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社会人大学院に入学してみて


ご無沙汰しておりました

 私が勤務する会社の工場もお世話になっていたという不思議なご縁を感じる松井さんよりバトンを受け取り、前回の投稿から 1年以上が経過し、 久しぶりの 投稿で 緊張しながら 書いております💦
前回は 社会人大学院に 進学することを報告しておりましたが 今年1年間の通学を終えて感想を含めて 書いてみます。

どんな大学院?

 私が進学した大学院は 社会構想大学院大学 実務教育研究科というところで、いわゆる専門職大学院です。入学される方は実務経験のある社会人で年齢は40~60歳代くらいの方が多いように思います。実務教育研究科は簡単に言うと「実務の経験知を理論化し、実務に実装する」という目的で研究するところで、4万字以上の修士論文を提出し合格すれば実務教育学修士(専門職)を取得できます。 同級生には実務家教員として高等教育機関で教えることを目標としている方も在籍しています。
 
 31人の同級生の職種は多様で企業経営者、個人事業主、教員、専門学校教員、 研修講師やファシリテーター、キャリア支援者、企業所属の営業担当者、企業のマネージャー職、看護職などです。
 
 授業は平日18:30~21:40、土曜日10:30~13:40、14:40~17:50で2コマ分(180分)を隔週で学びます。私は前期に「人材育成の基礎」「成人教育・学習論」「産業社会学」「実践研究法Ⅰ」「知の理論」「基礎ゼミ」、後期は「心理と学習のフロンティア」「省察的実践」「インストラクショナル・デザイン」「コーチングとファシリテーション」「実践研究法Ⅱ」「基礎ゼミ」と履修上限単位ギリギリまで履修しました。
 どの授業も課題があり仕事との両立に苦しみましたが、私にとってはどの科目も新鮮で楽しい日々でした。教員の皆さんは私たちが社会人であることを最大限考慮してくださり、こちらの都合に合わせてチャットやTeamsをつないで相談にのっていだける体制が整っていることも大きな魅力です。さらに授業は教室での対面受講、間に合わなければオンラインライブ受講、どちらも無理なら録画視聴し課題を提出するという3パターンで受講できます。そのため同級生は北は仙台、南は鹿児島、そしてさらに南はマカオの方もいらっしゃいます。授業はグループワークやディスカッションに多くの時間が割かれるので眠くなることはありません。

必修科目「知の理論」ってなに?

 ここで唯一、必修科目に設定されている「知の理論」という科目を紹介します。経験知を理論化するということ(知を生成する作業)が修士論文のゴールなのですがそのために「知識とは何か」を知っておく必要があり、必修科目となっています。なかなか理解しにくい科目(残念ながら私は今も理解できていません)でしたが知識の知識、すなわち知識とは何か、知識にはどんな種類があるかなどを学びました。

K=JTBって?

知識は K=JTB(プラトン)で表されるそうです。
(某企業と同じなのですぐに覚えました)
Kはknowledge(知識)、JはJustified(正当化された)、TはTrue(真なる)、BはBelief(信念)です。
『正当化された』とは
     公平、正当で理にかなっていることが示されていること
『真なる』とは
 論理的に矛盾がなく偽りもなく正しく正確であること
『信念』とは
 自分が強く思っている
ということです。

これでは何のことかわかりにくいので具体的な例を出します。
『地球は丸いという知識』
Aさんは地球が丸い思う理由がある(正当化)
実際に地球は丸い(真なる)
Aさんは地球が丸いと強く思っている(信念)
(これでもちょっとわかりにくいですね)

私たちは研究活動を通じて理論的に説明が出来て(正当化)、それが本当であり(真なる)そうだと強く思っている(信念)ものを創り出そうとしていることになります。

 書いていて自分でもよくわからなくなってきましたが、この「知の理論」は国際バカロレア機構の教育カリキュラムを採用している学校の必修科目です。現在、日本国内では67の高校で採用されているそうです。(インターナショナルスクールが多いですが公立高校にもあります)
授業の目標は、自分がなぜ「そのような考え」を持つようになったのかを考え、生徒自身が持っている観点や仮定に対してより認識を深めるように促すしているそうです。(私が高校生だったら中退してますね😀)
ややこしことを書いてきましたが私が入学して1年間でもっとも印象深い科目だったので取り上げました。

学び直しにいかがですか?

 学費はそれなりに高額ですが24年度から教育訓練給付金の対象になりますので約半額で通えます。そして社会人大学院の魅力はなんと言っても多様な仲間との出会いです。研究の興味関心は様々ですが、ゼミの発表を聴いているとそれぞれの業種や立場で抱えている課題を知る機会にもなります。またゼミのディスカッションを通じて、人の思考過程が明らかになったり、自分自身の論理の飛躍や矛盾に気づくこともできます。さらに4月から校舎が高田馬場から表参道に移転するので田舎者の私は今からワクワクしています。

学び直しの選択肢の一つに是非どうぞ!

次回は本業の傍らキャリアコンサルタントをはじめ八面六臂の活躍をされている笹井美千恵さんです。笹井さん、よろしくでーす!



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