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中途入社したメーカーで「史上初」のインターンを主催してみたら泣くほどとんでもないことになった

私はコニカミノルタという会社に2021年9月に中途入社し、2番目に売上の大きい事業部本部の中にある「ビジネス開発グループ」のマネジメントを2年半ほど行って参りました。ここでは主にAccurioDXというブランド名を冠した新規事業にファウンダーとして取り組みながら、大小さまざまな「史上初」の取り組みを行っております。(それ故に、数々の失敗も積み上げてきております。)

中でも「新規事業開発には仲間が重要」ということで、この2年半、様々な形で、社内外への情報発信、共創活動の推進、事例創出などを通じた「社内外の仲間づくり」に取り組んで参りました。今回はその一環として2年連続で開催した、「あり得ないインターンシップ5日間プログラム」について、皆様に共有させて頂きたく思います。


■3つの「あり得ない」

特徴やこだわりが沢山詰まったプログラムですが、まずは簡単に3つに絞ってお伝えします。

①予定調和なし
答え、オチ、正解があらかじめ用意されたプログラムではなく、社員も一緒に「初めて」「未知」に取り組む真剣勝負なプログラム。普段の業務そのものです。(もちろんプロセスはしっかりデザインされております☆)

②勝手に
インターンシップは人事部門が主催・主導することが殆どですが、このインターンは我々チームが独自に勝手に取り組み、やりたいようにやっています。(とはいえ、もちろん様々なご協力も頂きありがとうございました!)

③社外へ
コニカミノルタのインターンなのに、社外の「初めまして」の顧客に訪問したり、社外の人が集まってくれて一緒にアイデア発想をしたり!(これ通常なかなかできない事でしょう☆)

■とんでもない結果!

1年目は手探り状態ではあったものの、プログラム自体は大成功し、参加者の中から実際に応募していただいただけでなく、このプログラムへの参加があったからこそのご縁で、素晴らしい方々が4月に入社予定です。加えて、インターンによる訪問をきっかけに、訪問先企業の一社である株式会社シマノ様との共創の様に実際に提案が実現してしまった事例も。これは本当に想像以上の結果となりました。

2年目は、それを受けて(成果が出すぎたため)、我々グループ独自の取り組みから人事部門のバックアップを受けての開催へとバージョンアップしました。採用活動はまだ現在進行系ですが、訪問受け入れ企業、協力企業、参加者それぞれから、極めてホットなフィードバックを頂いております。

参加学生の声:

・「いわゆるインターンではない。涙が出るほど本気で取り組める、他では経験できない、人生が変わるインターンでした」
・「幾つかのインターンに参加しましたが、本当にここでしか経験できないインターンシップです!運営していただくAccurioDXのメンバーは、自分たちの仕事に対する価値観を明確に言語化し続け、周りを巻き込むことに非常に長けた方々です!本当に面白い方々でした!」
・「訪問先の企業様に何よりも感謝されたのは、私達の想いが『共感』として伝わった事でした。『短い時間ながら懸命に提案を作り上げてくれて、自社の製品やビジネスモデル、そこに伴う課題に向き合い続けてくれて、そして、実際に行動を起こしてくれて本当にありがとう。僕たちの次にこのサービスのことを理解しその必要性を考えてくれたのは君たちだ。』と言っていただけた時は非常に嬉しかったです!」
・「綺麗で論理の整った提案をするだけが価値ではなく、そこに人の思いや行動が伴い、口から熱意を持って語られることによって信頼に繋がるのだと学びました。私は近い将来、社会に出て数多くの人と関わりながらビジネスを作り上げ、動かし続けていくはずです。そこでは対話を通じて、お客様の言動の根底にある『感情や価値観』まで深掘り、『自分ごと』としてそのプロジェクトに『共感』することで本当の意味での信頼・価値創造に繋げていきたいと思います。この5日間で得た経験・仲間は一生の宝物です!

