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私のおうちは森の雑貨屋さん

昨日の夜はずいぶん雪が降ってたから、きっと雪掻きが大変だろうな。
そう思いながらミユちゃんはお外へ出てみました。

すると向こうの方からおうちの前まで鳥さんの大きな足跡が続いているのを見つけました。
鳥さんは何かお店にご用事だったのかしら?


鳴き声がするので上を見上げると、おうちの屋根に鳥さんが一羽。

「あの足跡は鳥さん? 何かご用事だったの?」

「ちょっと腹が減ったから、活きのいい魚でももらおうかと思ってね」

「昨日は雪だったから早くにお店閉めちゃったんだ。ごめんね鳥さん」

「いや、いいんだ」

「それで何か食べましたか?」

「川も湖も凍っていてダメだった」

「じゃあ昨日の夜から何も食べてないの?」

「簡単に言えばそういうことかな」

「今すぐお店開けるからちょっと待っててね」

今日も慌ただしく森の雑貨屋さん「ふぉれすとどわあふ」は開店するのでした。


「鳥さん、お魚がいいんだっけ?」

「昨日はそうだったけど、今は腹が減りすぎて何でも食えそうだ」

「じゃあ、とりあえずこのバランス栄養食品食べといて。これ私が作ったんだ、新製品。まだ名前がないんだけどね。そんなことはいいや。それで、お魚は何匹くらいいっちゃう?」

「そんなに持ち合わせがないんだ」

「ちょうど雪掻きをしてお店への道をつくりたかったから、その大きな羽でお外の雪を少し飛ばしてくれない? それから私は小さいから時間かかるんだけど、その大きな足で雪を踏み固めてくれると助かるな」

「そんなこといいのか?」

「そんなこといいんだよ。それが一番助かるの」

「そんなものか」

「で、何匹欲しい?」

「3匹では多いか?」

「道をつくってくれるんだからオマケして5匹出しちゃお」

「では道づくりに行ってくる」

「ちょっと待って、先にちゃんと食べないと」

ミユちゃんはとっても気前がいいのでした。


「悪いが残りの2匹をちょっと預かってくれないか」

「それはいいけど、お腹ふくれたの?」

「道づくりをすればまた腹が減るだろうから」

「な~るほど、それはいい考えね。じゃあ預かっておくね」

「腹ごなしに道づくりしてくるよ」

「ありがとう鳥さん、お願いね」


森の雑貨屋さん「ふぉれすとどわあふ」のお店を一人で切り盛りする働き者の彼女の名前はミユちゃん。彼女はドワーフの少女で年齢は64歳。
ご存知ない方のためにドワーフはエルフと人間の間に位置する種族で、寿命は約300年といわれているそうです。

google AIより抜粋


「道づくりが完成したよ」

慌ててミユちゃんはお外へ出ます。

「ホントだ。鳥さんありがと」

「こちらこそだよ。いい運動させてもらった」

「じゃあお腹空いたよね?」

「そうだな」

「さっき預かったお魚さん食べるでしょ? 持ってくるね」

ミユちゃんが運んで来たお鍋にはお魚が3匹。

「預けたのは2匹だったと思うのだが」

「ミユ助かっちゃったから、サービスだよ」

やっぱり気前がいいミユちゃんなのでした。



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