言葉の神様には、前髪しかない
夜、仕事がひと段落して、パソコンをパタンと閉じる。
トイレにでもいって寝ようと思うのに、そういう時ほどふっとさっきまで書いていた文章の続きが浮かんできたりする。
そうなると、トイレからそのまま、ベッドに向かうはずが、再びデスクに向かうことになるになる。
ライターをしている人ならきっとこんな経験は何度もあるに違いない。
浮かんだ言葉は、その瞬間にしっかり捕まえておかないと、2度と現れてくれない。
だから、早寝しようといつも思っているにもかかわらず、何回もそんなことを繰り返し、気がつくと0時を回っていることもよくある。
ライターとは、かくも難儀な商売である。
しかし、言葉の神様には、前髪しかないのだから仕方ない。
いつでも、どこでも、どんな言葉であろうとも、降って湧いてきた言葉は全部捕まえたいと思うのがライターの性だ。
そして、また今日も明日も、なんとなく、夜更かししてしまうのである。
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