援サイト
 http://www.ymg-uji.jp/

やまぐち暮らし東京支援センターhttps://www.furusatokaiki.net/consultation/yamaguchi/


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