有為転変でゴー

 あけましておめでとうございました。

 閑話休題

 人様から中年と後ろ指さされ嘲られるようなお年頃ともなると、年が明けたからといってなにが変わるわけではない、人間はそう簡単には変わらない変われるもんじゃない、という残念な諦観を獲得してしまうのであり、そういうわけだから、きっと今年も私というものは、どうでもいいことに拘泥し、肝心なことをあっさり諦めてしまう、そんなダメな人として過ごしてゆくのでしょう。然し乍らそれでもこれまで結構楽しく生きて来られたし、だからこれからも結構楽しく生きていけるのだろう、なんて思えるから人間ってやっぱり偉大だと思います。

 閑話休題

 あっさりと 恋も命もあきらめる 江戸育ちほど哀しきはなし

 閑話休題

 万事小ざっぱりといきたいものですね。たとい切なさに人目を憚らずにわあわあ泣きたいような別れにぶち当たったとしても、それでも歯を食いしばって小ざっぱりとしていたいものですね、って、新年早々なにを云っているのでしょうか私は。ってか、そもそもおいら江戸育ちじゃねぇし。

 閑話休題

 たといばの話、いま、正月も松が明けて新成人が大暴れするような時期になったいま、街中で一斉にクリスマスソングを流したとしたら、世の中の人の心も、クリスマスっぽくなるのかなあ、そうすることで人心を騙せるのかなあ、と毎年考えます。

 閑話休題

 久々に新日本プロレスの中継を真面目に見たのだけれど、あれね、メインのオカダ・カズチカ対ケニー・オメガを始め、ほとんどの試合が90年代の新日ジュニアテイストになったのね、なんて思った。巷間いわれている、四天王プロレスとの類似、は当たらないなあ、と思った。四天王プロレスと比べるとスピード感がありすぎる感じがする。そこがまた90年代ジュニアっぽい。たまにNEVER王座戦みたいなゴツゴツした試合もあるけど、やっぱりこの、私なんかが痺れた昭和新日本の味わい、頭の狂った人たちの集まり、人殺し集団の集まり、みたような味わいはどこを探してももうないんだなあ、なんてことを思ったイッテンヨン。

 閑話休題

 桜庭和志やボプ・サップらの活躍で格闘技が全盛だった15年前を思うと、まさか、ここまで格闘技が落ち込んでプロレスが復権するとは思わなんだ。当時、あすこらへんの時代、ミスター高橋だとか高田延彦だとかがプロレスの勝敗は全て決まり事である、みたいなことをバラして、だったら格闘技の方が本当の勝負だから興奮するし、みたいな世の中の流れになって、だからこのままプロレスはもう駄目になるんだろう、格闘技に取って代わられるんだろう、と思ったら、どっこいそうならない、というのは、一体なんなんだろう、物事って面白いなあ、世の中の流れって面白いなあ、有為転変じゃなあ、と思うのであります。

 閑話休題

 でもあれね、訳のわかんない連中が、いわゆる”お約束”のことを「あれはプロレスだから。ガチで怒った訳じゃないから」なんて、したり顔で抜かしているのを耳目にすると、ほんと嫌な気持ちになるね。プロレス・ファンではなくなってからずいぶんになるけれど、それでもやっぱり嫌だな。そう云う連中を見ると、指を口の中に突っ込んで力任せに引き裂いてやりたくなるね、というそんなゴッチ・イズム。

 閑話休題

 ではそんなことでまた。今年もまた、いろんなことを諦めたり諦めなかったりしているうちに一年が過ぎてゆくのでしょう。今年も来年も再来年も末長くよろしく。では、さようなら。ありがとう。

 http://garbage-coll2.sakura.ne.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?