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Simhadri

注意 

以下は映画「Simhadri」の詳細ストーリーです。重大なネタバレを含みますので読む方は充分ご注意ください。(また役名・俳優名・曲名の表記ゆれについてはご容赦お願いします。)




主な登場人物

役名(俳優):説明 (登場順です)
前半(ヴィシャーカパトナム)
Ram Bhupal Varma (Nassar):家長
妻 (Sangeeta):Ram Bhupalの妻
Talupulu(Brahmanandam):Varma家の使用人
Simhadri (Jr. NTR):Ram Bhupalに育てられた孤児
Kasturi (Ankitha Jhaveri):Ram Bhupalの孫娘
Saraswati (Seetha):Ram Bhupalの長女
Aravind (Bhanuchander):Saraswatiの恋人、後に夫

後半(ケーララ州)
Namboothri (Sharat Saxena):警察官、Aravindの友人
Indu (Bhumika Chawla):SaraswatiとAravindの娘、Ram Bhupalの孫娘
Iyer (Venu Madhab):ニセ患者
Bhai Saab(Mukesh Rishi):ケーララ州を支配するギャングのボス
Bala Nair(Rahul Dev):Bhai Sahibの弟、ギャング

ストーリー


 ヴィシャーカパトナムを嵐が襲った夜、地元の有力者Ram Bhupal Varmaは寺院に避難しようとする低カーストの人々を助けます。孤児の男の子Simhadriもその中にいました。Ram Bhupalを恨んだNeelekantamuと祭司たちがRam Bhupalを毒殺しようとする計画をSimhadriが阻止したことからVarma一家との親交が始まります。

12年後
 Varma一家が寺院に奉納しようとした冠をギャングの猿に盗まれてしまいました。Ram Bhupalが「Simhadri!」と叫ぶと、たくましい青年に成長したSimhadriが登場。ギャングを倒し冠は寺院に奉納されました。

 夜、Simhadriがスヤスヤ寝ていると黒い服の若い女がしのびこみ、彼の気をひこうとあの手この手を使います。SimhadriはVarma家を襲った泥棒と勘違いし捕まえてみると、デリーから戻って来たRam Bhupalの孫娘Kasturiでした。彼に恋したKasturiは蟻(cheema)を使って誘惑しようとします。

ソング“Cheema Cheema”

 河べりの家。井戸のわきに美しい乙女が立っています。その美しさに惹かれて男たちが近づくと水に落とされてしまいます。知的障害をもっているらしい彼女をSimhadriはかばい「わたしの命だ」と言います。

 ゴルフ場でSimhadriがRam Bhupalのキャディーを務めていると無礼な男が突然からんできました。怒るSimhadriをRam Bhupalはたしなめ帰宅するのですが、Simhadriは密かにゴルフ場に戻り男を懲らしめます。

 CDR病院でその重傷患者を診察した医師は突然震えだしました。医師の脳裏に浮かんだのは、凄まじい暴力を振るう、Simhadriそっくりの男の姿です。「こんな怪我を負わせられるのはあいつしかいない。…Singhamalaiだ!」ケーララ州で25人ものギャングを殺したという男は誰なのでしょうか。

 ケーララ州トリヴァンドラムのジョセフ病院のICUで患者が亡くなりました。Singhamalaiに打ちのめされたギャングでした。見舞いに来ていた男は監獄に向かい、牢に繋がれているボスBhai Sahibに報告します。Bhai SahibはSinghamalaiの居所を探すよう男に命じます。
一方、ヴィシャーカパトナムではInduが世話をしている夫婦を今日も困らせていました。Simhadriは孤児で知的障害をもつInduの生活費を出すだけでなく毎週訪問し遊んでやっています。

ソング“Ammaina Nana Aina”

 Varma家ではSimhadriが家族写真を撮ろうとしています。美しいサリーと宝石を身に着けた孫娘Kasturiを見てRam Bhupalは涙ぐみます。しかしその直後、Ram Bhupalはなぜか激怒し「縁起悪いサリーと宝石は捨ててしまえ!」と出て行ってしまいます。

 Ram Bhupalの妻はKasturiを慰めます。かつてそのサリーと宝石はRam Bhupalの長女Saraswati(Kasturiの伯母)の持ち物でした。Saraswatiは両親が決めた婚約を拒否しケーララ州出身の恋人と駆け落ちしたのでRam Bhupalは二人を今日まで許さないのです。祖母は会いたくてつらいと泣きます。一年前に二人を探しにケーララ州に行ったSimhadriから戻ってくるという電話があったものの、今日にいたるまで戻ってきていません。そこにやって来たSimhadriは必ず帰ってくると慰めますが、どうも様子がへんです。

