夫婦でなに読んだ?4 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー:ブレイディみかこ』
夫婦で読書感想、4回目です。※一部ネタバレがあるので、未読の方はご注意ください。
今回は「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー:ブレイディみかこ」の読書感想を語っていきたいと思います。※あくまで個人の感想です。
■簡単なまとめ■
みかこさんの息子さん(以下みか息子)が中学校に入学するところから始まるノンフィクションです。日本にもみられるような学校格差や、イギリスという国の社会状況から、現在の子ども達がおかれている状況を、みか息子の体験を通して垣間見ることができました。
様々な人種が生きる多様性社会のはずなのに、その対局にいる田舎の学校社会の話。「そんなことまでしているの!」という学習内容の話やLGBTの話。中学生のみか息子の話なのに、話の幅が広すぎて正直なところ圧倒されっぱなしでした。
そんな中で出てくる、みか息子の対応や考え方に感銘を受けました。達観しすぎてやしないですか?と思うところもあるけれど、誠実に社会と自分に向き合っているその姿勢には舌を巻きます。この子はどんな子になるのかと続編を期待してしまいます。
みかこさんは、みか息子との生活で得た体験を冷静に分析されていて、気負いなく書かれているのかわかりませんが、読みやすくてすぐに読み終わってしまいました。さらっと読めちゃうけど、心に残るフレーズも多く、とっても面白いおすすめの本でした。
ここからは夫婦の読書感想(ほぼ雑談)です。興味のある方は読んでみてください。
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妻:私が気になったのは、ライフスキル教育の試験でエンパシーって言葉を説明するところで「誰かの靴を履いてみること」ってとこ。
夫:うん。あったね。
妻:日本だとみか息子が学校で感じているような、誰かに人種を差別されるってことは少ないけど、周りと違うことを良い事としないじゃない!?刷り込まれてるじゃない!?
夫:うん。そうだね。そゆとこあるね。
妻:みんなランドセル背負ってるから、ランドセルじゃないやつ背負ってきたらちょっと差別されるじゃないけど、いじめられる可能性も高いじゃない?そういう意味での、周りと違うことに対しての差別…そういう意味だと差別ってあるのかなぁ〜って。
妻:人間が生きていく上で差別ってしょうがないと思うけど、比べちゃうから絶対。自分たちと同じか違うかって。
夫:相手と自分との優位性を比較して上に立ちたいって心が出ちゃうよね。(もちろん自分も)
妻:何がふつう?誰が基準?何が基準?っていうよりも、違う人がいるっていうのを受け入れて生きて行かないと、これから先みんなが息苦しいっていうか…。よ〜やく今ちょっとだけ広がってきてるじゃない?こういう人たちもいるんだよって、「LGBT」とかね。
夫:そうだね。少しずつね。
妻:それで…私が言いたかったのは、エンパシーが必要なんだよねって思って、それで「ハッ」としたのは、今大人達がようやく気づき始めた段階なのに、イギリスでは11歳の頃から勉強として学んでいるってのに愕然とした。その違いにね。国が国だからしょうがないってのはあると思うんだけど…日本という国があまり他者を受け入れてこなかったから…。
夫:「道徳」とはちょっと違うようだもんね。
妻:う〜ん入ってるといえば入ってる分野だと思うんだけどね。まぁそれで、愕然としたんだけど、だからといって欧米諸国に比べて劣ってるって思いがでたというよりは、日本って子どもたちに対する学校教育をどう捉えているのかなってシンプルに疑問に思っちゃった。
夫:どういう人材を育成したいのかってところは多分、戦後日本の社会の仕組みや考え方がもう今のようにできちゃってるから、その流れにしたがってきただけなのかなって思う。
妻:時代とともに変化してきて、昔は考えられなかったことが今は当たり前なはずなのに…まぁ全部変えればいいなんて思ってないけど、時代の変化に伴っていろいろなカリキュラムを取り入れたりして、変えていかなくちゃいけないのに根本的なところは変わってなくて、社会で生きていく上で必要なスキルって日本の学校教育でまかなえて無いんだろうなって思った。
