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一年と少し先、今日があった。

太陽が明るい。空が青い。空気がまるい。日が長い。香りがやさしい。
お気に入りのトレンチコートを風に躍らせながら、職場に向かう道を行く。

今年も春が来た。今年の私にも春が来た。

もう何度も経験してきた春だけど、今年の春はどこか違う。テレビに映る早咲きの河津桜を見て、旅立ちや始まりを歌う春の歌を聴いて、桜色のお菓子を食べて。何をしてもこの一年間、君が、君たちが歩んできた道のりに想いを巡らせてしまう。そして、その道の先に今日があったことに愛おしさが溢れ出して、少し視界が滲んでしまう。

こんなにも素敵な今日があったね。

デビューツアーのゴールも直ぐそこまで迫っている。ツアーで全国を飛び回りながら、海外へも一っ飛び。アカデミー賞をリポートしにアメリカに旅立った君たちは、1年前には想像も付かなかったくらい、いや、1年前に期待していた以上にレッドカーペットが似合っていた。自分たちで紡ぐ英語でコミュニケーションを取る姿には、素直に驚いた。
遠く離れた海の向こうに居ても、ずっと傍に感じた。なんだか世界がすぐ傍に感じられた。たった1年で国と国の距離が変わるなんてことはないのだけれど、1年前よりもずっと近くに感じる。その大きく底知れぬ努力で積み上げてきた英語と歌とダンスと、観る者を惹きつけて離さないその愛嬌は、デビューという最高のチケットを掴み取っただけではない。1年前の今日は確かにそこにあったはずの大きな壁を壊して、果てしない距離をぐっと縮めてくれていたのかもしれないな。(これからも、この先も、どれだけその距離が近付いたとしても、君たちのパフォーマンスが純粋に人々を喜ばせ楽しませ愛されるものでありますように。どんな大きな力にも邪魔されない、純粋なエンターテイメントとして沢山たくさん愛されますように。とも願ってしまうけれど。)
バレンタインの日、アメリカから届いた「愛してるよ」を何度も何度も繰り返し聞きながら、私の方こそ愛しているんだからって、零れ落ちそうなほどの愛おしさを両手いっぱいに抱えた。

定期更新はもう終わったはずなのに、今月も変わらず2日に更新されたちゃかまる。とても照れ屋さんなはずなのに、ここぞってときにとびきりの「愛してるよ」を届けてくれたあの日と同じ。何気なくさり気ない何とも宮近くんらしい優しさをぎゅっと抱きしめた。
やっぱり果てしなく可愛くて、優しくて、柔らかい春みたいな人。ステージから客席を見るときの視線や、ステージ上でメンバーと目が合ったときの表情を思い出しては、私の生きる世界は陽だまりに包まれる。今日も明日も、末永く、君の生きる世界も陽だまりで包まれていますように。そんなぼんやりとした輪郭の想いで胸がいっぱいになった。

定時で仕事を終えて、スマホを開くとCMが決まっていて、しれっと新曲まで解禁されていた。嬉しさのあまり持てるだけのジュースを手に取って、スキップで家に帰ったし、今もCMのキャッチフレーズを鼻歌で繰り返している。

1年前の私に言っても信じてくれないかもしれないけれど、あなたが毎日毎日想い続けた先には今日があるよ。時に言葉にならない寂しさや不安もあったし、私生活で真っ暗闇に迷い込んでしまった時もあったけれど、安心して前に進んでいいよ。こんなにも素敵な今日がある。

あれから1年経った今も、相変わらずスタート地点にいる。でも、確かに進んでいる。夢を掴む旅のスタート地点にいた彼らは、今、夢を描き叶えていく旅のスタート地点にいて。社会人になるスタート地点にいた私は、今、社会人2年目になるスタート地点にいる。

旅は続くよ。明日も明後日も、その先も、ずっとこの愛おしさと一緒に続いていく。

きっときっと進んでいるし、きっときっと進んでいける。