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本命党と穴党、性善説と性悪説

一般に、ボートレースに限らず公営ギャンブルには「本命党」「穴党」が存在します。その説明は今更しませんが、皆さんもおそらく、突き詰めていけばどちらかに属すると思います。

私は「本命党」は性善説者、「穴党」は性悪説者だと思っています。

理由はそれほど難しい理論ではありません。

「本命党」は、人気を集めた選手―すなわち、実力が上位だと目された選手を素直に信じて買うことができます。つまり、「この選手は本来勝てるだけの実力を持った選手なのだから、実力を出し切ってくれれば結果を出せるし、今回もそのようにしてくれるだろう」と思ってそこに金を賭けるわけです。

逆に、「穴党」はそんな人気を―言い換えれば、人気を集めた選手を裏切って金を張ります。
「いくら実力のある選手といえど、人間は人間。一つのミスで人気を裏切ることはあるだろうし、今回はその順番ではないか?」その可能性を信じて、「穴党」は人気の薄いところに目を向けます。

まとめると、「本命党」は「選手はちゃんとやってくれる」という考えに基づき、それに対して穴党は「選手はミスをするものだ」という考えに基づいてギャンブルをします。これは、性善説と性悪説の考えに似ていますよね(厳密には、人を信じるか信じないかは性善説/性悪説論に含まれていませんが、ここでは目を瞑ることとします)。

ここでちょっと意地悪な言い方をすると、「本命党」と「穴党」の特徴は以下の通りとなります。

「本命党」…良く言えば、人を素直に信じられる。悪く言えば、お人好し。
「穴党」…良く言えば、批判的思考に長けている。悪く言えば、疑心暗鬼。


どちらが成功を収めるかは時の運ですので、こっちが正解!ということはもちろんありません。単に私が、印象をまとめただけです。ただし大事なことは、自分の予想に以下のプロセスを加えることで、しっかりとした裏付けや理論を持つことでしょう。

「本命党」は、自分が信じた選手のボトルネックとなりうる事象を想像し、そのリスクを測定する。
「穴党」は、人気を集めた選手が起こしうるエラー(人的/環境双方)を想像し、その可能性を測定する。


この判断は、皆さんも知らず知らずの内にやっていることとは思います。しかし、自分の予想に迷いが生じたときや、負けが続いているときは、自分の考えの根本に立ち返って、予想を組み立ててみると良いでしょう。


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