夫:うん。
妻:学力!重視。とにかく学力重視。学歴重視。これは寧々先生(英語ネイティブ脳みそのつくり方先生)もいってるけど、どんなに有名大学出てても…。だから今の教育ではこういうスキルは賄えないんだろうなぁって。
夫:いいもの作ればいいって世界じゃなくなってきてるもんね。(教科書通りでは通用しない社会になってきてる)
妻:日本が開けてないってのがすごく理解できた。それこそ自分の子供が学校に通ってるのもあるから、いろんな感情が湧き出てきた。学校に置いて欲しい。
妻:「エンパシー」身に付けなきゃなってすごく思った。自分と違うことを受け入れるってすごく難しいからさ。
夫:デモの話もあったね。日本では一般的な事ではないから、子どもたちがデモに参加するってことがあれば、異常なことだって感じてしまうけど、そういう行動をおこせる子どもたちがいるっていうのが強いのかなと思う。
妻:そう。日本人はSNSでは自分の意見は言えるけど、行動してみてっていったらできない。
夫:自分にも言えることだけど、なかなか言葉と行動が一致しない。
妻:言葉では何とでも言えるからね。
夫:世の中を変えたいって思うんだったら身近なところから社会に参加していかないとね。民主主義であれば、選挙のときはしっかり考えて投票するとか。変わらないって思って投票しないのは良くないんだなって、恥ずかしながら子どもが生まれてから思った。
妻:意識を持たないとね。なかなか難しいけど。
夫:イギリスの子供たちは自分たちが社会に参加しているんだっていう主体性を持っている・受け身じゃなくて…「自分がこうだ」っていう認識を持ってるのはすごくいいなって思う。
妻:うんうん。確かに。
夫:環境問題だったり、性の問題だったり、人種の問題だったりを、自分のこととしてちゃんと受け止めて学んでいってる。
妻:いろんな問題に対して自分の考えがちゃんとあるよね。
夫:その思いがあることをみんなが認めているっていうのがすごい。
妻:発言が違うことを認めているかどうか?賛同しないといけないみたいなところがある。なかなか言えないよね。
夫:だね。
★この後東洋人の話から歴史の話・SNS社会の話・ゲームの話・テクノロジーの話など、話がトビに飛んで脱線を繰り返しておりましたが…★
夫:だからこそやっぱり、こういう本を読んで「他」を知る。それこそ妻がいった「エンパシー」を理解するっていうのかな。それが子どもたちの強みになるんじゃないかな。子どもだけじゃなくて大人もね。
妻:小学生はおすすめの本って選びやすいし、高校生はもう大人と同じでいいけど、中学生に選ぶ本って難しいなって思ってた。けど「これだなぁ!!」って思った。こういう感じの本なんだろうなって思った。ちょっと背伸びした感じ!?
夫:いろんなことができてくる時期だしね。
妻:子ども扱いをされたくない時期だからこそ、「あなたも一人の人としてこの本をどう捉えるの?」って。こんな世界もあるけどあなたはどう思う?って感じかな。
夫:うん…そしてこちらも、読んだ子が思ったことを素直に認めないとね。
妻:「それは違う!」じゃなくて、子どもたちがどんな答えを出したとしても、そういうふうに考えてるんだって受け入れないとね。
妻:本当に面白い本だった。みかこさんの他の本も読んでみたいし、みか息子の成長過程も気になる!
夫:うん。気になっちゃうね。ホントに面白い家族の成長をみれて面白かった!!
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ずいぶん自分たちのことを棚に上げて喋りましたが、読んでくださった方、ありがとうございました。
夫婦で読書の話をしてるときは、お酒が入っていることが多いので、話が脱線して長くなったりしますが、私たちにとって貴重な時間だと思ってます。お互い思う事が違うのが面白いし、読んだ本を振り返る事で、改めての気づきを得ることもできます。
さぁ。次はどんな本を読もうかな!!とワクワクです。
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