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【わたしの心の中の5人の子(1)】はじめに

エゴグラムとは、エリック・バーンの交流分析における自我状態をもとに、弟子であるジョン・M・デュセイが考案した性格診断法で、人の心を5つに分類し、その5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフにしたもののことである。
バーンの交流分析におけるP(親)、A(大人)、C(子ども)の「3つの自我状態」をもとに、弟子であるジョン・M・デュセイがより細かくCP、NP、A、FC、ACに分類し、人の性格を診断する方法としてエゴグラムを考案した。

エゴグラム - Wikipedia


 
最近、私の頭の中に「エゴグラム」の5人の自分の分身が住むようになりました。
 
最初のきっかけはある日、希死念慮を慢性的に抱えている私の頭に、またいつものように『死にたい』の気持ちが思い浮かんだ日のこと。深刻なものではなく「元気だけど『死にたい』がある。こいつは何なんだ…」と考えていました。
そんな時、ちょうど当時読んだ本に「心の悩みはキャラクターにして名前をつけてあげると、ちょっと自分から切り離して客観視できるよ(心の問題の外在化)」という内容が書いてあったことを思い出して、スケッチブックとペンを取りました。この時にできたのが、ヘッダーの女の子。希死念慮の「念慮ちゃん」です。
「念慮ちゃん」が生まれてから、私は少し『死にたい』の気持ちとの向き合い方が変わりました。『死にたい』と思うと「念慮ちゃん」がテトテト出てくる。それだけで癒されて悩みがほどけていく。
そして何より、私は「自分のために悩む」ことが苦手だったのですが、「念慮ちゃんはなぜ『死にたい』と出てくるのだろう」と思うと「自分のこと」だけど「念慮ちゃんの話」として、少し「自分」から外して冷静に、かつ楽しく悩むことができるようになりました。

 

こうして希死念慮が浮かぶたびに「念慮ちゃん」を観察する生活を続ける中で、私はだんだん「この子が『死にたい』と思うのは、周りのいろんなことを過剰に引き受けてしまう『やさしさ』からではないか」と思うようになりました。
その時ちょうど、リワークで聞いたのがエゴグラムの話です。「そうか、念慮ちゃんはエゴグラムの中でも私の『NP(寛容な親)』の悩みの子なんだ」そう思うと、何か納得できるものがありました。そして同時にその時過去を振り返ったら『CP(厳格な親)』や『AC(適応する子供)』の子もいるな、と思ったときキャラクターがどんどん増え、今ではエゴグラムの5つの属性に一人ずつのキャラがつくに至りました。
悩み事や後ろ暗い気持ちがあると「今あの5人の子たちはどの子達がどんな気持ちで悩んでいるんだろう」と思うようになり、より自分の気持ちを客観的に見られるようになった気がします。何より5人の子どもたちが私の心の中でワチャワチャ喧嘩しあったり慰めあったりしていて気がそれる。それがまたいい。
 
このお話は、私が作ったそんな5人のキャラの紹介を通して、エゴグラムに対する私の解釈をまとめたものです。そして、あわよくば、皆さんの心のなかにも似たような5人のキャラクターを住まわせてもらえると良いな、と思いながら記します。
私のイメージと同じ5人を住まわせていただけるのも光栄ですが、エゴグラムのパラメーターや中身は人それぞれです。皆さんの心の中の5人はきっと私と違う姿形をしていることでしょう。
もしよかったら、私の5人を参考にしつつ「自分の心の中の5人はどんな子たちだろう?」と読んでいただけるとより良いと思います。
 
何より、きっとその作業は楽しいですので。

それでは早速、次の記事は私の5人の紹介の話です。
https://note.com/miuchinoyota/n/ne0075ed260d5 


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