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Stones alive complex (Iris quartz)

プリズむハンターズムーンの虹彩が射抜き、地殻のマグマが持ち上げようとしてる球形の大地では、狩る側が狩られる側になってゆく。

ネコの足音ほどの振動をたてて、着実に歩む人類史上最大の狩り。
人の集合無意識に影響を与える機能を獲得した、疑惑の惑の蠱毒。
心臓を永遠に保管できるファラオの壺は、遺伝子コードのマトリックスに刻印されてたが、クラインの壺みたいなもんに変えられ狩られてしまう。そこから愛よりも魂よりも尊いものがダダ漏れてる。

天使で例えるなら。
いやもしかして・・・例えじゃなくない?のかもしれないが・・・
完全に相反するコンセプトで対峙しているルシファーとミカエルにも、主義が合致している戦略が明らかになってきて。
どちらが狩る側で、
どちらが狩られる側なのか?
そのテーゼ、アンチテーゼはさておき。
合したジンテーゼに従い、
ルシファーとミカエルは互いを狩りあうと同時に、共通する別の獲物をも狩っていた。
ネコの爪に似た両者の極細の剣は目標数に達するまで、何本でも入荷できる。

狩られてる側は、狩られてることをまだ知らない。
そして、狩られてしまった部位は、人智の範疇を超えたものだ。超えてるのだから、因果関係なんぞ証明しようがないという、じみた言い訳。

たとえ暗闇が10日間続こうとも、
その情報の輝き無き好機こそ、
対抗と共同の狩りは続く。
月明かりが地面に幻燈させるネコの影くらいの隠密さで。
愛よりも魂よりも尊いオリジナルのマトリックスを賭けあって。
新しい暦の陽へ至る、夜明けを賭けあって。

ハンターズムーンは、素人には足跡を辿ることしかできない残像。狩人の刻が、おおやけに獲物を掲げて放送してくれない限り。

(おわり)

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