 KasturiはSimhadriの誘惑を諦めませんがうまくいかず、祖父母に結婚させてほしいと頼みます。娘婿たちが反対すると、Ram BhupalはSimhadriを養子にして正式な跡取りにすると宣言します。

ソング "Chiraaku Anuko"

 養子縁組を祝う席でRam BhupalはSimhadriはただの使用人ではなく自分にとっては息子と同じ存在だ、と語ります。そこに養子に反対するRam Bhupalの娘婿がInduを引きずって乱入してきました。怒ったSimhadriは娘婿を蹴りとばします。Ram BhupalはSimhadriを庇いますが、Induに手切れ金を渡して別れるようにと命じます。いままでRam Bhupalの言葉に従ってきたSimhadriですが、「それだけはできません、Induは自分の命なのです」と泣きながら訴えます。SimhadriはVarma家を追い出され、海辺をさまよい歩きます。その姿を目撃した病院の医師はケーララ州に電話します。
ケーララ州からギャングたちがやってきました。一組は飛行機で、もう一組は列車で。写真を見せてSimhadriを探しています。
ゴダヴァリ河のほとりではGodavari Pushkaram祭が盛大に行われています。SimhadriとInduは病が治るよう巡礼に来ていました。ギャングたちはInduを見つけSimhadriに襲いかかります。するとSimhadriはまるで人が変わったように激しく戦います。やはり巡礼に来ていたVarma一家はその姿を見て驚きます。もう一組のギャングのリーダーは彼に向かい「Singhamalai!」と叫び戦斧を投げます。Simhadriは受け取った斧を自在に振るってギャングたちを次々に倒していきます。
混乱の中でInduはギャングに頭を殴られ負傷してしまいました。そのショックでしょうか、Induの脳裏には走る列車に飛び乗ろうとする男の姿が浮かびます。激しく動揺したInduは手近にあった鉄棒をとりSimhadriの左胸に突き刺します。あれほどSimhadriを慕っていたのに、一体二人の間に何があったというのでしょうか?

インターミッション

 TVでは、一年前にケーララ州のギャングを一掃した男性Singhamalaiが負傷しヴィシャーカパトナムの病院で治療を受けている、とニュースが流れます。

 乗客でいっぱいのバスが何台もやってきます。病院を取り囲んだ群衆は「Singhamalai」と唱えますが待合室のVarma一家には名前の由来がわかりません。Simhadriは刺されたショックで危篤状態です。

 ケーララから加勢にやってきてSimhadriに斧を渡した男性NamboothriはSimhadriがなぜケーララ州の人々に慕われているかを語り始めます。お金も財産も権力もない一介の使用人でしたが、Ram Bhupalが授けた教え「人々の幸せのためには暴力をふるわざるを得ない場合がある」を守って闘ったことでSinghamalaiと呼ばれる存在になったのだ、と。

 一年前、Varma夫妻が本当は長女夫妻と会いたがっていることを知ったSimhadriは、二人を帰ってこさせようとケーララ州トリヴァンドラムに赴きました。当時ケーララ州ではBhai Sahibを首領とするギャング一味の悪行三昧に人々は苦しんでいました。Bhai Sahibの弟Bala Nairは盲目の靴磨きの少年に暴行をふるい、助けようとしたその姉(注 5月21日修正しました。ご指摘ありがとうございます。)を連れ去り輪姦します。警察官だったNamboothriは事態を目撃しながらも恐怖のため助けられません。
NamboothriはSaraswatiの夫で医師のAravindが経営する施設の庭で彼にBhai Sahibの恐怖支配を嘆いていました。そこにSimhadriとVarma家の使用人Talupuluがやって来ます。二人は患者のふりをして入所しようとしますがAravindの娘Induは受け付けません。そこに戻って来たSaraswatiは二人がヴィシャーカパトナムから来たと聞いてやさしく迎え入れます。なんとか潜入できたものの、SimhadriはInduと会うたびになぜか衝突してしまいます。

ソング“Nannedo Seyamaku”

 SimhadriたちがVarma夫妻の名前を口にすると、Saraswatiは目に涙を浮かべます。Simhadriは一見幸福そうなRam Bhupalが意に反して結婚した長女のことで内心苦しんでいると話し、里心に訴えます。しかしAravindはRam Bhupalの名を聞きたくない、と激怒します。

