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何も知らない私ですが起業しました


そもそも農業にそこまで関心がなかった

そもそも、私が農業の世界に飛び込んだのは、「師匠」こと旦那さんが家業である農業を継ぐと決めたから。
気付けば朝から晩まで休みなく働く師匠。
話を聞けば聞くほど…なんというか…ちゃんとしなよ!!と思う事ばかり。例えば、お客さんからの問い合わせ放置、などなど…。
原因は確かに師匠のだらしなさもあるが、現実的に時間がない。
早朝4時から作業して帰宅が0時何てこともある状況で現実問題として時間も体力的余裕もない。
 一方で、野菜はめちゃくちゃにこだわって育てている。
こだわって美味しい野菜を作ってるのに儲けもなし、人手もなし、時間もなし。どうにかならないの?と思った瞬間、多動の私は行動してしまうのだ。

販路に問題がある。そこまでは分かったけど…

 「師匠の負担を軽くしたい」「良いもの作ってるんだからやり方を変えれば経営が良くなるはず」という単純な気持ちで始めた販売営業。
販路が今のままじゃダメなんだ。
それは、割と早い段階で気付いていた。そりゃそうだよね。
ただ、やればやるほど「じゃあ、どんな販路なら良いの?どうやってやれば伸びるの?」そこの答えに辿り着かない。
やればやるほど、知れば知るほど「問題」の多さに気づき絶望的な気持ちになる。
当たり前だけど「メリットしかない販路」なんて存在しない。
小売りを始めれば手間がかかるし、大口で手軽な注文は価格が付きずらい。要は、「経営者として何を選択するか」
だが、そこに関する知識もなければ根拠づけも出来ない。そんな自分を信用できないから覚悟も出来ない。

 さらに、農園内で沸き起こる「差別」ムーブ。
ただでさえ「嫁は義親の言う事を聞くものだ」と思っている義両親からしたら農作業もしないで外ほっつき歩いて遊んでるだけ。と見られてしまい(要するに自分たちの思い通りにならないのが気に食わない)
終いには配達用の荷造り中「泥棒」と言われる始末。
師匠は師匠で何を勘違いいているのか「お前のやっている事なんてたいして成果の出ないものだ」とやたらと下に見てくる。
何度も辞めようと思ったけど、どうにも負けず嫌いの私は毎回「絶望」より「見返してやる」の方に軍配が上がってしまいより躍起になってしまうの繰り返し。
ただ、どの販路を選択するか?の答えは出ないままもがき数年が過ぎてしまった。

外の世界に出たい。最初の一歩はどこに??

 今のままじゃだめだ。何も知らない自分だけじゃ現実を変えられない、と分かっていたので、誰かに助けを求めたかった。でも、もがき苦しんでいる中で出会った「自称コンサル」の人たちは全員全然だめだった。
ならば、全く知らない世界に飛び込むしかない。と苦手なSNSを始めて目に飛び込んできたのが「箕輪厚介さんの5万円顧問」
「法人限定」と書いているのにダメ元で連絡。
スタート直後だったこともあり、快く受け入れて下さった。

箕輪さんにお願いしたかったのは、どこの誰とも知らない人に賭けるより発信や著書を通して「人となり」が分かる人で、色々なモノを見聞きして知っている人に意見を聞きたかったから。
なので、顧問をお願いして満足ではなく実際に一緒にお仕事をしたかった。
普通に考えれば無謀かもしれない。箕輪さんからしたら私なんて「どこの馬の骨とも知らないおばさん」なのだから(笑)
でも、箕輪さんは本当に「フラット」に仕事、を通して人を見てくれる方。
突然の「コラボのお願い」に「いいっすね。やりましょう」と二つ返事で了承してくれ、「箕輪米」が誕生した。

 これが売れなかった(笑)
勿論、箕輪さんも発信して下さったし、めちゃくちゃ協力して下さった。
でも、これが私の「スキルの無さ」なのだと改めて思い知った。
ただ、この箕輪米を通して色々な事を学べたので無駄だったとは全く思ってないし箕輪さんには本当に本当に感謝しかないです。ありがとうございました。

偶然見つけた「経営者養成学校」と地獄

 自分が足りないものだかけだと自覚しつつも「何が足りないのか」「どこに行けばいいのか」が分からないまま、偶然見つけた「すなばこ江別BootCamp」のお知らせ。私が苦手だったSNSの講座がある。しかもゲストは農家の人だ!!
本当、ただそれだけで何も誰も知らない状況で、お邪魔した(笑)
「セミナー」の感覚で行ったもんだから物凄い熱に圧倒されてお邪魔したことを正直ちょっと後悔した(笑)

でも、みんな楽しそうだった。マイク持って話してた明らかに「代表」っぽい人(なかまこさん)の言っていた事って、今までどの農家向けセミナーでも聞いた事がないような「本質」な気がする。
もしかしたら、ここに何かヒントがあるのかも…。
そう思って苦手なTwitterでフォローさせてもらいちょこちょこ発信を見るようになった。
そんなこんなで(?)1か月ほど経った頃、以前「我が家の裏自己紹介」にも書いた師匠のやらかしが発覚。
ある日突然、目の前が真っ暗な「地獄」に突き落とされた。

