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みんな違うという平等。We are all difference is THE equality

メディアで話題になっているある企業に勤める男性が、育児休暇から復帰した翌日に遠方への移動を通告されたという話。納得できるような理由や話し合いもないまま会社側が指定した日付に退職をされたとのこと。これに関する記事やツイッターをチェックしてみて感じたこと。

「みんな不公平だって文句言い過ぎでは?」

男性にしろ女性にしろ育休や時短勤務をすると「不公平だ」という声が少なからずあがるようで、実際に同僚が上司に「自分ばっかり仕事して不公平だ」と苦情、上司が育休中の社員に「公平性に欠けるので・・・」と話すような実例も多くあった。

海外で長く勤務してきた中で少なくない数の人たちと一緒に働いてきたけれど、実は20年近い勤務経験の中で一度たりとも待遇について「不公平だ」とか「ずるい」という主旨の発言をビジネス上で見聞きしたことがない。

就業契約の中身は一個人vs企業であって、他人が口を挟むものではない。挟めるものではない。例えば同じ大学を卒業した二人が同じ企業に入社しても、二人の給料や待遇が全く同じとは限らない。企業として基本給を決めているところが多いけれど、同じ大卒未経験だったとしても、その人の能力や技術によって変動するし、提示された給料+2万は欲しいと交渉する人もいれば提示額をそのまま受理する人もいる。後になってから「あいつは2万多くもらってる」って文句言っても後の祭り、だって提示額のままで契約したのはあなたなのだから。

とても極端な話かもしれないけれど、過去にチームリーダーとされるポジションの人が、そのチームメンバーよりも少ない給料ということもあった。私の前職のポジションで言えば、私は年間有休日数が32日あった。勤務先企業の最大年間有休日数は28日だったので、それよりも4日多かった。なぜかと言うと私がそういう契約でその企業に入ったから。契約の際にその企業内の規定に合わせる為に「4日分の有給を3年分(12日分)買い取って臨時ボーナスとして支払うので弊社規定の有休日数28日はどうでしょう?」という提示を受けたけれど、私は12日分の臨時ボーナスよりも毎年確実にある32日という有休日数を選択した。

契約したときの状況がみんな違うのでこういうことって多々ある。そして何よりも誰もそこに公平性を求めない。みんな違うというベースこそが「公平にチャンスがある」(チャンスはやって来ない、作るもの)という前提になっているように思う。

この「みんな違うというベース」=「公平にチャンスがある」がなぜ日本人にはないんだろうって考えてみたのだけど、日本に移住して育児をする中で強く感じているのが幼少期からの「みんな一緒」という刷り込み教育。

小さい頃から、園指定の同じサイズのお手拭きタオルを使い、園指定のスモックや制服を着て、園指定のカバンに帽子。園庭で遊ぶときもお揃いの帽子などなど、とにかく「みんな一緒」を指定されることが多い。小学校に入っても色の選択肢はあれどみんな同じ形のランドセルに、帽子や制服(体操服)、鉛筆の濃さ(2BやB)や形(3角形とか6角形)まで指定。何から何までみんな一緒を強要される。少しでも違うものを持っていこうなら「違うものを持ってると喧嘩になる」とか「他の子が欲しがる」とか全く納得できない理由で、最終的には「決まりですから」とみんなと一緒を強要される。

海外でも育児をしてきたので、日本のこの「みんなと一緒」「みんなでお揃い」には正直、辟易中。海外では「お揃い」を強要されることは限りなく少ない。我が息子の場合で言えば、彼が通っていた公立校は制服(セーター指定。セーターの下とズボン・スカートは色のみ指定)と体操服があった。それ以外はカバンも帽子もコートも靴もぜ~んぶ自由だった。この制服が嫌な保護者は子どもをこの学校には入れない。制服のない学校だっていくらでもある。

みんな一人一人違うのだから持ち物に公平性を求める意味が全く分からない。「あの子はとってもかっこいいリュックで来てる」「あの子はカバンがウサギの形がしてる」でも十分、生きていける。

我が家の息子は小学生、ちょくちょく学校を休むのでお友達で「ずるい~」という子がいる。過去には近所のお母さんに「旅行で欠席されるとうちの子も同じことがしたいというので、息子さんには「旅行」だと公言しないように言い聞かせて下さい」という苦情を受けたこともある。(もちろん息子には伝えなかった)一人一人が違うように、それぞれの家庭でも違うことっていっぱいある。子どもには「公平性」を当たり前に押し付けるのではなく、みんな違うという基本を教えたいと思っている。

公平性を求める苦情の多さが、育休や時短を取得しづらい環境を作っているように感じる。

みんな違うが基本にある公平性、以前Force Majeure Leaveという記事を書いたのでこちらも読むとさらに「みんな違うが基本にある公平性」が伝わるかも。



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