 Aravind夫妻が経営する施設には二人のほかにも仮病患者Iyerがいます。正体をバラされたくなかったら、とIyerがもちかける無理難題に二人は振り回されます。(注:テルグ映画伝統のコメディアン芸をお楽しみください)

 寺院にみかじめ料の取り立てに来たBala Nairは僧侶を平手打ちにします。礼拝に来ていたSimhadriにはその振る舞いが許せまず睨みつけます。生意気だ、と襲いかかろうとしたBala Nairを警官Namboothriがとりなします。

 施設ではTalupuluがInduにSimhadriは彼女を見るとぐるぐるする病気だと告げます。そして「愛している」と言わなければ病気は治らないと説得します。InduがSimhadriに告白すると「それなら結婚しよう」と言われました。両親が許すわけない、と呆れるInduにSimhadriは「それなら駆け落ちしよう」と言います。二人の会話を聞いていたAravindは怒ってSimhadriの横っ面をひっぱたきます。しかしSimhadriは怒らずに諭します。「父親ならば今のあなたのように、駆け落ちと聞いただけで男の面を張り倒したくなるものです。Ram Bhupalに殴られたことをまだ怨みに思っているでしょうが、あの時Ram Bhupalは実際に娘が駆け落ちするところを見たのです。Ram Bhupalの気持ちがわかったでしょう。」また、自分は家族を再会させるためにウソをついて入院したと告白します。Aravindは理解し、明日ヴィシャーカパトナムに帰ろうとSaraswatiに告げます。その場に居合わせたNamboothriも一家とSimhadriを祝福します。

 夕刻、SimhadriはSaraswatiに航空券を渡しにきます。20年以上も経って許してもらえるかしら、とSaraswatiは不安そうです。Ram Bhupalは自分の言うことを絶対聞いてくれる、それほど強い絆で結ばれているとSimhadriは励まします。Saraswatiは子どもの頃Ram Bhupalが弟を連れてきてくれると約束したのを思い出し、「父は約束を守ってくれたのね」と言います。Simhadriは今まで誰も一度として<家族>と呼んでくれたことはなかった、と泣き出しました。二人の会話を聞いていたAravindはSimhadriが同意するならInduと結婚させてやろうと妻に告げます。Induも物陰で父の言葉を聞いて微笑んでいました。

 一方、Talupuluはようやく仮病患者の鼻をあかすことに成功しました。得意になって酔っぱらったTalupuluを妖艶な美女が睨みつけています…。

ソング“Chinnadamme Cheekulu Kavala” (Ramya Krishnanがゲスト出演)

 Simhadriは街でサリーを買うSaraswatiに付き添っていました。そこにBala Nairたちがやって来ます。Bala Nairの卑猥な言動に耐えかねたSaraswatiは彼を平手打ちしてしまいます。Bala Nairは激昂し髪を掴んで引きずっていきます。周りの人々は成すすべもなくこわごわ見ています。この時、SimhadriはVarma家に「明日Saraswatiたちを連れて帰る」と電話していて何が起きているか知りません。Blan NairはSaraswatiの喉をかき切りました。電話が終わってSaraswatiの遺体を発見したSimhadriはただ泣き崩れるのみです。

 鍛冶たちが鉄をうつ荒々しい野外でBala Nairたちがくつろいでいました。そこにSimhadriが単身やってきます。ニヤニヤ笑いながら迎えた手下はSimhadriの斧の一撃で倒されました。Simhadriは斧を手にBala Nairと部下たちを追います。街の人々は、一人また一人とギャングたちを成敗していくSimhadriを見つめます。先日Bala Nairに強姦された女性は「首をとって」と叫びます。異様などよめきと太鼓が鳴り響く中、Simhadriは寺院のハヌマーン像の前でBala Nairを串刺しにします。かつてBala Nairに平手打ちを受けた僧侶は「悪人を成敗する<神>が人々の中から現れた」と呟き、血で紅に染まったSimhadriの頭に牛乳を注いで祝福します。Namboothriも血まみれの斧を手に泣いていました。

 Aravindたちが施設でSaraswatiの死を悼んでいる所に、NamboothriがSimhadriを連れてやってきました。事情を知ったAravindはSimhadriを連れて逃げようとしますが、Namboothriは止めます。ケーララ州の人々はBala Nairを倒した英雄SimhadriがきっとBhai Sahibも倒してくれると信じている、と。そしてSimhadriにケーララの人々を救ってくれ、願いを叶えてくれとかきくどきます。しかしInduはSimhadriに一緒にヴィシャーカパトナムに行ってと泣きながら頼み彼もうなずきます。

