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中学入試 国語読解法 その2 物語(小説)文の読解のしかた ② 登場人物の動作にマークしよう

a 登場人物の気持ちを読み取ることがいちばん大切

前回、国語読解では問題文を読みながら本文にマークをしていくことが大切で、どこにマークをすべきかを理解することが国語読解の学習だというお話をしました。そして、物語(小説)文の場合は、登場人物とその人物像がわかるところに先ずはマークをすべきということもお話ししました。

さて、つぎにマークをすべきところです。それは『登場人物の気持ち、心の動き』がわかる部分ということになります。物語(小説)文の設問は、この『登場人物の気持ち、心の動き』に集中します。ここをしっかりと読み取らないと、設問に対して正解を得ることはできません。

いずれにしても、物語(小説)文の設問の中心が『登場人物の気持ち、心の動き』にあるのならば、問題文を読んでいく時からしっかりとその部分にマークをしていくべきです。国語読解力のある生徒ならば、問題文を一読した後には、ほとんど設問に対する解答ができる状態になっているはずです。

では、『登場人物の気持ち、心の動き』にマークをするといっても具体的にどこにそんなことが書かれているのでしょう。

b 登場人物の動作から『気持ち・心の動き』を読み取る

○○は壁にもたれかかり、顔を手で覆った。
○○は部屋の片隅に座り込み、ゆっくりと体を揺すり始めた。
○○はゆれ動く心臓の鼓動を感じながら、うつむいてしゃがみこんだ。
○○は窓辺に立ち、雨に打たれながらもうなだれたままでいた。
○○は手を口に当てて、無言のまま絶望の叫び声を押し殺した。
○○は震える手で、机の上に置かれた写真をそっと撫でた。
○○は庭の木の下に座り込み、枯れ葉を手でつかんで粉々に砕いた。

どうでしょう。これらの例は「悲しみ」とか「怒り」の感情を登場人物がいだいている表現です。もちろん、前後の関係の中で、それぞれの動作が持つ意味は変わってきますが、「顔を手で覆った」「うつむいてしゃがみ込んだ」「雨に打たれながらもうなだれていた」などの動作からは、少なくとも楽しい気持ちは想像できませんよね。

ふだんから国語読解の演習をおこなうときに、登場人物の動作に注目をして、その動作がその人物の「どんな気持ち、心の動き」を表しているのか。作者はその動作に読み手に登場人物の「どんな気持ち、心の動き」を伝えようとしているのか、をしっかりと考えるクセをつけておいて欲しいです。また、逆に、自分が作文をするとき「うれしい気持ち」を表す動作を書くとしたらどんな動作にするかを考えるのも良いでしょう。

△△は、ピョンピョンと跳(は)ねて
△△は、拳(こぶし)をつよく握りしめて
△△は、何度も足を踏みならして
△△は、目を細めて
△△は、顔を赤らめて
△△は、ほっとため息をつき

さて、これらは「どんな気持ち、心の動き」を表す動作でしょうか。

C まとめ

  • 登場人物の「気持ち、心の動き」を読み取ることが物語(小説)文の読解ではもっとも大切

  • 「気持ち、心の動き」を読み取るには、登場人物の動作に注目し、その部部にマークをしていくこと

「気持ち、心の動き」を読み取るには、動作以外にどんな点に注目していけば良いか。それは次回にお話しします。


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