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『テクニックだけ』のWS&舞台『屋上庭園』稽古見学

ご無沙汰しております。三浦葵です。
すっかりお久しぶりのnoteになっちゃったな。


最近のあれこれ

しばらく「自分自身が演じる」ということから遠ざかっていた。

avenir'e 3rd create『#VALUE!』ではオペスタッフとして、演じるつもりでやていたし、1月にある明後日の方向の稽古にちょくちょく参加はしていたけれど、なんていうんだろう、演技というものにどかーん!と対峙するのは『大人の付き合い/紙風船』が最後だったように思う。

自分が舞台に立つ姿が想像できなくなっていた。
そうなると私は本当にお芝居が好きなのかしら?となってしまう。なんと脆い私の思考…しょげ…

というわけで、10月はいろんなワークショップに参加したりオーディションを受けたりしています。もちろん明後日の方向の稽古もね。
これが楽しく仕方がない。カラカラに干からびていたものが水分を吸ってぷるぷるになっていく感じ。結局演じるということを求めているのだな私は。

今日は参加したものの中から、昨日行った『テクニックだけのWS』&『屋上庭園』稽古見学について書こうと思います。と言っても自分の備忘録みたいなものなのでしっかりまとまってはいません。私の足跡でございます。よかったらお付き合いくださいね。


あ、最初に私の出演情報を

本編(?)の前に私が出演する舞台のお知らせをさせて頂きます。

こちらは仮チラシ。
出演者、大川翔子さんから寺村恵理加さんに変更となりました。

明後日の方向:行き先を探すための公演#3
『赤目』『長い墓標の列』

2023劇作家協会プログラム
期間:2024年1月11日(木)~1月18日(木)※各作品6ステージを予定
会場:座・高円寺1

明後日の方向:二本立て公演
斎藤憐『赤目』  
福田義之『長い墓標の列』   
演出 黒澤世莉

【キャスト】
小川結子,加古みなみ,蔭山ひさ枝(from静岡),上条拳斗(from福岡),國松卓,小松有彩,高田遼太郎,寺村恵理加,富田文子(from福岡),野崎詩乃,野村亮太,ばばゆりな,ヒザイミズキ,ホリユウキ,三浦葵

地方在住の俳優や、お子さんがいらっしゃる俳優も多くいます。どんな状況でも一緒に演劇をやることをあきらめない、そんな道を模索している団体、『明後日の方向』。
個人的には座・高円寺に立てることにドキドキ。
もう少し先になりますが、観劇のご予定に入れてもらえたら嬉しいです。


さて本編。『テクニック』だけのWS


◼️『テクニック』だけ…?

avenir'eメンバーの大原さんがファシリテーターを務める『テクニックだけのWS』。
テクニックと聞くとなんだかちょっと上っ面?なイメージを持つ。もちろんとても大事なものではあるのだけれど。
だが上っ面なんてとんでもない!このWSでは「役としての生き方」の源になるものを知ることができた。

◼️事実を探してみよう

今回のWSで扱った戯曲は岸田國士の『屋上庭園』。
事前に、ある共有解釈を元にして、それぞれの登場人物が知っている「事実」を探そうという課題が出ていました。

事実だけを見つけるって意外と難しい。
自分の解釈が入ってきたり、登場人物は嘘をつくこともあるから。
そういうとき、「○○は~~であることを知っている」ではなく「○○は~~であると”言っている”ということを知っている」という見つけ方をするのが一つのテだ、っていうのが個人的に大発見だった。

◼️事実=絶対

この考え方が私にはとてもしっくりきた。

戯曲を読むのが得意ではないと感じている私は「これは事実なの?解釈なの?うわーん頭がごちゃごちゃ!!!」となってしまうことが多い。でも「事実=設定」と聞いたらなんだかとてもシンプル。「あおいは髪が短い」「あおいは白いTシャツを着ている」みたいに(屋上庭園のことはネタバレになってしまうので伏せました)

◼️欲求!!!!!!