 Bhai Sahibは弟Bala Nairの遺骸を腕に抱いて報復を叫びます。Aravind一家とSimhadriが話していると突然テレビにBhai Sahibが映ります。街の人々を人質にとって暴力をふるう様子を見せつけSimhadriをおびき出そうというのです。中には盲目の靴磨きの男の子と姉もました。男の子が喉が渇いたと泣くと、Bhai SahibはSimhadriを卑怯者といったら水をやろうと脅します。男の子は気丈にも「Simhadriは逃げない、獅子のように襲いかかり悪人を倒す」と宣言します。男の子の「Anna(兄貴)」と呼ぶ叫びにSimhadriは動揺します。行くのを止めようとするAravindにSimhadriは声を荒らげます。「人々の幸せのためならば命を奪うことも、奪われることも厭わない!」と。

 工事現場ではBhai Sahibの手下が暴行を続けています。警官の制服姿のNamboothriも成すすべもなく立ち尽くしています。嘆きつつ見守る人の波をかき分けてSimhadriが歩いて来ました。初めてSimhadriを見たBhai Sahibは驚きます。まだ髭の生えそろっていない若造、しかも、ケーララ出身でないよそ者のどこにそんな勇気があったのか、と。Simhadriは盲目の男の子の前で膝をついて水を飲ませてやりますが、やさしい兄貴はBhai Sahibの手下たちに向かうと一変します。Simhadriは次々とギャングたちを倒しBhaiSahibと対決します。重機でBhai Sahibを吊り上げたSimhadriは、悪のシンジケートを潰すまでどこにも行かないと内腿を叩いて宣言します。Namboothriは「アンドラのSimhadriがケーララのSinghamalaiになった」と称えます。斧を手にしたSimhadriを人々は拳をつきあげ称えます。その日からSinghamalaiの戦いが始まりました。Namboothriや仲間と共にケーララのギャングを次々と倒していきます。しかし、心配するInduとの距離はだんだん遠くなっていきます。

ソング:Singhamalai (歌詞はマラヤラム語)

「悪を燃やし滅ぼすために力を手に立ち上がりし者
 人々は彼を称える
 彼は驕れる者の頭を踏みしめ偽りを滅ぼす
 血の色に染まりし眼に灯す炎で
 山のような心臓で
 彼はハヌマーンなり
 ナラシンハのように吠える
 悪人を滅ぼす聖なる火
 アンドラのSimhadriは今や
 ケーララのSinghamalaiとなりぬ
 SapthagiriのSabarimalaiとなりぬ」

「夜空に雷光が走り
 Singhamalai来る時
 敵の心臓は死の鐘の音を聞き
 敵は慄き逃げだす
 彼は敵を残虐に滅ぼし
 疾風のごとく襲いかかる
 彼は稲妻
 彼は恐れを知らぬ
 KauravasにとってのBhima
 Alluriを継ぐ者
 我らが緑のケーララの救い主」

 Simhadriはケーララ州の人々に敬愛され州首相と会見するほどの有力者になります。しかしAravindは命を助ける施設にSimhadriの場所はない、と彼を退けます。Induは父に「母はいないしSimhadriも見向いてくれない。もうここに居たくない、ヴィシャーカパトナムに連れていって」と泣いて頼みます。二人が出発しようとした時、Bhai Sahibの手下が襲来し、Aravindは捕らえられてしまいます。

 Bhai Sahibのもとにケーララ州内務大臣がやって来て、州首相が逮捕状を出そうとしていると密告します。Bhai Sahibは、20分後に出発するデリー行きの列車に乗る予定の州首相と閣僚たちの暗殺を計画します。実はAravindもその列車に乗る予定でした。「娘を孤児にしないでくれ、列車に乗らせてくれ」と命乞いをするAravindをBhai Sahibは解放します。返してもらったブリーフケースを手にAravindはInduの待つ駅へ向かいます。
なぜ?と聞く部下にBhai Sahibはブリーフケースには爆弾が仕掛けてあり、州首相もろとも爆殺すると勝ち誇ります。会話を聞いていた手下はSimhadriに電話をかけ密告します。Simhadriは爆発を止めようと車を走らせますがBhai Sahibに邪魔されて遅れます。

 駅のホームではInduが必死に父を探していました。なんとか到着したAravindは動き出した列車に飛び乗ろうとブリーフケースを持ってホームを走ります。Simhadriが後ろから必死に追いかけてきます。「かばんに爆弾が!」と叫ぶ声は届きません。Induは父を見つけて必死に手を伸ばします。もしAravindが列車に乗ったら乗客全員が死ぬことになります。止める方法はただ一つ、Aravindを銃で撃つことだけ。Simhadriの脳裏にRam Bhupalの言葉が浮かびます。「人々の幸せのためならば殺人も許されることがある。」Simhadriは涙を流しながら銃を向けます。

