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松本零士 (帰らざる時の物語)

(1975~1976「プレイコミック」掲載)

表紙カバー折り返し部分の説明文より
「泣き、笑い、夢を描き、野心に燃えて人間が踏んだ地球も、
宇宙の運命時間に逆らうことはできない。
科学の進歩も、人間の愛も、宇宙空間をかけめぐるただ一瞬の夢にすぎないのだ!
はるかなる時の流れを自在にあやつり、飛翔しつづける精神(こころ)が
描き出した大河ロマン!」


「松本零士節全開!」とでもいえばいいのか・・・
とにかく「松本零士くささ」とでも言うべきようなものがた~~っぷりと詰まった短篇集だ。

出てくる主役の男は例の如く「胴長短足のブサイク男」
女は「長髪の美女」

そして、ただひたすらナニをするのだ!(笑)
「ナニ」とは勿論、ワイセツでみだらな行為のことである。

実に大らかにワイセツ行為に励む登場人物たち・・・
松本零士の強弱のあるペンタッチで描かれると
それはとても美しくて女性が見ても
変にいやらしさがないというか、色っぽいのだがあまり抵抗なく読める。

ストーリーは
ある意味「大いなるマンネリ」とでも言うか、
根本的には似たような展開だが、好きな人にはそれがいいのだろう。

この短編集の中で気に入っているのは
「白夜の灯の夜のさざなみの愛と死の誓いの詩」

映像を数人が観ながらワイワイとしゃべっている・・・という話。
映像は最後に少し台詞があるだけで、ほとんど台詞はない。
その映像を観ている人たちの絵はなくて、台詞だけがコマの下のほうに表示されている。
というスタイルだ。

言葉で説明しただけでは判り難いかもしれないが、非常に面白い表現方法である。
内容も結構笑えるし、たまにはこういう感じもいいな。と思う。

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