「北斗の拳」のはなし
私以上伊集院光さん以下の世代(男性)なら絶対知ってるぐらいのレジェンド漫画の北斗の拳の話です。’81生まれの私は少しだけ世代が下ですが、世代ドストライクのジョジョの奇妙な冒険や魁!!男塾などのジャンプバトル漫画系には多大なる影響を与えたこの作品を読まずにはいられません。
といっても読破したのはここ何年かです。
原作・武論尊さん、漫画・原哲夫さんです。ちなみに武論尊さんの読み方がずっと分からなかったのは秘密です。
考えてみると設定がもうすんごいのです。いろんな技術はロストテクノロジーになってうっすらスチームパンクの世界観です。そしてモヒカン、ヒゲの屈強の漢達が荒野をオープンカーとバイクで走り回るという緻密さをすべて捨て去ったこの世界観がたまりません。
そして、登場人物の使い捨てもとんでもない勢いです。敵味方ともに登場しては死にの繰り返しでまさに修羅です。最後の方に出てきたファルコは生残っ・・・てないか。最終的にはケンシロウとリンとバットの3人しか主要キャラは残ってないような。おっとこれ以上はネタバレですね。
色々な格闘流儀が出てきそうなものですが基本的には中国をルーツにしていて技名も漢字ばっかです。それがまた中二心をくすぐるんですよ。この感じはのちの幽遊白書の飛影の使う邪王炎殺黒龍波やるろうに剣心の牙突、天翔龍閃などの技名に受け継がれていき各世代の少年が技名を叫んだに違いありません。
ラオウや山のフドウ、ハート様、ジャギなど魅力的な人物はたくさんいましたけど、私はなんといってもウイグル獄長です。ウイグル自治区と監獄という少年誌に巧みに刻み込まれた政治風刺(たぶんたまたま)。看守長という役職ではなく獄長とつけたことでより一層おっかない感じになっています。カサンドラという監獄名もうっすら中国北部というかシルクロード感を漂わせる粋なネーミングです。
そんな細かい設定はなかったと思えるくらいに豪快な展開でストーリーは進みます。まさに力こそパワーです。
主人公の力が圧倒的で、人質とか連戦とかの何らかのハンデを背負っていくらか接戦になるパターンが多いです。そして1部の大ボスのラオウとは接戦になることでラオウの強さが際立っています。「最初から主人公が強キャラ設定」は北斗の拳で確立したと思っています。
あまり死ぬ描写に耐性がない私には少しばかりヘビーだったのですが、コミックスで27巻という意外な短さなので勢いで一気読みできます。27巻で多数の名言、名シーンを生んだ北斗の拳はやっぱり名作中の名作でしょう。
全く古臭さはないので是非読んでいただきたいです。
後に派生作品が多数作られました。前日談の「蒼天の拳」なんかは同じような勢いを第2次世界対戦前の中国に持ち込んで上手く融合しています。その更に後日談もあるのですが休載してしまって完結していないのが残念です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?