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ペルソナ設定ことはじめ/テキスタイルデザイン「in my bag シリーズ」の話

布・生地の通販サイトnunocotofabricさんより発売中のテキスタイル「in my bag」シリーズでは、「毎日の生活を明るく元気に表現する」をコンセプトに、女性のカバンの中に入っている小物が弾け飛ぶようなポップなデザインの生地です。

私は昨年よりデザイナーとしてテキスタイルデザインを制作する機会をいただいて以後、データを作るための勉強はもちろん(実はデザイン独学です)どんなデザインが喜ばれるのか・必要とされているのかを手探りで調べていきました。
その過程でマーケティングを意識するようになり、TOKYO創業ステーション(通称:スタハ)という企業支援の施設が配信している講義を受講するようになりました。

なかでもビジネスエンターテインメント合同会社の代表で、スタハの企業相談員も務められている金丸裕佑さんの講義は、マーケティングに無知な私でも理解できるほどわかりやすく、実践的な内容でした。講義の冒頭で老子の格言『授人以魚 不如授人以漁』をいつもご紹介いただくのですが、魚を与えるのでなく魚の釣り方、行動の仕方をシェアしてくださいます。
金丸さんが今までのキャリアを通じて培われてきた知識を、ユーモアを交えながら、全力で受講生に注いでくださる熱い姿勢にも感銘を受けました。金丸さんの講義が毎回満員・定員以上であることも肯けます。
金丸さんのインスタグラムで講義資料の一部が公開されています。是非ご覧ください!)

今の私でも手の届くところから行動していこうと、講義の中からピックアップした要素が「ペルソナ設定」でした。ペルソナとはその商品がどんな人に向けたものなのか、具体的な人物像を設定することです。
年齢・性別・職業はもちろん、休日は何をしているか、情報源は何を利用しているか、何にお金を使うのか…。参考までに、ペルソナ作成のテンプレートが公開されているサイトのリンクを以下に貼っておきますね。

ペルソナを作成することによって、商品を届けたいお客様のイメージが明確となり、プロジェクトに携わるスタッフ内での共通認識を持つことが容易になります。そうなれば仕事の進行がスムーズとなります。

私の場合、デザインを制作するのは私個人の作業になりますが、
商品として販売いただくnunocotoさんにデザインをご提案するにあたって、
こういうペルソナをイメージしていますとお伝えできれば、nunocotoさんもプロモーションしやすいのではと考えました。

そうだ、デザインを誰に届けるか?については過去のnoteでも触れました。

上記の記事ではデザインを届けたい人として、いつも立ち寄るBEAMSの店員さんを取り上げています。この時はこんな雰囲気の人、という柔らかなイメージに過ぎませんでした。
今回はさらに一歩踏み込んで、ペルソナとしてBEAMSの店員さんを深堀りしていきます。そのために参考にしたのがこちらのシリーズ本です。

BEAMS AT HOME / For Wellness In Life(宝島社)

『BEAMS AT HOME』シリーズでは、BEAMSスタッフ、お一人お一人のお部屋やお気に入りのアイテム、ライフスタイルがエピソードと共に写真満載で紹介されています。海外でも愛読されており、シリーズ累計37万部を突破。これまでに7作発行されています。
こちらのシリーズ本から、女性スタッフFさんをピックアップさせていただき、掲載内容を見ながらその方のプロフィールを箇条書きしていきました。

★20代後半 プレス担当
★イタリア発の生活雑貨ブランドSELETTIが好き。
★お部屋にはビビットな海外のお菓子の容器や、アンティークな額に入れられたポストカードなどが飾られており、ひとつの様式にとらわれないミックス感覚が光る空間に住んでいる。
★歌うこと、身体を動かすことが好き。ダンスを習っている。
★海外旅行では絶景スポットを回る。
★休日も予定を入れ、外に出てたくさんの物や人から刺激を受けに行く。

これらの情報だけでもアウトドア派で快活な方だとわかります。
そのため、室内インテリアよりも外出時に常時携帯するもの=カバンの中にあるもので、私がデザインした布が関与できないか、また、その布がペルソナであるFさんを喜ばせるものであれば良いと考えました。

とはいえ身体を動かすことが好きなFさんなら、カバンの中の物と接触する時間は短時間であると想定。また、Fさんは歌う習慣があるので、唇が乾燥するだろうと察し、出かける時にいつも持ち歩く化粧ポーチからリップを取り出す時、 私の布を使用した裏地が目に入ることで気持ちが上がる、という設定で、そのストーリーそのまま、カバンの中に入っている小物たちをモチーフにデザインしました。

このような思考を経て作成したデータがこちら

in my bag (happy day)
in my bag (makeup)

Fさんの所有物がミックス感のあることからも、デザインは様々なものが混じり合った賑やかな印象を持たせ、でも派手すぎないように(生地として使いやすいように)レトロ感のあるイラストでバランスを取りました。

プリンセスミラーに香水、リップにキーポーチetc…

今回のデザインは、金丸さんの講義から「ペルソナ設定」という視点をいただいたことで、私の個人的な趣味趣向から、一歩外に出て自分のデザインを客観視する感覚を得ました。デザイン制作を重ねながら、少しずつ意識できることを増やしていきたいと思います。知恵をくださった金丸さんにこの場を借りて深く感謝申し上げます。

そしてなんと!金丸さんの次回講義がまもなく開催されます!

歴史上の英雄たちがどの様に周囲を魅了し、偉業を成しとげたのか「推し」的な観点から金丸さんが考察くださり、その上で、現代に生きる私たちが、今どのようにマーケティングに活用していけるのかについてヒントをくださいます。
申し込み締め切りは開催日当日の11月29日15時です。私ももちろん参加します。あなたもご一緒にいかがですか?

最後までお読みいただきありがとうございました!
それではまた次回のデザインでお会いしましょう。

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