訪問先企業の声:
訪問先企業の1社としてご協力頂いた牛乳石鹸様からはこの様な記事もご発信頂きました。

『仕事をしていると、こんな短い時間ではできないなど、自分で限界を決めてしまっていることがあるような気がします。きちんと期限を決めて、やると決めたら最後までやりきる。そういった姿勢が大事なんだと、学生の皆さんから教えてもらいました。

牛乳石鹸さまのnoteより
参加学生と牛乳石鹸の皆様と一緒に

■秘密のプロセスを大公開!


2022年、2023年ともに12月に5日間のプログラムを行いました。1年目はほぼ勝手に、2年目は1年目の結果を受けて、人事部門が本格的にご支援いただく形でパワーアップしましたが、大枠の流れは同様に以下の様なプロセスでした!

【インターン生の募集〜選考】
マイナビやSNSなどを通じて集まっていただいた皆様は3桁になりました。書類選考→グループ面談等を経て、できるだけ沢山の皆様とお話させて頂き、最終的に1年目は9名、2年目は12名の皆様にご参加頂きました。
書類選考では、「旅立ちの書」と名付けた独自のフォーマットを活用し、ご提出頂きました。(他で作ったエントリーシートを使い回しづらく面倒だったという声もある一方で、内省が進んだとご好評も多く頂きました)
書類選考を通過した皆様によるグループ面談では、創造力やグループワークへの適性、コミュニケーションスタイルなどを見させて頂くために、工夫を凝らした独自のオンライン・ワークショップに取り組んで頂きました。(意図がよくわからなかったという声もある一方で、こんなに楽しい選考プロセスは初めてだったとご好評頂きました)

【訪問先企業の募集】

コニカミノルタグループは全世界約150カ国・約200万を誇る顧客基盤をもっておりますし、我々が独自にご縁を頂いたAccurioDXの共創パートナーだけでも200社以上に及びますが、その中から募集・選定をする、、、ではなく、このインターンをきかっけに新たなご縁を頂くことに取り組みました。具体的には、SNSでの呼びかけや、知り合いの伝手などもフル活用しました。準備段階から真剣勝負!

【初日】
大阪府高槻市にあるコニカミノルタの拠点に集合。オリエンテーションや社内・社員の紹介や交流と共に、3名1グループでのグループワークを開始。個々人の参加目的の確認〜チームビルディングと共に、訪問先企業へのインタビューの準備を行いました。そしてその中で、募集の段階でもお伝えしてきた「AccuriuoDX」「DoroXsai*」「DIY*」「変態*」「デザイン思考」などについても、これからの体験の助走として、解説しました。
 *詳細は後述

【2日目】
訪問先企業へと伺い、インタビューを実施。ご協力いただいた企業様は、1年目は3社(ミズノ株式会社株式会社シマノ株式会社ヒューマンフォーラム)、2年目は4社(東洋紡株式会社まなクル牛乳石鹸共進社株式会社株式会社レスタス)となりました。皆様本当にありがとうございました。
午後はインタビュー後の振り返りとして、共感マップ、バリュープロポジション・キャンバス、ビジネスモデルキャンバスなどを活用した振り返り〜構造化を行いました。

【3日目】
午前中に、前日に顧客訪問を経たインサイトを結晶化し、チームビジョンの言語化とともHMW(How Might We)などを活用したアイディエーションの準備を実施。
午後は社内外の人材を多様に巻き込んでのアイデアソンを実施。一気に解決策の選択肢を拡散した後に、徐々に提案内容へと収束させて行きます。

社内外からアイデアソンに集まって頂いた皆様


この日の夕刻に、『宴』も敢行しました☆
盛り上がらないわけがありません!

【4日目】
これまでの取り組みを総合的に活用し、訪問先企業を顧客と見立てた場合の「提案」を具体化してプレゼンテーションを完成させて行きます。2年連続、この日が最もハードワークする時間となりました。。。!