 Aravindの手が列車の手すりを掴んだ瞬間、InduはSimhadriの姿を見つけて叫びます。「Simhadri!」Simhadriの銃から放たれた弾がAravindの背中に命中し、崩れ落ちます。Induは父を助けるため列車から飛び下り頭を強く打ちます。Aravindの手をはなれたアタッシュケースが地面に落ちた瞬間、大爆発がおきます。
 死の床にあるAravindはSimhadriの手を握り、彼を許すといいます。人々の幸せのためにやったことだから、と。部屋の隅にいるInduは怪我の後遺症で何もわかっていない様子です。Aravindのただ一つの心残りはみなし子になるInduのことです。「これからはSimhadriだけが家族だ」とAravindは後を託します。Induは父の死もわからずに「お腹空いた」と幼子のように甘えます。

現在
ヴィシャーカパトナムの病院。すべてを知ったInduはVarma夫妻に慰められます。InduはSimhadriが理由もなく父を殺したと思い込んでいたのです。もしブリーフケースごとAravindが乗車していたらInduも父も州首相を含む乗客全員が死んでいました。事故のあとSimhadriがどれほど犠牲を払って自分を守って来たかをInduは知りませんでした。SimhadriはVarma夫妻にも何も打ち明けていませんでした。NamboothriはSimhadriがケーララ州での名声や権力を捨ててヴィシャーカパトナムに戻ってきたのはRam Bhupalの傍に仕えるためだと言います。SimhadriにとってRam Bhupalの言葉は神の教えにも等しいのだ、と。TalupuluもSimhadriがInduの素性を明かせなかったのはSaraswati夫婦が死んでいると知ったらRam Bhupalは耐えられないだろうと心配したからだと説明します。だからSimhadriは誤解されてもじっと耐えていたのだ、と。Ram BhupalはSimhadriの本心を知り、「息子のおまえが死ぬのは耐えられない」と涙するのでした。

Kasturiは占い師のもとを訪れています。蛇を踏みしめるヴィシュヌ神の札を引いた占い師は「生命力がとても強い相の持ち主です。100歳まで生き、1000年にわたって名声が伝えられるでしょう」と告げます。更に「彼の名前はヴィシュヌ神の異名だからLakshmiという名の女性と結婚するでしょう」と言うとKasturiは喜びます。「わたしよ!わたしの名前はKasturi Lakshmiだから。Induは別の誰かと結婚すればいいのよ!」しかし占い師はIndu(本名はIndra)もLakshmiの異名だと告げます。ヴィシュヌ神は二人のLakshmiから選ばなければならないと聞いたKasturiは困り顔になりました。

ソング“Nuuvu Whistlesthe”

 再び病院。TalupuluはInduを祖父母にひき合わせ、Ram BhupalはInduを慰めます。Simhadriは危機を脱し命をとりとめます。
 ケーララ州の監獄ではBhai SahibがSinghamalaiがヴィシャーカパトナムにいると知らされ、憤怒の形相で叫び鎖を引きちぎりました。
ヴィシャーカパトナムの病院の屋上で回復したSimhadriは詰めかけたケーララ州の人々に手を合わせます。「Singhamalai!」の大合唱を爆音がかき消します。Bhai Sahibのギャングが襲ってきたのです。SimhadriはNamboothriや仲間たちと共に戦います。「故郷ケーララで恥をかかされた仕返しにおまえを故郷で倒してテルグの人々に見せつけてやる」とBhai Sahibは嘯きます。地面に膝をついたSimhadriは土をとり心臓に塗りこめ立ち上がりました。「これがアンドラの大地の力だ。」Singhamalai!の合唱の中、戦斧を手にとったSimhadriは鬼神のごとく戦いBhai Sahibの心臓に斧を打ち込みます。

平和を取り戻したVarma家
KasturiとInduのどちらがSimhadriと結婚するか家族が議論しています。Ram Bhupalは隠れていたSimhadriを見つけ出し「自分で決めなさい」と諭します。KasturiとInduに両側から引っ張られてSimhadriはおたおたします。困った挙句Simhadriは言いました。「昔から三角関係の悩みには神様の助けを仰ぐものです。さぁみんなでSimhadriの元に行きましょう。」どちらが選ばれるかをご存じなのは神棚に飾られたSimhadriだけのようです。

終わり






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