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50キロの壁(108キロだった頃②)

約1年かけて108キロから52キロまで体重を落としたけれど50キロという壁はなかなか越えられなかった。

108キロだった頃に比べて「痩せなくちゃヤバイ」という気持ちは小さくなっていたし、これくらいでもいいやって気持ちもきっとあった。当時、片思いをしていた人が「あんまり細い子は嫌だ」と言っていたのも、これ以上がんばらない理由になっていたかもしれない。やりたくないと思っている時ほど、やらなくてもよい理由を探すので、40キロ台になりたいと言っているのは口だけで、きっと52キロで満足していたのだと思う。もっと痩せようよりも、日々「元に戻ったらいけない」と思って過ごしていた。何を食べるにもカロリーが気になって、美味しく食べられなかった。それなのにコンビニに行けばカロリーの高いものばかりが欲しくなる、そんな日々だった。

この頃、海外へ移住したこともあり、体重に支配される日々は一時的に終わった。終わったと言うよりも、英語の習得に精一杯だったし、何よりも海外には私よりも大きな人が山のようにいて、痩せなくちゃいけないという強迫観念が薄れた。だって海外にいれば157cm・52キロの私は「痩せている」分類に入れる。もちろん、もっと痩せている人はいたけれど、それ以上に私よりも大きい人が溢れていたから、海外基準の「痩せている」分類に入れていることは私の気持ちを楽にした。

自分の体型のせいで自信が持てない人は一度、海外に出てみるのも一つの方法だと思う。行く国によるけれど、ほんといろんな人種がいて、いろんな体型の人がいて、自分らしく生きている人がいっぱいいる。

海外で長く暮らして、改めて日本に帰ってくると日本の「ルッキズム」(外見重視)の強烈さにうんざりする。海外でも外見重視という人はいる。でも、日本のそれとは比較にならないくらい少数派。洋服のサイズの幅の展開も多いし、大柄でもミニスカートも履けば、腕も出す、日本のビーチでは、ビキニの女性は若いスタイルの良い子ばっかりだけど海外のビーチでは、体型・年齢関係なく女性はビキニ度が高い。リゾートなんかだとトップレスの女性も多い。あまりにもいろんな体型の人が堂々とトップレスでくつろいでいるのを見ると、恥ずかしいと隠している自分が恥ずかしくなるくらい。

52キロの私が海外でそういう視点に出会えたことはとても良かったと思う。理想があるというのは悪いことじゃない、でも、無理して理想に近づくことが良いとも思わない。あまりにも体型にとらわれ過ぎて自分らしさを失うくらいなら、今の自分の体型を受け入れて自分らしく生きる方がいい。

次回はさらに痩せた時のこと。



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