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元祖クラフトジンについて改めて。

お久しぶりです。
ここ数週更新が滞ってしまい申し訳ございません。
改めてみなさまのお酒ライフに助けになるお話をできればと思います。

今回は原点回帰ということで、クラフトジンの走りともいわれるこのボトルをご紹介。

【ヘンドリックス・ジン】

バーでみたことがある方も多いのではないでしょうか?
香水瓶のようなおしゃれなボトルが存在感をしっかり出しています。
グレンフィディックで有名なウィリアム・グラント&サンズ(グランツ社)が作るジンであり、今や世界的にも定番のものとなります。

1999年には誕生したこのジンですが出来上がるまでの歴史は1966年まで遡ります。
1966年に創始者ウィリアム・グラント氏のひ孫にあたるチャールズ・ゴードン氏がオークションにてベネット蒸留器とカーターヘッド蒸留器を購入しました。
ヘンドリックスジンはこの2種類の蒸留器を使い、個性の異なる2種類の蒸留液を組み合わせることで香り高く繊細なジンを実現しています。

中央がカーターヘッド蒸留器、左右がベネット蒸留器

・ベネット蒸留器
1860年に製造され世界で最も古い蒸留器の一種です。
蒸留器の中にボタニカルを一晩漬けこんだ後に蒸留することで風味をよりはっきりと抽出することが可能になり、複雑な味わいの蒸留液を作り出すことが可能です。
・カーターヘッド蒸留器
1948年に製造された留器ですが、希少で世界に数台しかありません。
そこにボタニカルを詰めます。液体を蒸留させた際の蒸気をバスケットに通過させることで香りをつける手法です。
より優しく繊細で香り高い蒸留液を作ることができます。

そして1988年にこの2つの蒸留器とレシピを使いジンを発明するため、後にスピリッツの天才と言われるレスリー・グラシー女史を招き入れます。
元々薬剤師であり苦い薬のマスキングを専攻していたため、フレーバーに関する知識が豊富で同社のウイスキー以外の製品のほとんどを管理しています。インターナショナル・スピリッツ・チャレンジISCの審査員も長年勤めています。彼女がこのヘンドリックス・ジンのレシピを考案いたしました。

レスリー・グラシー女史

そしてヘンドリックスジンのなによりの特徴は11種類のボタニカルとは別に使用する、キュウリとバラのエッセンスです。

キュウリは、ベルギー産の皮の香りが強いキュウリを使います。水分が多く、加熱すると焦げたキャベツのような香りが生じるので、他のボタニカルと一緒には蒸溜はできません。フレッシュなキュウリを長くアルコールに浸漬し、低温にて蒸溜しエッセンスを得ます。キュウリはイギリスの夏の風物詩であり、サンドウィッチにも用いられることから、イギリスの象徴と考えレシピに組み入れられました。

バラはブルガリア産ダマスケーナ種を使用しており、日が出る前の早朝に全て手摘みで収穫されます。500㎏の花びらをゆっくりと低温で抽出して、1㎏のローズオイルを得ます。
ちなみにヘンドリックスの名前はバラの庭師からとったそうです。

さて、筆者のテイスティングノートを綴りましょう。
ヘンドリックスの味わいはほかのジンに比べるとまろやかで甘く、香水のような華やかさがあります。
バラとキュウリはただ主張するのではなく、他のボタニカルを引き立ててくれている様に感じます。
最初はバラの華やかさと甘さ、中間にキリっとした柑橘などボタニカルのジンらしい味わい、最後に余韻の長いキュウリのみずみずしさという具合でしょうか。

定番化してきたからこそ、あえて飲むことも少ない方も多いのではないでしょうか?
原点回帰、このボトルを改めて楽しむと新しい発見や気付きが有るかもしれませんよ。
また、限定ボトルも多く発売されているので気になる方はぜひチェックしてみてください。

ヘンドリックスジンはMixologyOnlineStore及び MixologyBoutiqueにて販売しております。
MixologyBoutiqueでは一部試飲も可能ですので是非お試しください。

Mixology Online Store (mixology-online-store.myshopify.com)
Mixology Boutique|スピリッツ&シェアリング株式会社 (spirits-sharing.com)


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