【5日目】
午前中に、訪問先企業に再度訪問し、インタビューを経て深く洞察し、新たに構想した提案を全力で実施!様々なフィードバックを受け、嬉しさ、悔ししさを大いに味わいます。
午後は、その結果も踏まえて深い内省をした後に、一気に最終報告の準備を進めます。そしてグランドフィナーレでは、各チームの発表と共に「一人ひとりのチェックアウト」を実施。これはインターン生も参加した社員も行うのですが、社員も学生も涙を流す人が現れます。私も、2年連続で泣かずにはいられませんでした。

社員も学生も全員で喜怒哀楽を5感で共有した5日間となりました。
そして、これをきっかけにして出会った皆様と引き続き様々な形で、対話・共創を継続させて頂いております。

引き続き、2024年度も開催予定であると同時に、複数社での共同主催など、コラボの形を加速したいとも考えております。

■なんのためにやっているのか

上記の学生や受入企業様のお言葉以上に、このプログラムを雄弁に語る言葉は持ち合わせていない状況ですが、私なりに、この活動の意味、あるいは価値を語るとすると、以下の3つを「体験を通じて広める」活動であると考えています。

①「DoroXai」活動なくしてトランスフォームなし
AccurioDXのDXは「DoroXsai(泥臭い)」の略称です。気の利いたデジタルツールを導入すればDXできますぜ、、なんて甘い世界はなく、ただのデジタル化ではない真のトランスフォームを求めるのであれば尚の事、泥臭く対話・並走・共創することが求められるのです。

②「DIY」の実践
そして、そのDoroXsaiを体現するマインドセットでもあり「新規事業やDXに関わるならこれだけはやって欲しい」と提唱してるメソッドがDIYです。
これはDo It Yourselfの略である通り、「まず自ら実践せよ」「手足を動かせ」という事を啓蒙すると同時に、「でろ(D)」「いけ(I)」「やれ(Y)」の略にもなっております。
D:社内、既存の枠組み、常識の範囲から、意図的に「でろ」
I:気になる現場や顧客のもとへ「いけ」
Y:現場に行くことで得た学びは必ず簡単なことでも「やれ」
インターンシップは我々グループのこのカルチャーを体現し、参加者・協力者・関係者にこれを共有する場にもなっているのです。

③「変態」たれ
ここで言う「変態」は以下のように定義できます。

リターンではなく、自分の興味関心・使命感・大義等を行動原理とする感性と実行力を持ち、できない理由を並べず“どうしたら少しでも前に進むか”という観点で実働しながら、必要なリソースを自ら集めることを厭わず、これらの“プロセスそのものに快感を覚えている人

X(旧Twitter)より

DoroXsaiスタンスでDIYに取り組む人はまさに変態そのものであり、この変態こそが、イノベーションを起こす源泉(ソース)であると、私は信じています。AccurioDXのチームメンバーは変態ばかりですし、「世の中には”変態”と”それを隠している人”の2種類しかいない」と捉えています。このインターンを通じて、社内外関係なく、自覚的な変態=変革に挑む仲間を増やす活動になっていると考えています。

最後に

いかがでしたでしょうか。言うまでもなく、これらのすべての活動のベースになるのが「対話」です。チームメンバーとの対話、人事部門始めとした社内協力者との対話、訪問先企業との対話、協力していただいた多くの皆様との対話。我々と対話して頂き、そして一緒に挑戦していただいた多くの変態の皆様に感謝申し上げます。インターンは始まりでしかなく、これから益々よろしくお願い致します☆

こんなインターンに参加してみたい、学生を送り込みたい、訪問受け入れてみたい、一緒になにかやりたい、詳しく話を聞きたいなど、もし少しでもご興味をお持ちいただけたのなら、いつでもお気軽にご連絡頂けたら嬉しいです!

最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました!!

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