事実を見つけたら、そこから「役は何を求めているのか」=役が持っている欲求を探していく。この欲求が役として生きるために最重要だ。
この欲求とは、「その人物には何が欠けていて、何を満たしてあげたら幸せになれるのか」というものだと考えると私はとても分かりやすくなった。たとえばその人は楽しい時間を過ごせていなくて、今この時間を何としてでも楽しい時間にしたい!みたいなこと。それが見つかると、じゃあ楽しい時間にするためにはどう動けばいいか、相手がどうなれば自分は楽しい時間を過ごすことができるのか、と考えられる。

とにかくその場で役が幸せになるために行動すればいいのだ。

◼️相手をよく見る

お芝居はセリフが決められていて展開も決まっていることが多いから、相手がどんな反応であろうとも進めようと思えば進められてしまう。でもそれじゃあとてもつまらない。台本だけ読んでればよくない?ってなってしまう。

欲求を満たすために、相手をどうさせたいか。それが実現できているかは相手をよく見てなくちゃいけない。相手の表情や体の動き、それをしっかり見れていると、自然とじゃあ自分はどう動きたいのかが生まれてきた。

「相手が○○だったから、自分が~~したくなった」

これが私の中でのキーワード。

◼️逃げたら試合終了です!ぴぴー!

役の欲求が満たせず、く、くるしい…という状況になると、「逃げる」という選択を取ってしまいたくなることがある。

でも、ここにさらにドラマチックに、劇的になる秘訣があった!

逃げるということは諦めるということ(もちろんこれは物語の中での、舞台上での話。現実世界とは別)。
その逃げたい衝動をも上回る強い欲求を持って、それを満たすにはさらにどう行動するか!これが相手の欲求とぶつかるととても劇的なシーンが生まれる。

これに関して、『大人の付き合い』をやった時のことを思い出した。
逃げたくなるけど、逃げてしまったら前の満たされない状態に戻ってしまう。その満たされていない状態を具体的に想像することで欲求がとても強くなったなあ、と。


研技術研究所『屋上庭園』稽古見学

WSの後、研技術研究所 avenir'e Annex vol.1『屋上庭園』の稽古見学にお邪魔しました。大原さん、出演者の皆さま、スタッフの皆さま、ありがとうございました!

↓公演詳細はこちら。


WSでやった直後に同じ作品の稽古を観れるなんて、なんと幸せなプログラム。感謝。


端的に言っちゃいますけども

格好良すぎる
ぜひ観に行ってください

なにが格好いいって。
正に劇的な瞬間が生まれまくっていたこと。

avenir'eメンバーの家入君も参加していて、「スポーツの試合見てるみたいな時間だったね」って帰りに話した。
WSで学んだ欲求と欲求のぶつかり合いが生で行われていて、先を知っているはずなのにどうなってしまうのかわからない、え、これ台本通りにいかないんじゃないの?みたいなハラハラ感がある。

そして新たな発見がひとつ。
物への価値の持ち方を強めるとさらに劇的さが生まれる!

その物は自分にとってかつてどういう存在であったのか、それを具体的にすることで、だからどうしたいのかという行動に繋がる。


◼️いいトライがしたい

役者のトライをする姿に惚れ惚れ。
なにかを決めていく稽古ではなくなにかを見つけていく稽古がしたいなと常々思っているけど、その発見の仕方やフィードバックの内容がとても素敵だった印象。

「こんな挑戦をしてみたらこうなった。次はこういう感じでやってみたい」
「こうしたらここに違和感があった。原因はこれなんじゃないか」

これを自分のフィードバックのベースにしていけたらいいんじゃないかな。それも「相手を基準にした」ものにしていきたい。よく見る&聞くということですね。

そして!トライをしていくために大切なこと!


台詞をしっかり入れる


ここまで書いてきてそれかーい!って感じだがまじで最重要だ。これは今までの経験でも身に沁みて感じている。私よいいか?分かったな?

◼️わくわく

さて、ここまで読んでくださった方はいるのだろうか。久しぶりのnote、書くの楽しかった。大変だったけど。いい感じに振り返りが出来たと思う。
今は明後日の方向の稽古に向けてやるぞ〜!という気持ちがフツフツしている。今回のWSと見学の他にもいろんなところでパワーを蓄えているから、めちゃくちゃに活かしまくりたい。楽しみ。
皆さまも楽しみにしていてくださいね。

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お読み頂きありがとうございました!

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