 その後、色々な人に助けてもらいながら這い上がる様子は裏自己紹介にも書いた通りだが、なかまこさんの初めての面談で師匠に言ってくれたのが「どんなに奥さんが芽を出そう出そうと頑張ったってあなたが上から土かけ続けてるんだから芽が出るワケないだろ。あなたが土をかけ続けてきたんだよ」という言葉だった。本当に言語化の力が足りない私の想いをまさに表した言葉だった。

この出来事をきっかけに、「自分自身が経済的に自立」することが目標の一つになった。
と、同時に「宮川農園」自体の経営再建も待ったなしの課題となり自分に何が出来るのか、本気で考え始めた。
幸い、DXあんとれ1stは経営を知り、戦っていくための知識や情報を沢山くれた。だからこそ、色んな事が見え自分でどこまで出来るのかは相変わらず不安だった。

顧問先生と財務の先生との出会い

 実は、DXあんとれ1stの前から「今治スタートアップビジネスコンテスト」にエントリーしていた。メンターとしてなかまこさんの指導を受けさせて頂いたのだがその中で、新たなビジネスのアイディアと顧問になって下さるとの提案を頂いた。
最初は信じられなかった。こんな小さい農家な上に師匠のやらかしまでバッチリ知っているはず(笑)
でも、私が一人であと何年もがいたって結果が出ないのは明らか。
本当に胸を借りるつもりで、お願いした。
本当に本当に有難かった。ずっと一人でどうしていこう、という不安が軽くなりふっと肩が軽くなったような気がした。

 そして、家族で四国九州を巡る「DXあんとれ1st卒業記念家族旅行」中の天草で、本当にめちゃくちゃ偶然にお会いできた猫山課長。
ほとんど天草でお話したのが初めてだった。正直言ってなかまこさんと猫山課長の話についていけない私だったが、猫山課長は財務の事についてなんでも聞いてくださいと爽やかに財務の先生を引き受けて下さった。
(そして翌日スマホを忘れて帰られたお茶目な課長(笑))

突然溢れ出した不安と思考停止。助けてくれたのは…

 年が明け、ビジネスコンテストの最終審査。
はっきり言ってダメダメ過ぎた。自分の実力のなさ、足りなさを一気に突き付けられ自信が見事になくなった。
と、同時に、何をどうしていいのか、分からない事も分からなくなり、思考がフリーズしだした。
その間も、顧問の先生と財務の先生、若林先生にはお時間を頂いて色んな事を教えて頂いたのだけれど、その間もひたすら「不安」との闘いだった。

誰にも「お前はダメ」なんて決して言われていない。むしろ、励まして下さってるのにそれすら「過大評価じゃないかな。蓋開けて私の本当の実力を知ったらがっかりするんじゃないのかな」と完全な不安モード。
これは、長い間「お前なんて」と言われ続けた事の後遺症のような面もあるけど、やはり自分に経歴がなかったり知識がなかったり、という事を自分が一番知っているから自分の事が一番信じられないから。
そんな感じで、時間ばかり過ぎていく…。

 そんなある日、猫山課長からのメール「来月に行きますね」
驚いた。だって猫山課長といえば週に何度もnoteをアップし、記事も執筆して本業もこなして…。どう考えても忙しい。
しかもしかも、こんなヘッポコの為に来て頂ける…だと?
そして、焦った(笑)
これは、何が何でも事業計画書を見せられるものにしなければ(笑)
そんな不安に気付いてくださったのか、なかまこさんも「課長が行く前にミーティングしましょう」と時間を取って下さり、その中で事業のストーリーが組み立てられていく。

そして、猫山課長がいらしてSUNABACO江別での懇親会。
来てくれた事に改めて御礼を伝えると
「だってさ、何となくズルズルきてたでしょ?行くって言ったら焦るじゃない?
それに、Zoomでは何度も話してるけどこうやって実際に会ってゆっくり話すとさ、困った時に相談しやすいじゃない。だから来ようと思ったんだ」

この猫山課長の言葉を聞いた時、本当に本当に一人じゃないんだなって思えた。先生たちという存在、一緒に頑張れる仲間、本当に貴重な、奇跡みたいな存在が気が付いたら周りに存在してくれている。
それを実感したし、絶対に絶対に形にしなきゃいけない、不安に駆られて止まってる場合じゃないと強く思えた。

色々な人に支えられて新たなスタート

 そんなわけで前置きが長くなりましたが、
この度、新会社「エプイ」を立ち上げました。
エプイはアイヌ語で「新芽」という意味。
文章中に書いたなかまこさんの言葉が忘れられず、そして、なかまこさんに拾っていただき、色んな方に救って頂いた新芽をこれから、大きくしたいという想いで名前を付けました。

やる事は今まで+αで、宮川農園の野菜の魅力をより引き出して、皆さんに伝えながら商品として世に出していきます!!
そして、私のように、ただ「家業を旦那が継ぐ」というだけで下に見られたり、理不尽な扱いをされる女性が一人もいなくなるように、まずは自分が社会的に自立することで何かお役に立てるなら…という想いです。

今まで何度も土をかけられ踏みつけられた芽なので、ちょっと発育は遅いかもしれませんが、これからは沢山栄養と水を吸って大きくなっていきたいと思います!!
皆様、これからもどうぞ宜しくお願い致します!!!






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