見出し画像

優しい眠り

以前、離婚問題を抱えていたとき
ちゃんと眠れなくなってしまった。
そして、少し眠ったとしても
絶望的な気持ちで目覚めてしまう。
子供も生まれたばかりなのに
それは、嘘みたいに
灰色の世界になっていた。
日常の色がなくなってしまった。

旦那は、他に好きな人が出来てしまって
出ていってしまったんだ。
それでも、すぐに出ていった訳ではなく
家族間の話し合いもしたし
そこに彼女を連れてくることもあったし
なにか悪い夢なんじゃないかと思って
しまうような状況だった。
話し合いが沢山あったけど
みんなの反対を押し切って
出ていってしまったんだ。
理性では、どうしようもないくらい
「好き」になってしまったんだろう。

でもちょっと、事実が受け入れられなくて
ご飯が食べれなくなったり
眠れなくなってしまった。


生活を考えると働かなきゃいけない
状況もあったし、だけどまだ
子供は生まれたばかり…
希望など見いだせなかった。
あの時は、悲しみと絶望しかなかった。


だから、ねむる時も
目が覚めたら、全部夢でありますようにと
祈るように眠った。
だけど、夢ではなくて
朝起きると
寂しさと悲しみが消えない
現実がそこにありました。
がんばったのに…
と泣いてばかりいた。


そのあとも
現実的な問題は増えるばかり。
借金を積み重ねていく彼…。
弁護士さんの相談など
本当に頭のいたい状況だった。
毎日が戦いのようでもあったんだ。
子供を守らないとって必死でした。


父親がいないことで
子供が寂しい思いをするのではないか
我慢していれば
また戻ってくるのではないか
私が努力すれば
うまくやれるのではないか
いっぱい悩んだんだけど

でも、ここを越えたとしても
またいつ同じことが起こるか分からない。
そんなのは、いやだと思った。
時間をかけて、ちゃんと
離れることを決められました。
そう、決めるまで
3年という時間がかかったんだ。



だけど、その頃には
眠れるようになっていた。
働くことも不幸とは思わなくなっていた。
新しくヘルパーの学校に通いだして
周りが皆、いろんな事情を抱えながら
前を向いてがんばっていたんだ。
なんだか
すごく慰められる思いだった。
私の話も仲間が優しく聞いてくれて
一緒に涙してくれた。



夜、眠るときに
子供と絵本を読んだり
少し楽しみにできる未来の話を
2人で出来るようになっていた。
そうすると
あさ、絶望的な気持ちで目覚めることは
なくなっていった。
何とかなるなって思えてきたんだ。
息子と2人で楽しくやっていこうって
すこしだけ 強くなれた
気がしたんだ。



ここは、底なんだろうか
というくらい
灰色な
真っ暗な
現実が目の前に広がるときが
長い人生の中では、あると思う。
だけど、本当にわずかな
灯りを見つけたら
人は生きていける。



それが、友達だったり
家族だったりもする。
だけど、よっぽど
本当に心配かけるようなことを
思ってしまうとき
家族や友達には言えなかった。

心配を更にかけることが
分かっていたから、ただでさえ
迷惑かけてると思っていたから
これ以上、誰にも迷惑かけたくなかった。



そんなとき
出会ったメンバーは
新しい風になった。
みんな、様々な悩みを抱えていて

それこそ、借金問題や女性問題
家族の問題、仕事やお金の問題
それぞれ自分で抱え
悩んでいたんだ。
悩む中でも前を向こうとしていた。

同じような苦しさを抱えてる仲間だったから
すごく救われたのかもしれない。
その時
本当に支え合うことができた。
たくさん、泣いて
でもまた笑って、勉強をがんばれた。



あのときから
眠れるようになった。

あれは、あの時のみんなからもらった
優しいギフトでもあると思ってる。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?